手元供養とは?理解しておきたいメリットやデメリット、方法

手元供養とは?理解しておきたいメリットやデメリット、方法

2023/10/10

手元供養とは、故人の遺骨をアクセサリーや置物などの形で遺す供養方法です。大切な故人を身近に感じられ、グリーフケア(遺族ケア)の一助になることから、近年注目されています。

手元供養は、従来のお墓に遺骨を納骨する方法と異なり、新しい供養方法です。そのため、検討中の方のなかには、手元供養のメリット・デメリットや方法などに関して、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、手元供養のメリット・デメリット、種類や方法について解説します。手元供養を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

手元供養とは

手元供養は「故人の遺骨や遺灰の全部、または一部を自宅や身近なところに保管して供養する方法」です。

手元供養では、遺骨や遺灰をアクセサリーやインテリア(置物)といった手元供養品として形に残したり、骨壺に納めたりすることで供養します。

寺院や霊園のお墓に納骨し、供養することが一般的である日本において、手元供養は比較的新しい供養方法として注目されています。

手元供養が注目される理由

古くから日本では、遺骨や遺灰をお墓に納骨することが当たり前だと考えられてきました。

しかし近年は、少子高齢化や核家族化などの影響から、お墓を継承したり、新たにお墓を建てたりすることをためらう方も少なくありません。

また、亡くなった大切な人をいつでも身近に感じられるよう、遺骨や遺灰を傍に置いておきたいと考える方が増えています。

そのような社会環境やライフスタイルの変化に伴い、多くの人が手元供養を選択するようになりました。

手元供養の方法

手元供養には、大きく「全骨」「分骨」の2種類があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

全骨

遺骨の全てを手元に置くことを「全骨」といいます。

手元供養で使用する骨壺の大きさは、お墓に納める骨壺に比べて、10分の1程度です。そのため、遺骨や遺灰の収納方法を以下のように工夫する必要があります。

・粉骨して、遺骨を5分の1または3分の1程度の大きさにする
・骨壺をいくつか用意して、遺骨を小分けにして納める
・全骨を収納できるサイズの仏壇を用意する

分骨

「分骨」とは、遺骨や遺灰の一部を手元に残すことです。

分骨する際は、遺骨や遺灰の所有者が限られるため、遺骨や遺灰を誰がどのように手元に残すかを家族や親族で話し合い、承諾・合意を得る必要があります。

以下のように、分骨する遺骨や遺灰の量によって、分骨時の骨壺の大きさや加工方法は異なります。

・一握り程度:持ち運び可能なサイズのミニ骨壺に納めたい
・一つまみ程度:ペンダントやブレスレットなどアクセサリーに加工したい

一口に分骨といっても、遺骨や遺灰をどのような形で残したいかは人それぞれ異なります。誤解や親族間のトラブルが起こらないよう、十分に話し合うことが大切です。

手元供養の種類

手元供養では、遺骨や遺灰を骨壺やペンダントといった手元供養品に納め、自宅で保管したり、身に着けたりして故人を供養します。

手元供養品は、ライフスタイルや遺族の想いなどに合わせたものを選ぶことが大切です。

ここからは、人気のある4つの手元供養品について解説します。

ミニ骨壺

火葬場で遺骨を納める一般的な骨壺はサイズが大きいため、手元に置くとスペースを取ってしまいます。そのため手元供養では、通常の骨壺よりも小さいサイズのミニ骨壺に遺骨を納めます。

ミニ骨壺の主な素材には、ステンレスや真鍮、ガラスや陶器などが使われています。自宅の雰囲気や部屋のインテリア、故人のイメージに合うものを選ぶとよいでしょう。

ミニ仏壇

ミニ仏壇は、従来の仏壇よりもサイズが小さく、好きな場所に故人のための空間を作れます。

「仏壇を設けてしっかりと故人を供養したいが、仏壇を置くスペースがない」という方に多く選ばれています。

デザイン性に優れ、おしゃれなものも多いため、自宅の雰囲気やインテリアの邪魔になりにくいと評判です。

アクセサリー

ブレスレットやペンダント、数珠、キーホルダーなどに加工するアクセサリータイプも人気を集めています。

アクセサリータイプの手元供養品の特長は、自宅だけでなく、外出先や仕事中など場所を問わず故人を身近に感じられる点です。

特に女性や若い世代を中心に、「どこにいても常に故人を身近に感じたい」という方に選ばれています。

インテリア

インテリアタイプの手元供養品は、人形やぬいぐるみ、花瓶やフォトスタンドなどに加工します。一見しただけでは遺骨や遺灰を納めていることがわからず、デザイン性に優れたものが多く見受けられます。

「日々の暮らしのなかで故人の存在を感じたいけれど、遺骨や遺灰が自宅にあることを知られたくない」という方に、特におすすめです。

手元供養のメリット

手元供養にはさまざまなメリットが存在します。

今回は、特に大きなメリットを4つ紹介します。

故人を身近に感じられる

お墓に納骨した場合や、遠方のお墓参りに行けない場合、「日常的に故人を感じることが難しい」と思う方もいることでしょう。

手元供養なら、持ち歩けるアクセサリーや自宅のインテリアといった手元供養品へ加工することで、日頃から故人を身近に感じられます。

また、お墓参りではお寺や霊園、地域の決まりや慣習を守る必要がありますが、手元供養では宗派や宗教観に関係なく、自分なりの表現で故人を弔えます。

費用を抑えられる

遺骨をお墓に納骨し供養する場合、墓石の石材代や施工費、永代使用料、年間管理費といった諸費用が発生します。

永代使用料とは、お墓を建てた土地を永代に渡り使用できる権利を得るために支払う費用です。地方では20万円程度、都内では100万円以上が相場とされています。

手元供養では、このようなお墓を建てるための諸費用が不要です。お墓を持たないため、メンテナンス費用もかからず、費用を抑えられます。

お墓の維持管理に困らない

お墓の清掃、周辺の草むしりなどの維持管理は、主にお墓参りに訪れた親族や遺族が行います。

お墓が遠方にある場合や、お墓の所有者が年配の方の場合、特に苦労するのがお墓の維持管理です。また、維持管理を怠り、年間管理費の滞納が続くと、無縁墓として強制撤去される可能性もあります。

手元供養は、自宅や手元で遺骨を保管するため、お墓の維持管理を行う必要がありません。

自分のペースで行える

手元供養は、寺院や霊園のお墓に納骨するわけではないため、宗派・宗教観にこだわらず自由に供養できます。

お墓参りに行く必要がないため、「インテリアとして自宅に置く」「ペンダントのロケットに入れて常に身に着ける」など、自分の好きなタイミング・ペースで故人を弔えます。

保管場所に困らない

手元供養品のミニ仏壇やインテリアなどはデザイン性に優れたものも多く、部屋を彩る装飾品にもなります。

自分らしい飾り付けや、部屋のイメージに合った手元供養品を選べば、「大きな仏壇で圧迫感がある」「骨壺で保管すると来客時の人目が気になる」といったことがなくなります。

また、手元供養品は小さなサイズのものが多く、保管場所にも困りません。手元供養をしている人が将来、高齢者施設への入所や引越しなどが必要になっても、傍に置いておけるというメリットがあります。

手元供養のデメリットや注意点

ここからは手元供養のデメリット・注意点を2つ紹介します。

親族・遺族から反対される可能性がある

手元供養は比較的新しい供養方法です。そのため、親族・遺族から理解を得られず、反対される可能性もゼロではありません。

特に年配の方のなかには、手元供養は「縁起が悪い」「違法だ」と誤解し、抵抗感を抱く方も少なくありません。

手元供養が「縁起の悪いものではない」「違法ではない」ことを理解してもらうためには、親族・遺族で十分に話し合い、双方が納得し合意したうえで進めることをおすすめします。

手元供養後の供養方法を考える必要がある

分骨を選ぶ場合、残った遺骨をどのように供養するかを検討しておく必要があります。

どの供養方法を選ぶかは自由ですが、墓地埋葬法(墓地、埋葬等に関する法律)の定めにより、墓地以外の場所に遺骨や遺灰をむやみに処分すると法律違反にあたる恐れがあります。

 

埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

(引用元:墓地、埋葬等に関する法律第4条|e-GoV法令検索

 

そのため、「一般墓に納める」「散骨する」など適切な方法で供養するようにしましょう。

手元供養で残った遺骨の供養方法と費用相場

手元供養では、分骨後に残った遺骨や遺灰、管理者がいなくなった場合の遺骨や手元供養品の供養方法を考える必要があります。

参考として、手元供養以外の供養方法と費用相場を見ていきましょう。

納骨

一般墓や永代供養墓、納骨堂などに納骨する供養方法です。

費用相場は、一般墓が80万円~250万円、永代供養墓が5万円~150万円、納骨堂が10万円~150万円です。

樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を用いたり、納骨場所の周囲に草花を植えたりして、土の中に埋葬する方法です。費用相場は、20万円~80万円です。

散骨

遺骨をパウダー状に粉骨し、海や山などに散布する供養方法です。費用相場は、5万円~70万円です。

手元供養で残った遺骨は「海洋散骨」がおすすめ

親族・遺族の話し合いによって双方が納得・合意すれば、供養方法は自由に決められます。そのなかでも特におすすめしたい方法が「海洋散骨」です。

ここからは、海洋散骨をおすすめする理由を4つ紹介します。

理由1.お墓の維持管理をする必要がないから

海洋散骨は、手元供養同様、お墓を持たない供養方法です。「遠方でお墓参りできない」「お墓の手入れが続けられない」など、お墓の維持管理に悩まされることがありません。

理由2.次世代に負担をかけないから

海洋散骨は、パウダー状にした遺骨を海に撒く、お墓を持たない供養方法です。お墓の後継者を決めたり、維持管理を任せたりする必要がないため、子や孫など次世代に負担や迷惑をかけずに済みます。

理由3.故人の遺志を叶えられるから

海洋散骨は、お墓を持たない自然葬の一種です。「自然に還りたい」「思い出のある大好きな海に還りたい」「遺された家族に負担をかけたくない」といった故人の遺志を叶えられます。

理由4.他の供養方法に比べて費用を抑えられるから

海洋散骨の費用相場は、5万円~40万円です。一般墓や永代供養墓、樹木葬などに比べれば、費用を抑えられます。

また、海洋散骨は、手元供養同様にお墓を持たない供養方法です。お墓の年間管理費や将来に渡るメンテナンス費なども発生せず、経済的な負担が軽減されます。

⇛海洋散骨の費用相場についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

海洋散骨はプロの業者に依頼しよう

散骨にはルールやマナーがあり、個人での実施はおすすめしません。散骨を適切に行わなければ、近隣住民とのトラブルや、法律・条例違反になる恐れがあります。そうならないためにも、プロの海洋散骨業者に依頼するようにしましょう。

ただし、なかには悪徳業者も存在するため、業者選びには注意が必要です。後悔なく故人を見送るためにも、故人や遺族の希望を丁寧に汲み取ってくれる、信頼と実績を備えた業者を選ぶようにしましょう。

⇛海洋散骨で守るべきマナーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

⇛海洋散骨業者の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ

本記事では、手元供養のメリット・デメリット、種類や方法について解説してきました。

手元供養は、故人をいつでも身近に感じられる供養方法です。ただし、手元供養後は、残された遺骨をどのように供養するのか考える必要があります。

散骨や一般墓への納骨など、さまざまな方法がありますが、最もおすすめしたいのが海洋散骨です。海洋散骨は守るべきマナーがあるため、個人での実施は負担が大きいでしょう。トラブルに遭うリスクを軽減するためにも、プロの海洋散骨業者に依頼することをおすすめします。

ブルーオーシャンセレモニーは、16年で4千件以上の施行実績を持つ、信頼と実績の豊富な海洋散骨業者です。経験と知識の豊富なスタッフが丁寧なヒアリングとアドバイスで、皆様が満足できる海洋散骨をサポートします。お悩みやお困りごとがあれば、気軽にお問い合わせください。

 

【参考】

墓地、埋葬等に関する法律第4条|e-GoV法令検索

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