海洋散骨を代理してもらうメリットや流れ、業者選びのポイントを紹介

海洋散骨を代理してもらうメリットや流れ、業者選びのポイントを紹介

2023/10/11

ライフスタイルや供養に対する価値観の変化などを背景に、お墓を持たない供養方法である「海洋散骨」を選択する方が増えています。

しかし、海洋散骨を希望する一方で、「遠方で現地へ行けない」「興味はあるけれど体力的に難しい」といった事情により、自分たちの手で直接散骨できないケースもあります。

そのようなときにおすすめしたいのが、委託した散骨業者に海洋散骨を代理してもらう「代行委託散骨(代理散骨)」です。

本記事では、海洋散骨を代理してもらうメリットや流れ、費用相場、業者選びのポイントについて詳しく解説していきます。

海洋散骨とは

海洋散骨とは、祭祀の目的をもって、パウダー状にした故人の遺骨を海に散布する供養方法です。

一般的に、火葬した遺骨はお墓に納骨します。しかし近年では、「大好きな海で眠りたい」「自然に還りたい」という故人の想いを尊重し、海洋散骨を選ぶ方が増えてきています。

また、「経済的な負担を軽減できる」「お墓の後継者不足や維持管理で悩まずに済む」といった理由で、海洋散骨を望むケースもあります。

業者に海洋散骨を代理してもらう「代行委託散骨」とは

遺族が海洋散骨を希望していても、「年齢的・体力的に現地まで行けない」「どうしても都合がつかず参加できない」など、特別な事情により散骨できないケースもあります。

そのような遺族に代わり、業者が散骨を代理で行うのが「代行委託散骨(代理散骨)」です。

代行委託散骨の費用相場

代行委託散骨の費用相場は、5万円〜10万円です。

プランに付帯するサービスや追加できるオプションは業者ごとに異なり、費用もさまざまです。

「予算を超過してしまった」と後悔しないよう、見積書でサービス内容や費用総額を確認し、不明点や疑問は海洋散骨業者のホームページや窓口で問い合わせるようにしましょう。

代行委託散骨で追加できるオプション

代行委託散骨では、「故人への想いを形にしたい」「故人との別れのときを美しく彩りたい」といった要望に応えられるよう、追加オプションが用意されています。

主なオプションには、次のようなものがあります。

・祈り鶴:故人への気持ちを水溶性の紙で折られた鶴に託し、一緒に海へ手向ける
・エコリース:純白リースが海上で美しい目印となり、家族に代わり故人を見守る
・フォトブック:大切な方とのお別れの模様をひとつのアルバムに収める
・フラワーボックス:基本サービスの花びらに加え、バラや胡蝶蘭などを用意

オプションの詳細や費用については、海洋散骨業者に確認しましょう。

海洋散骨を委託する・代理してもらうメリット

委託した業者に海洋散骨を代理してもらうメリットは、主に以下の2つです。

・費用を抑えられる
・故人の希望を叶えられる

ひとつずつ見ていきましょう。

費用を抑えられる

海洋散骨は、お墓を持たない供養方法です。お墓や土地を購入し維持管理する「一般墓」や「永代供養墓」などに比べて、費用を抑えられます。

特に代行委託散骨の場合、家族や親族だけで散骨を行う「チャーター散骨」、他の家族と合同で散骨する「合同散骨」といった他の海洋散骨と比べても、費用相場は安く設定されています。

⇛海洋散骨の費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

故人の希望を叶えられる

故人が「家族旅行の思い出がある海で眠りたい」と望んでいた場所が遠方にあり、現地に行くことが困難な場合もあるでしょう。そのような場合、委託した業者に代理してもらうことで、故人の希望を叶えてあげられます。

また、家族や親族の方が「船に乗るのが怖い」「船酔いするから船は苦手」という場合であっても、代行委託散骨であれば安心して依頼できます。

海洋散骨を委託する・代理してもらうときの流れ

一般的な代行委託散骨の施行当日の流れを見ていきましょう。

ステップ1.散骨ポイントに到着

海洋散骨業者のスタッフが、預かった遺骨を持って乗船し、出航します。

散骨ポイントに到着したら、散骨の準備を行います。

なお、代行委託散骨が実施されるサイクルは、数ヵ月に一度、または一定数の依頼が集まり次第など、海洋散骨業者によりさまざまです。命日や記念日など、指定の日に散骨を希望する場合は、契約時に海洋散骨業者に確認するようにしましょう。

ステップ2.散骨

準備が整い次第、お預かりした遺骨を散骨します。

複数の遺骨を同日に散骨する場合でも、故人の遺骨を1つ(1柱)ずつ丁寧に散骨します。

海洋散骨業者のなかには、オンライン中継が可能な業者も存在するため、実際の散骨の様子を見ることも可能です。オンライン中継の実施有無は、申込の際に海洋散骨業者に確認するとよいでしょう。

ステップ3.献花・献酒

遺骨を海に撒いたら、供養の気持ちを込めて彩り豊かな献花や献酒を捧げ、号鐘や黙祷をもって故人を見送ります。

ステップ4.帰港

故人へ献花や献酒を捧げたら、散骨ポイントを周回した後に、ゆっくりと散骨場所を離れ、帰港します。

海洋散骨業者によっては、散骨場所の緯度・経度が記された散骨証明書や、散骨当日のお写真が収録された記念アルバムを後日ご自宅に届ける、といったサービスやオプションもあります。

海洋散骨を委託する・代理してもらうときのマナーや注意点

海洋散骨自体が法律で規制されているわけではありませんが、ルールやマナーを守って行わなければ、最悪の場合、トラブルに発展する可能性があります。

トラブルを起こさず、故人を供養するためにも、これから紹介する代行委託散骨におけるマナーや注意点を念頭に置いておきましょう。

散骨前に粉骨する

焼骨後の遺骨をそのまま海に還せば、遺骨が流れ着いた先で不審者により遺棄されたとして事件性を疑われ、トラブルや警察沙汰になる可能性があります。

そのため、遺骨は散骨前に必ず粉骨しなければなりません。遺骨は、遺骨と判別できないように、1mm~2mm程度のパウダー状に粉骨します。

自分たちの手で粉骨することも可能ですが、大切な故人の骨を砕くことに精神的な苦痛や抵抗感を抱く方も少なくありません。粉骨は、海洋散骨業者に依頼するのがおすすめです。

副葬品は自然に還るものにする

代行委託散骨では、チャーター散骨や合同散骨と同様、故人が好きだった食べ物やお酒といった副葬品を一緒に撒いてもらえることがあります。一緒に撒いてほしい副葬品がある場合は、事前に相談しておきましょう。

ただし、ガラスやプラスチックなどの人工物は、海洋汚染につながったり、エサと間違えて口にした海洋生物を傷付けたりする恐れがあります。

副葬品は自然に還るものだけを選び、判断がつかない場合は海洋散骨業者に確認するようにしましょう。

海洋散骨を委託する・代理してもらう業者を選ぶときのポイント

海洋散骨を代理してもらう代行委託散骨には、さまざまなメリットがあります。

しかし一方で、散骨の様子を直接見られるわけではないため、「本当に散骨してもらえたのか」「しっかりと故人を供養してくれたのか」と不安を抱く方も少なくありません。

安心かつ安全な海洋散骨で故人を安らかに供養するためにも、委託する業者をしっかりと見極めることが大切です。

ここからは、業者選びのポイントを紹介します。

粉骨サービスが含まれているか

先述したとおり、海洋散骨では遺骨をそのまま撒けないため、遺骨をパウダー状に粉骨する必要があります。

粉骨作業は個人でも行えますが、精神的・体力的な負担を軽減するためにも、海洋散骨業者に依頼するのがおすすめです。

業者選びの際は、プラン内に粉骨サービスが含まれているかどうかを確認するようにしましょう。

追加オプション費用や別料金が必要か

海洋散骨では、散骨ポイントに到着後、あらかじめ水溶性の袋に納めておいた遺骨を散布します。

その際、故人への弔いとして献花や献酒を行うことがあります。

献花や献酒が基本サービスとして費用に含まれているのか、オプションとして別料金が必要となるのかは、業者によって異なります。そのため、献花や飲酒を希望する方は事前に確認しておきましょう。

また、海洋散骨業者のなかには、骨壺の処分、散骨証明書や記念アルバムの発行などに対応している業者も存在します。

希望するサービス内容と予算を比較検討し、納得できる海洋散骨業者に依頼するようにしましょう。

周辺環境や近隣住民への配慮があるか

法務省では、散骨について「節度を持って行われる場合は違法ではない」といった見解を示しています。

しかし、法律上の問題がなくても、条例によって散骨自体を禁止・規制している自治体も存在します。以下は、規制を設けている自治体の一例です。

・静岡県熱海市
・静岡県伊東市

思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、散骨を希望する海域・エリアが散骨可能か、条例による規制が設けられていないかなどを確認するようにしましょう。

また、条例による規制がなくても、海水浴場や海岸、レジャー施設、漁場付近では、散骨を目にした人の宗教的感情を害する恐れがあるため、近隣住民や観光客、漁師といった周辺環境への配慮が欠かせません。

散骨を希望する海域・エリア、自治体の条例などに精通した海洋散骨業者を選ぶようにしましょう。

希望する海域・エリアで散骨できるか

一部の海域・エリアでの散骨にのみ対応している業者も存在するため、故人や遺族の希望する海域・エリアがある場合は、散骨可能かどうかを事前に確認しましょう。

なお、散骨する海域・エリアに精通したスタッフや、海洋散骨に関する資格を保有しているスタッフが在籍していると、よりいっそう安心感が高まります。

海洋散骨業者の実績や口コミがあるか

海洋散骨のルールや周辺環境への配慮、あるいは海域・エリアに関する知識というものは、一朝一夕では身に付けられません。

そのため、業者選びをするときは、これまでの散骨実績を確認するのがおすすめです。経験豊富な業者は、さまざまなトラブルに対応するノウハウや知識を持っています。遺族の不安や心配を解消したうえで、故人を海に送り出せます。

あわせておすすめしたいのが、実際に代行委託散骨を依頼した利用者の口コミを確認するという方法です。口コミは、満足・不満足という結果だけで判断せず、利用者が「どのような点に満足したか」「何を不満足に感じたのか」という視点で参考にしましょう。

心を込めて供養してくれる業者か

海洋散骨は、故人の最後の旅立ちであり、遺された家族が故人を見送る大切なセレモニーでもあります。そのため、しっかりと心を込めて供養してくれる業者かどうかも大切なポイントです。

誠実さ、丁寧さといった「心」の部分は、費用やサービス内容からは判断できません。直接の対面や打ち合わせの場を通じて、スタッフの雰囲気から感じ取れるでしょう。

散骨のガイドラインや指針を守る業者か

海洋散骨に法律上の規制はありませんが、さまざまなトラブルを避けるためのガイドラインや指針が存在します。

そこで参考にしたいのが、厚生労働省が制定した「散骨に関するガイドライン」と日本海洋散骨協会が策定した「日本海洋散骨協会ガイドライン」です。

どれだけ心を込めても、法律や条例に違反し、近隣住民とトラブルに発展しては安心して故人を見送れません。ガイドラインや指針に沿って、適切な散骨を施行している海洋散骨業者を選ぶようにしましょう。

まとめ

本記事では、海洋散骨を代理してもらうメリットや流れ、費用相場、業者選びのポイントについて解説してきました。

代行委託散骨は、費用を抑えられるだけでなく、故人の希望を叶えられる供養方法です。ただし、業者選びを誤ると、希望どおりの散骨ができない可能性があるため注意が必要です。

業者選びの際は、粉骨サービスの有無、周辺環境への配慮、豊富な散骨実績、対応の誠実さや丁寧さなどを比較検討するようにしましょう。

ブルーオーシャンセレモニーは、16年で4千件以上の施行実績を持つ、信頼と実績の豊富な海洋散骨業者です。実店舗での対面打ち合わせに重きを置いており、お客様ひとり一人との対話を大切にしています。

経験豊富なスタッフが丁寧なヒアリングとアドバイスで、皆様が満足できる海洋散骨をサポートします。代行委託散骨に限らず、海洋散骨に関して気になることがあれば気軽にお問い合わせください。

 

【参考】

散骨に関するガイドライン|厚生労働省

日本海洋散骨協会ガイドライン|日本海洋散骨協会

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