
海洋散骨の費用と種類|業者選びのポイントも解説
2023/04/07
「故人が海洋散骨を望んでいた」「大好きだった海に還してあげたい」という想いから、海に散骨する海洋散骨を選ぶ方も最近では増えています。
しかし、海洋散骨に関心はあるものの、総額費用や料金プランがわからず困っている方もいるのではないでしょうか。個人で行なうケースや業者に依頼するケースによって料金は異なり、業者によって複数のプランを用意している場合も珍しくありません。
そこで本記事では、海洋散骨の費用相場と業者選びのポイントを紹介します。
海洋散骨とは
海洋散骨とは、祭祀の目的をもって、故人の遺骨を海に散骨することを指します。
火葬した遺骨はお墓に納骨する方法が一般的ですが、近年は「死後は自然に還りたい」「大好きな海で眠りたい」という故人の想いを尊重し、海洋散骨を選択するケースも増えています。
ほかにも、「経済的な負担を軽減できる」「お墓の後継者不足やお墓不足を解消できる」「ほかの散骨方法に比べて実施しやすい」といった理由で、海洋散骨を望むケースがあります。
海洋散骨の基本サービスとオプション
海洋散骨と一口に言っても、散骨方法やプランによって内容はさまざまです。どのような散骨を実施するのかイメージを固めるためにも、海洋散骨の基本サービスやオプションの一例をそれぞれ見ていきましょう。
海洋散骨の基本サービス
海洋散骨の基本サービスは、主に以下のとおりです。
・献酒:散骨時、お供えとして海に手向けるお酒(ドリンクの場合もあり)
・ドリンク:船上で飲めるソフトドリンクやお水
・お茶菓子:クルージング中の歓談のお供として用意
・写真撮影:乗船時の写真、当日の記念(記録)写真などを撮影
・桟橋の使用:桟橋にて、出港・帰港、遺族による見送りを実施
・セレモニー:セレモニーの司会進行を散骨業者が担当
・散骨証明書:散骨の緯度・経度・時間などを記録した証明書の発行
・献花用花びら:故人の好きな花を散骨する海に手向ける
・船舶チャーター:人数やプランに応じた船舶・クルーザーをチャーター
このように海洋散骨では、遺族や親族が悔いなく故人とのお別れができるように、さまざまな基本サービスが用意されています。
海洋散骨のオプション
海洋散骨のオプションとしては、主に以下のようなものがあります。
・祈り鶴:故人への気持ちを水溶性の紙で折られた鶴に託し、一緒に海へ手向ける
・船上会食:故人との思い出を語りながら、参加者で囲む会食
・生花祭壇:船上の祭壇に生花を供え、故人を偲ぶ
・招待状の作成:親族や遺族、故人と縁のある方々へ招待状を作成
・エコリース:純白リースが海上で美しい目印となり、家族に代わり故人を見守る
・フォトブック:大切な方とのお別れの模様をひとつのアルバムに収める
・フラワーボックス:基本サービスの花びらに加え、バラや胡蝶蘭などを用意
・プロカメラマンによる撮影:散骨当日の模様をプロカメラマンが撮影
「大切な故人とのお別れの時間をより良いものにしたい」という想いから、基本サービスにオプションを追加する方も多く見受けられます。
海洋散骨の種類や費用相場
海洋散骨には、大きく次の3つの方法が存在します。
・チャーター散骨
・合同散骨
・代行散骨
ここからは、それぞれの散骨方法の特徴や費用相場を解説していきます。
チャーター散骨
遺族や親族など近親者のみで船舶・クルーザーをチャーターして行う散骨を「チャーター散骨」と呼びます。
チャーター散骨の費用相場は20万円〜40万円です。 特徴としては次のようなものが挙げられます。
・定員内であれば参加人数に制限がない
・散骨エリアの希望やセレモニーの演出などの融通が利きやすい
・近親者のみで故人との思い出を振り返り、大切なお別れのときを心ゆくまで過ごせる
「家族だけでゆっくり故人を見送りたい」という方には、チャーター散骨がおすすめです。
合同散骨
合同散骨は、複数の家族と合同で船舶・クルーザーをチャーターして行う散骨方法を指します。
合同散骨の費用相場は10万円〜20万円です。 特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
・日程やエリアが限定されている
・乗船可能人数に「1家族あたり◯人まで」という定員がある
船舶・クルーザーのチャーター代を複数の家族で負担するため、チャーター散骨に比べて費用を抑えられる点が特徴です。
代行散骨
さまざまな事情で乗船できない遺族や親族に代わり、業者が行う散骨を「代行散骨」と呼びます。
代行散骨の費用相場は5万円〜10万円です。 一般的に、代行散骨には以下のサービスが含まれています。
・散骨様子の写真撮影(オプションで写真を購入できるケースも)
・散骨エリア、日時などを証明する散骨証明書の発行
代行散骨は、「故人を海に還したいけれど、どうしても都合がつかない」という方におすすめの散骨方法です。自分たちの手で故人を見送ることはできませんが、「チャーター散骨」や「合同散骨」に比べて費用を抑えられます。
その他の海洋散骨:ペット散骨
家族の一員であったペットの遺骨を散骨したい場合は、一部の業者が用意している「ペット散骨」のプランを利用できます。
費用は業者によって大きく差があります。一例として、チャータープランの場合は20万円〜40万円、合同乗船プランで10万円〜20万円、代行散骨プランで5万円〜10万円ほどかかります。
海洋散骨業者を選ぶときのポイント
海洋散骨業者を選ぶ際、重視するポイントは費用だけではありません。
大切な故人を見届けるセレモニーで後悔しないためにも、業者を選ぶときは以下のポイントを押さえておきましょう。
・希望する海・エリアで散骨できるか
・業界ガイドラインを遵守しているか
・散骨証明書を発行してくれるか
・親族・遺族に対するヒアリングは丁寧か
それぞれ詳しく解説します。
希望する海・エリアで散骨できるか
故人にとって縁や思い出のあるエリア、散骨を希望する海などがあれば、その想いを叶えてあげたいものです。
ただし、なかには散骨を禁止・制限する条例やガイドラインを制定している自治体も存在します。また、海水浴場や漁場、ダムといったエリアの場合、一般市民や近隣住民の気分を害する可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。
希望する海やエリアがある場合は、海洋散骨業者が対応しているかどうか事前に確認しておくと安心です。
業界ガイドラインを遵守しているか
日本には、海洋散骨を直接規制する法律はありません。ただし、ルールやマナーを守らず散骨すると、近隣住民の気分を害したり、環境へ悪い影響を及ぼしたりして、クレームやトラブルにつながる可能性があります。
参考にすべき業界ガイドラインとして、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」と日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」があります。
両ガイドラインの要約は、以下のとおりです。
・服装は喪服ではなく平服にする(地域住民や漁業者等関係者の利益、宗教感情等を害することのないよう十分に配慮する)
・副葬品は自然に還るものに限定する(ビニールやプラスチックは避け、自然環境に悪影響を及ぼすような行為は行わない)
・遺骨は形状を視認できないよう粉状に砕く(法律に則り1~2mm程度に粉骨する)
・散骨は海岸から一定の距離以上離れた海域で行う(川やダム、個人の私有地、養殖場や漁場などは不可)
トラブルを未然に防ぐためにも、業者に依頼するときは「散骨に関するガイドライン」や「日本海洋散骨協会ガイドライン」などを遵守している業者か確認するよう心がけましょう。
散骨証明書を発行してくれるか
業者に依頼する場合、散骨を証明する書類として「散骨証明書」を発行してもらえるケースが一般的です。
散骨証明書には、散骨を実施した日時、故人の氏名、散骨をした海域の緯度や経度などが記載されています。公的な書類ではないものの、故人の散骨が実際に行われたことを証明できる大切な証明書です。
なかには散骨証明書を発行していない業者もあるため、事前にホームページや問い合わせで確認しておくとよいでしょう。
親族・遺族に対するヒアリングは丁寧か
新しい供養方法であることから、海洋散骨は納骨に比べて情報を入手するのが困難です。
「故人の希望は叶えたいが、何をすればいいのかわからない」「海洋散骨にどのようなプランがあるのか知りたい」という方も多いことでしょう。
納得のいく散骨を実現するためにも、海洋散骨業者の接客態度も欠かさずチェックすることをおすすめします。小さな疑問や不安を解消し、最後までサポートしてくれる業者を選ぶよう心がけましょう。
まとめ
本記事では、海洋散骨の費用相場や種類、業者選びのポイントを解説しました。
海洋散骨には、近親者のみで行う「チャーター散骨」、複数の家族が合同で行う「合同散骨」、業者に委託する「代行散骨」などが存在します。散骨方法や業者によって料金はさまざまですが、5万円から40万円が費用相場といえるでしょう。
納得のいく海洋散骨を実現するためには、費用だけでなく、故人や遺族の希望を丁寧に汲み取ってくれる、信頼と実績を備えた業者選びが重要です。
ブルーオーシャンセレモニーは、日本海洋散骨協会の加盟事業者として長年活動する、プロの海洋散骨会社です。「最後のお別れに賛美歌を歌いたい」「故人が飼っていたペットも散骨に連れていきたい」といったご要望にお答えできるよう、経験豊富なスタッフが全力で散骨をサポートいたします。
海洋散骨について詳しく知りたい場合は、お気軽にブルーオーシャンセレモニーにご連絡ください。
【参考】