近年、従来のお墓に埋葬する形式ではなく、自然に還る供養方法として「海洋散骨」が注目を集めています。

広大な海に遺骨を撒き、故人を送り出す「海洋散骨」は、故人にとって新たな旅立ちであり、遺族にとっても思い出に残る特別な時間となるでしょう。

本記事では、海洋散骨の人気エリアと選び方のポイントをご紹介します。故人の希望やご遺族の想いを尊重し、心に残る別れを実現するための参考情報としてお役立てください。

散骨できる場所とは？

個人で散骨を行う場合、故人の生前愛した場所や思い出の場所に散骨したいと考えるのは自然なことです。

しかし、一見問題ないように思える場所でも、周囲に影響を与える可能性があります。

ここでは、実際に散骨可能な場所を3つ紹介します。

自身の私有地

自身が所有する山や自宅の庭などの私有地であれば散骨は可能ですが、散骨のルールやマナーを十分に確認してから行うことが大切です。

例えば、山での散骨を希望する場合、自治体で禁止されていないか確認しましょう。また、周囲の人たちの宗教感情を害する恐れがあるため、水源地近くや人目につく場所での散骨は避ける必要があります。

海・沖合

海は広大で自由な空間のように思えますが、散骨するときは注意が必要です。漁場や海水浴場など、避けるべき場所も存在します。

理想は、人目につかない沿岸から離れた沖合で散骨を行うことです。しかし、そのためには船の手配が必要になります。

海への散骨は、事前にしっかりと計画を立て、適切な場所を選ぶことが大切です。

海外

海洋散骨を含め、海外で散骨できるケースがあります。その国の国籍を持たない人でも散骨できる国もあります。

ただし、遺骨を海外に移送するときは、国内で散骨を行うときよりも手続きが複雑です。また、現地特有のルールやマナーがあるため、事前の情報収集が求められます。

近年は海洋散骨が注目されている

さまざまな散骨方法がありますが、近年特に注目を集めているのが海洋散骨です。

主な理由としては、次の4点が挙げられます。

・将来のお墓の維持管理を心配する必要がない
・大切な故人を自然に還したいという想い
・ほかの散骨方法と比べて実施しやすい
・環境に優しい

海洋散骨はお墓を持たない、従来のお墓に代わる新しい供養方法として注目されています。

海洋散骨の人気エリアランキング

海洋散骨は、故人とご遺族の深い想いを込めた供養法であり、心に残る別れを実現します。

以下は、当社による過去3年間の施行回数に基づき集計した人気エリアのランキングです。本ランキングを参考に、ご自身や故人、そして家族や親族の希望に沿う場所を探してみましょう。

1位：東京湾

東京湾は、首都圏に位置するアクセスの良さ、美しい景色、そして豊富なプランが魅力の海洋散骨エリアです。東京湾は、海と都会の両方の景色を楽しめるのが魅力。都会の喧騒から離れ、美しい海に還りたいという方におすすめです。

羽田空港や中央防波堤近くは波の影響が少なく、安心して散骨が行えます。スカイツリーやディズニーリゾートといった東京のランドマークを一望できるエリアもあり、晴れた日には富士山が見えることもあります。

2位：横浜

歴史とモダンが融合する横浜での海洋散骨は、海と都市の魅力を感じながら行えます。

ベイブリッジをくぐり、海の状況を見ながら散骨ポイントを決定します。故人にとって、新たな旅立ちにふさわしい壮大な景色が広がります。散骨終了後は、赤レンガ倉庫や大さん橋など、横浜のウォーターフロントを海から眺めることも可能です。

3位：葉山・江の島

ヨットやマリンスポーツが盛んな湘南・葉山エリアは、美しい海と開放的な雰囲気が魅力です。葉山の海は、関東でも屈指の美しさ。多くの著名人が愛した海で故人を送り出すことが可能です。

葉山と同じく人気を集めているのが、江の島です。湘南のシンボルとして親しまれる江の島は、海洋散骨の人気エリアとして近年注目されています。美しい海と歴史ある神社仏閣が織りなす景観が魅力です。

4位：松島・清水

日本三景の一つである松島は、美しい景観と穏やかな海が広がり、海洋散骨におすすめの場所です。松島湾は、波が穏やかで船酔いの心配も少ないため、安心して散骨を実施できます。

大小260以上の島々が織りなす松島の絶景は、まさに圧巻です。故人を乗せて、この美しい景色の中へと送り出すことは、格別な経験となるでしょう。最寄駅から徒歩圏内、駐車場も完備しているため、遠方の方でも集まりやすい場所です。

5位：勝浦

美しい海岸線と豊かな自然が魅力の千葉県勝浦は、近年注目を集めている海洋散骨の人気エリアです。

勝浦は、釣りスポットとしても人気を集めていますが、雄大な太平洋を望む景勝地としても有名です。青い海と空、そして緑豊かな山々に囲まれた中での散骨は、故人の新たな旅立ちにふさわしいものといえるでしょう。

6位：保田

東京湾に面した千葉県保田は、静かな海が特徴のエリアです。東京湾の奥まった場所にある保田は、比較的波が穏やかで、静かな海でゆっくりと故人を送り出せます。

東京から電車で約1時間と、アクセスしやすい点も魅力です。出航場所の周辺にはお食事処もあります。日帰りの散骨も可能なので、遠方の方にもおすすめです。

7位：新潟

日本海側で最も人気の海洋散骨エリアである新潟市沖は、壮大な自然と感動的な景色が魅力です。信濃川の河口から広がる日本海の景色は格別で、雄大な自然の中へ故人を送り出せます。

新潟空港の沖、佐渡島を一望できるポイントで散骨を行い、天気が良ければカモメの餌付けをしながら帰港できたりと、心に残る体験ができる点も特長です。

8位：銚子

銚子は太平洋に面し、日本一早い日の出で知られる地域。水平線から昇る朝日が織りなす絶景が有名です。

銚子の壮大な景色は、故人の新たな旅立ちにふさわしい場といえるでしょう。都心からのアクセスも良好です。

9位：小樽

北海道の小樽沖は、北の大自然を感じさせる海洋散骨エリアです。

遠くに見える山々、どこまでも続く青い海、そして潮風を感じながら故人を海に送り出せます。

10位：那覇・福岡・天草

透き通るような美しい海と豊かな自然が魅力の沖縄・那覇は、多くの人にとって憧れの地です。沖縄の青い海で眠りたい、という希望を持つ人は少なくありません。

沖縄特有の温かい文化の中で行う海洋散骨は、心温まる思い出となるでしょう。

また、季節風や潮流の影響を受けにくい波の穏やかな博多湾河口から出航する福岡や、観光地としても人気の高い熊本の天草で散骨を希望する方も多く見受けられます。

専門業者に散骨を依頼するのがおすすめ

海洋散骨は、故人の遺骨を海に還す供養方法です。注目を集めている一方で、手続きや準備、海での散骨作業など、自身で行うには複雑な面もあります。そこでおすすめしたいのが、専門業者への依頼です。

例えば、遺骨の粉骨やクルーズ船の手配などに関わる工程を専門業者が代行してくれるため、家族や親族の負担が軽減できます。

また、散骨する海域やエリアの選定、悪天候時の対応など、専門知識と経験に基づいたサポートが受けられます。安心かつ安全な散骨を実現できる点も、専門業者に依頼する魅力といえるでしょう。

業者選びでチェックすべきポイント

安心かつ安全な海洋散骨で故人を安らかに供養するためにも、業者選びは慎重に進める必要があります。

ここからは、業者選びのポイントを紹介します。

⇛海洋散骨の業者選びのポイントはこちらの記事で詳しく解説しています

実績や口コミがあるか

海洋散骨には、様々なルールやマナー、海域に関する知識が必要となります。これらの知識を身につけるには、多くの時間と経験が必要です。

そこで、海洋散骨を検討する際には、豊富な実績を持つ業者の選定をおすすめします。経験豊富な業者は、トラブル発生時の対応や、遺族の不安や心配を解消するためのノウハウを有しているため、故人を海に送り出すための最適なサポートを提供できます。

実際に代行委託散骨を利用した人の口コミも参考になるでしょう。口コミは、満足・不満足だけでなく、「どのような点に満足したのか」「何を不満足に感じたのか」という視点でチェックすることで、より精度の高い業者選びが可能です。

心を込めて供養してくれているか

海洋散骨は、故人の最終的な旅立ちであり、遺族にとっては感慨深い別れの瞬間です。そのため、心からの供養を行う業者選びが不可欠です。

費用やサービス内容も重要ですが、業者が持つ「心」の部分がもっとも重要といえるでしょう。スタッフと直接話すことで、その誠実さや丁寧さを感じ取ることが大切です。

希望する海域・エリアで散骨可能か

海洋散骨が行える地域は、環境保護の観点や地方自治体の条例により限定されています。業者によって対応可能な海域やエリアに制限があるため、事前に確認が必要です。

特に、故人や遺族が望む場所で散骨を行いたい場合は、その地域に精通したスタッフがいる、または海洋散骨に関する資格を持つスタッフを擁する業者を選ぶとよいでしょう。

散骨のガイドラインや指針を遵守しているか

海洋散骨は特に法律で規制されていないものの、トラブルを避けるためにガイドラインや指針が設けられています。

厚生労働省が策定した「散骨に関するガイドライン」と日本海洋散骨協会が策定した「日本海洋散骨協会ガイドライン」は、海洋散骨を安全かつ円滑に行うための指針として役立ちます。

法律や条例違反、近隣住民とのトラブルは避けたいものです。ガイドラインや指針に沿った散骨を行う業者を選ぶことで、安心して故人を送り出せます。

まとめ

本記事では、海洋散骨の人気エリアと選び方のポイントを解説しました。

海洋散骨は、東京湾や横浜を中心とする関東エリアだけでなく、小樽や那覇など日本全国で行われています。故人の遺志や家族の希望に沿った場所を選ぶとよいでしょう。

ただし、海洋散骨ではルールやマナーの遵守も欠かせません。信頼できる業者に依頼することで、円満な海洋散骨を実現しましょう。

ブルーオーシャンセレモニーは、日本海洋散骨協会の加盟事業者でもある海洋散骨会社です。これまでに5千件以上の海洋散骨の施行実績を持ち、多くのお客様と信頼を積み重ねてきました。

信頼と実績を兼ね備えた海洋散骨業者をお探しの場合は、ぜひ一度ブルーオーシャンセレモニーにお問い合わせください。

【参考】

散骨に関するガイドライン｜厚生労働省

日本海洋散骨協会ガイドライン｜日本海洋散骨協会