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2025/05/06

無縁仏にかかる費用は?供養や回避する方法も解説

少子高齢化などを背景として、お墓の管理が困難になるケースが増えています。その結果、やむを得ず「無縁仏」になる事例も少なくありません。では、無縁仏となった場合、その費用は誰が負担するのでしょうか。

この記事では、以下の点について解説していきます。

・無縁仏とは何か

・無縁仏になるケース

・無縁仏の供養はどうなるのか

・無縁仏にかかる費用

・無縁仏にならないための方法

お墓の将来について考える際の参考にしていただければ幸いです。

無縁仏とは?

無縁仏とは、供養してくれる遺族や親族がいない故人、あるいは管理者不在のお墓を指します。遺族や親族がいる場合でも、何らかの事情により故人の供養やお墓の管理ができなければ無縁仏になります。

無縁仏と無縁墓の違い

無縁仏と無縁墓は、ほぼ同じ意味で使われることが多い言葉ですが、対象に違いがあります。

・無縁仏:供養されない故人や、管理者のいないお墓の両方を指す総称

・無縁墓:管理されていないお墓そのものを指す言葉

つまり、無縁仏は人と墓の両方を含み、無縁墓は墓に限定される用語です。

無縁仏と永代供養の違い

永代供養とは、お寺や霊園などの墓地管理者が、遺族の代わりにお墓の管理や供養を行うことです。他の人の遺骨と一緒に埋葬される「合祀タイプ」と、一定期間は個別または集合墓で合祀されずに埋葬される「個別管理タイプ」のものがあります。

遺族が遠方に住んでいてお墓参りに行けない場合でも、永代供養を選択することで無縁仏化を防げます。また、家族や親族がいない人の場合でも、生前に永代供養の契約を結んでおけば、無縁仏となることなく適切な供養を受けられます。

加えて、ご自身がお墓の管理者で他に引き継ぐ人がいないケースでも、永代供養を選択しておけば、死後も継続的に供養してもらうことが可能です。

無縁仏になるケース

無縁仏になるケースは、主に以下の4つです。

・故人に親族がおらず、生前にお墓を用意していなかった

・親族に遺骨の引き取りを拒否された

・お墓の承継者がいない

・お墓の管理費を滞納している

それぞれについて解説します。

故人に親族がおらず、生前にお墓を用意していなかった

一般的に、人が亡くなると遺族や親族が葬儀を執り行い、お墓を用意して納骨します。しかし、遺族や親族がいない方の場合、お墓が用意できず無縁仏となる可能性が高まります。

とはいえ親族がいない場合でも、生前に自らお墓を準備し、納骨までの手配を済ませておくことで、無縁仏になるリスクは防止可能です。

親族に遺骨の引き取りを拒否された

故人に親族がいても、関係が疎遠であったり、不仲であったりすると、遺骨の引き取りを拒否されることがあります。その場合、遺骨は引き取り手のない状態となり、無縁仏として扱われることになります。引き取り手のいない場合、最終的には市区町村などの自治体が遺骨を引き取り、共同墓地などに納骨するのが一般的です。

また、遺族も親族も存在しない方が亡くなり、遺体や遺骨を引き取る人が見つからない場合も、無縁仏として自治体が火葬や埋葬を行います。

お墓の承継者がいない

お墓は一般的に子や孫などの子孫が承継し、管理を引き継ぐものとされています。しかし、少子化や未婚化の進行により子や孫がいないケースも増えており、お墓の承継者がいなくなってしまうことがあります。

また、子孫がいても、様々な理由からお墓の管理を拒否するケースも少なくありません。たとえば、遠方に住んでいるために定期的な管理ができないといった理由が挙げられます。

お墓の管理には、以下のような具体的な責任がともないます。

・定期的なお墓参り

・お墓の清掃・メンテナンス

・お墓周りの植栽管理(木々の剪定など)

・管理費の支払い

こうした管理を担う人がいない場合、最終的には無縁仏となってしまう可能性があります。

お墓の管理費を滞納している

お墓を適切に維持管理するためには、お寺や霊園などの墓地管理者に、管理費用を毎年支払わなければなりません。

お墓への関心の薄れや単純な支払い忘れなどにより管理費を滞納すると、墓地管理者から滞納通知が送られてきます。通知を受け取った後も管理費を支払わずに放置しておくと、お寺や霊園側から無縁仏と判断される可能性があります。

無縁仏とみなされると、遺骨が共同墓地へ移されたり、お墓自体が撤去されたりします。こうした事態を避けるためには、管理費の定期的な支払いが不可欠です。

無縁仏の供養はどうなるのか

無縁仏となった場合、遺骨やお墓の供養はどうなるのでしょうか。ここでは、次の2つのケースに分けて供養の方法を解説します。

・親族がいない場合、または親族が遺骨の引き取りを拒否した場合

・無縁墓になった場合

親族がいない場合、または親族が遺骨の引き取りを拒否した場合

親族が存在しない、あるいは親族が遺骨の引き取りを拒否した場合、自治体が一定期間、遺骨を保管します。この保管期間は自治体によって異なります。

遺骨の保管期間内に引き取り手が現れなければ、無縁仏として自治体が管理する共同墓地などに合祀されることが一般的です。

一度合祀されてしまうと、その後に遺骨の引き取り手が現れたとしても、遺骨は取り出せません。そのため、親族や関係者がいるうちに適切な手続きを済ませておくことが重要です。

無縁墓になった場合

一定期間、お墓の管理料が滞納された無縁墓は、平成11年に公布された「墓地、埋葬等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」により、お墓の管理者が改葬できることになっています。

具体的な手続きとしては、まず管理料滞納について官報で公告を行います。同時に、該当するお墓には管理料未払いの旨を記した立札を目立つように設置します。

この告知から1年以内に関係者からの申し出がない場合、お墓は撤去され、遺骨は共同墓地などに合祀されるのが一般的です。

無縁仏にかかる費用

葬儀や納骨などの供養にかかる費用は、通常は故人の遺族などが負担します。一方、無縁仏の場合は費用を負担する人がいないため、自治体が費用を負担します。

無縁仏に関わる主な費用は以下の2種類です。

・葬儀費用

・お墓の管理費用

それぞれの内容について解説します。

葬儀費用

故人を供養する人がいない場合、自治体が葬儀費用を負担して葬儀を執り行います。火葬後、遺骨は自治体が管理している霊園や、提携しているお寺の共同墓地などに埋葬されるのが一般的です。

また、これらの共同墓地では定期的に合同法要が行われることもあり、その費用も自治体が負担します。委託されたお寺の僧侶が読経し、故人の供養が行われます。

お墓の管理費用

無縁仏であっても、お墓の維持・管理には費用がかかります。無縁仏の遺骨が共同墓地などに合祀された後は、お墓の管理費用を自治体が負担します。

霊園やお寺によって異なりますが、年間の管理費用は1,000円~1万円程度が一般的です。近年、無縁仏が増えてきているため、各自治体の財政負担が増えていることも課題となっています。

無縁仏にならないための方法

無縁仏となることを防ぐためには、生前に適切な準備をしておくことが重要です。主な対策として、以下の4つが挙げられます。

・生前に永代供養の契約を交わす

・親族や友人と死後事務委任契約を結ぶ

・墓じまいをする

・自治体のサポート制度を活用する

それぞれについて解説します。

生前に永代供養の契約を交わす

無縁仏化を防ぐ最も確実な方法の一つは、生前に自分自身でお墓を準備し、永代供養の契約を結んでおくことです。

お墓を持っていない方は、単独墓・集合墓・合祀墓などの中から、自分に合ったタイプの永代供養墓を選びましょう。永代供養の契約を事前に結んでおけば、自分の死後も継続的に供養を受けられ、無縁仏となるリスクを大幅に軽減できます。

親族や友人と死後事務委任契約を結ぶ

死後事務委任契約とは、自分の死後に必要となる様々な手続きや事務を、特定の人物に委任する契約です。この契約に含まれる事項は、以下のように多岐にわたります。

・葬儀

・埋葬

・遺品整理

・お墓の管理

・各種行政手続き

・未払い金の支払い

委任する相手は、親族、友人、知人のほか、弁護士や行政書士、司法書士といった専門家に依頼することが可能です。契約内容については、委任する相手と事前によく話し合ったうえで、公正証書として残しておくと安心です。

墓じまいをする

将来的にお墓の管理が難しくなりそうな場合は、早めに墓じまいを検討することも無縁仏を防ぐ手段のひとつです。

墓じまいとは、墓石を解体・撤去して墓地を更地に戻し、使用権を墓地管理者に返すことです。この過程で遺骨を取り出す必要があるため、新たな納骨先(永代供養墓、納骨堂、散骨など)を事前に決めておくことが重要です。

自分の死後、お墓が放置されて無縁墓となることを避けたい場合は、事前に墓じまいと納骨先の手配を済ませておくとよいでしょう。

自治体のサポート制度を活用する

自治体によっては、無縁仏を防止するためにさまざまなサポート制度を設けています。

例えば、以下のようなサービスが提供されています。

・葬儀社との生前契約に関するサポート

・エンディングノートの配布

・死後の連絡先やお墓の所在地、遺言書の保管場所などを登録できるシステムの提供

・独居高齢者を対象とした定期的な安否確認や見回りサービス

提供されているサービスの内容は自治体によって異なります。詳しくは、お住まいの自治体窓口に問い合わせてみましょう。

まとめ

無縁仏になると、葬儀費用やお墓の管理費用はすべて行政(自治体)が負担することになります。これは社会的な課題でもあり、年々その数は増加傾向にあります。

こうした状況を避けるためには、以下のような生前の対策が重要です。

・生前に永代供養の契約を結ぶ

・親族・友人・専門家との死後事務委任契約を結ぶ

・墓じまいを検討する

・自治体の支援制度を活用する

いずれも、自分の死後に「供養が途切れない」ようにするための大切な準備です。無縁仏とならないよう、できることから少しずつ対策を講じていきましょう。

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