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2025/05/07
分骨証明書とは?入手先や必要となるケース、費用について解説

分骨証明書は、遺骨を分骨して埋葬する際に必要な書類です。分骨すれば自動的にもらえるわけではなく、申請して取得する必要があります。そのため、事前に手続きの流れや注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、以下の点について解説していきます。
・分骨証明書とは何か
・分骨証明書の入手先
・分骨証明書が必要なケース
・発行にかかる費用
・手続きに関する注意点
分骨証明書について正しい知識を身につけておけば、分骨を行う際に安心です。ぜひ参考にしてみてください。
分骨とは
分骨とは、故人の遺骨を複数箇所に分けて納骨し、供養することです。たとえば、信仰する宗派の本山に一部の遺骨を納める「本山納骨」などは、古くから行われてきた分骨の一例です。
最近では、以下のような理由で分骨を希望する人が増えています。
・遠方にあるお墓に頻繁に通えない
・手元で供養したい
・自宅の近くに新たに納骨したい
・一部を散骨したい
分骨証明書とは
分骨証明書とは、分骨した遺骨を埋葬する際に必要となる書類のことです。故人の氏名、命日、性別、本籍、住所、分骨する理由、分骨後の埋葬地などの情報が記されており、遺骨が誰のものかを証明します。
法的には「埋葬等に関する法律施行規則」によって、以下のように定められています。
・墓地や火葬場の管理者は、分骨の希望者に対して分骨証明書を発行しなければならない
・分骨を埋葬する際には、墓地の管理者に分骨証明書を提出しなければならない
分骨証明書の入手先
分骨証明書を入手するには、主に以下の3つの窓口があります。
・火葬場
・霊園や寺院
・自治体の役場
それぞれの入手先について解説します。
火葬場
火葬前に分骨することが決まっている場合は、火葬場で分骨証明書を発行してもらいます。分骨証明書がほしい旨を火葬場に伝えると、「火葬証明書(分骨用)」を渡してくれます。これが火葬場で発行される正式な分骨証明書です。
火葬場に直接依頼しても問題ありませんが、スムーズに手続きを進めるためには、事前に葬儀社へ分骨の希望を伝えておくとよいでしょう。
火葬場での実際の流れとしては、火葬後に遺骨を複数の骨壺に分けて納めてもらい、分けた骨壺の数と同じ数の分骨証明書を一緒に受け取ります。
霊園や寺院
すでにお墓に納骨してある遺骨を取り出して分骨する場合は、霊園や寺院などの墓地管理者に分骨証明書を発行してもらいます。
まずは分骨を希望している旨を、霊園の管理事務所や寺院に相談しましょう。自治体が管理する公営霊園の場合、市役所での手続きが必要になることもあります。
遺骨の取り出し作業は、墓地管理者の立ち会いのもとで実施されるのが一般的です。特に一般墓では墓石を動かす必要があるため、専門業者に依頼するのがおすすめです。
なお、お墓の構造によってはご家族で遺骨を取り出せるケースもあります。事前に管理者へ確認しておくとよいでしょう。
自治体の役場
火葬終了後、まだ墓地などに納骨していない段階で分骨する場合、火葬を実施した火葬場のある自治体の役場で、「分骨証明書」を発行してもらえることがあります。自治体が指定する申請書に記入し、身分証明書とともに提出するのが一般的な手続き方法です。
ただし、民間の火葬場を利用した場合や利用者が市外在住である場合、自治体によっては発行できないケースもあります。事前に自治体へ問い合わせ、発行の可否を確認しておくと安心です。
分骨証明書が必要なケース
分骨証明書は、次のようなケースで提出が求められることがあります。
・複数のお墓に埋葬する場合
・遺骨の一部を永代供養する場合
・分骨前のお墓に遺骨を戻す場合
・手元供養を行う場合
それぞれのケースについて解説します。
複数のお墓に埋葬する場合
遺骨を複数のお墓に埋葬する場合には、分骨証明書をお墓の管理者である霊園や寺院に提示する必要があります。
分骨証明書がないと「誰の遺骨か」を証明できず、受け入れを拒否される可能性があります。
遺骨を複数の親族に分骨して、それぞれが自宅近くで埋葬する場合は、分骨した数だけ分骨証明書が必要です。
遺骨の一部を永代供養する場合
永代供養とは、霊園や寺院が遺族・親族に代わって遺骨を供養してくれる埋葬方法です。遺骨の全てを永代供養する場合は、埋葬許可証があれば問題ありません。ただし、埋葬許可証はコピーだと公的証明として認められないため、その点は注意しましょう。
遺骨の一部のみを永代供養する場合は、永代供養墓の管理者に分骨証明書を提示する必要があります。
分骨前のお墓に遺骨を戻す場合
一度分骨した遺骨を、分骨前に納骨していたお墓に戻すケースもあります。たとえば、故人の遺骨を手元供養していたご家族が亡くなり、遺骨を改めてお墓に納めようと考えた場合です。
このような場合、遺骨が本人のものであることを証明する必要があるため、分骨証明書の提示が求められる可能性があります。
特に管理の厳しい公営霊園などでは、事件性のない正当な遺骨であることが証明できなければ、受け入れを拒否されてしまうかもしれません。将来的に「遺骨をお墓に戻す可能性」がある場合は、分骨証明書を大切に保管しておくことをおすすめします。
手元供養を行う場合
手元供養を行う場合、基本的に分骨証明書は必要ありません。分骨証明書を提出する先がないからです。
ただし、業者に依頼してアクセサリーなどの手元供養品を製作してもらう場合、分骨証明書の提示を求められることがあります。これは、業者側が「事件性のない正当な遺骨」であることを確認するためです。
業者に手元供養品の製作を依頼する予定がある方は、事前に分骨証明書の提出が必要かどうかを確認しておきましょう。
分骨証明書を発行する際にかかる費用
分骨証明書の発行費用は発行元によって異なりますが、1通あたり100〜500円程度が相場です。
ただし、一度お墓などに納骨した遺骨を分骨する場合には、以下のような費用が発生します。
1)墓石の移動にかかる費用
専門業者に墓石を移動してもらい、遺骨を取り出す作業費として2~3万円程度が発生します。墓石がない、または軽量で自らの手で作業できる場合、この費用は発生しません。
2)お布施
遺骨をお墓から取り出す際の閉眼供養であったり、分骨した遺骨を納骨する際の開眼供養に対し、僧侶へのお布施として1~3万円程度を準備するのがマナーです。
ただし、閉眼・開眼供養の必要性は寺院によって考え方が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
分骨証明書に関する注意点
分骨証明書を取得・活用するうえで、あらかじめ知っておきたい注意点は以下の5つです。
・時間に余裕を持って申請手続きを行う
・家族・親族間でよく話し合う
・手元供養の場合にも発行しておく
・紛失しないように保管する
・再発行の手続きについても理解しておく
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
時間に余裕を持って申請手続きを行う
分骨証明書は、申請してもすぐに発行されるとは限りません。発行にかかる時間は火葬場・霊園・自治体などの発行先によって異なるため、時間に余裕を持って申請手続きを行いましょう。
特に納骨の日程がすでに決まっている場合は、証明書の発行が間に合わないと予定通りの納骨ができなくなる可能性があります。
また、故人の命日や火葬日時が不明確な場合は、確認作業に時間がかかる可能性があります。分骨を決めた時点で、なるべく早めに手続きを進めましょう。
家族・親族間でよく話し合う
分骨は法律上、祭祀承継者(遺骨の管理権を持つ人)であれば、家族や親族の同意なしに分骨を決定・実行することが可能です。
ただし、「相談なく勝手に分骨された」という不満が後々トラブルに発展するケースも少なくありません。たとえ自分が正当な祭祀承継者であっても、独断で分骨を進めるのではなく、関係する家族や親族とよく話し合い、理解を得ておくことが望ましいでしょう。
手元供養の場合にも発行しておく
手元供養の場合、基本的に分骨証明書は必要ありません。ただし、将来的にお墓への納骨を希望する可能性や、自分が亡くなった後に遺族が遺骨をお墓に納めるケースも考えられます。
また、手元供養後に散骨を検討する場合、散骨業者によっては分骨証明書の提示を求められることがあります。そのため、手元供養を選ぶ際にも、「将来の選択肢」を広げるために分骨証明書を発行しておくと安心です。
紛失しないように保管する
分骨証明書は、紛失しないよう安全な場所に保管しておきましょう。特に、分骨後すぐに納骨を行わない場合は注意が必要です。分骨証明書が手元にないと、納骨や供養を受け付けてもらえない可能性もあるため、確実に保管しておきましょう。
なお、分骨証明書は財産に関わるものではないため、家族や親族と保管場所を共有してもトラブルに発展するリスクは低いと考えられます。そのため、可能であれば家族内で証明書の保管場所について情報共有しておくと安心です。
再発行の手続きについても理解しておく
万が一、分骨証明書を紛失してしまった場合でも、分骨する前のお墓がある自治体で手続きを行えば、再発行が可能です。
スムーズに再発行してもらうためには、以下の情報が必要です。
・故人の氏名
・命日
・火葬をした日
特に命日が不明な場合、再発行が困難になることもあるため、重要な情報はあらかじめメモや書類で残しておくことが大切です。
まとめ
分骨証明書とは、故人の遺骨を複数箇所に分けて埋葬する際に、必要となる書類のことです。分骨する際には家族・親族間でよく話し合い、皆が納得できる形で故人を供養することが大切です。
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