海洋散骨はトラブルに注意|回避するためのポイントを5つ紹介

海洋散骨はトラブルに注意|回避するためのポイントを5つ紹介

2023/04/03

海洋散骨は、「自然に還りたい」「縁のある海で眠りたい」という故人の思いを尊重する新たな供養の方法として注目されています。

しかし、ルールやマナーを守らずに海洋散骨を行うと、思わぬトラブルに合う可能性があります。これは個人による海洋散骨だけでなく、業者に依頼するときも同様です。

本記事では、海洋散骨でよく起こるトラブルや、それらのトラブルの回避方法を解説していきます。

海洋散骨とは

海洋散骨とは、祭祀の目的をもって、火葬した故人の遺骨を花や供物と共に海に散布する供養方法です

これまでは、火葬後にお墓へ納骨することが一般的でした。ところが近年は「自然に還りたい」「大好きな海で眠りたい」という故人の思いを尊重し、遺骨を海に散布する海洋散骨を選択する方が増えています。

海洋散骨が注目されている理由

海洋散骨が「新しい供養、墓じまいの形」として注目されている理由は、主に以下の3点です。

・経済的な負担を軽減できる

・お墓を守る後継者(墓守)やお墓不足を解消できる

・ほかの散骨方法に比べて実施しやすい

ひとつずつ見ていきましょう。

経済的な負担を軽減できる

一般社団法人全国優良石材店の会の『2022年版 お墓購入者アンケート調査』によると、新たにお墓を建てる場合、約170万円の費用がかかるという結果が出ています

墓石を建てる形式は、古くから供養の形として用いられてきました。しかし、お墓を建てる費用や維持費などが、残された親族の経済的負担となるケースも珍しくありません。

海洋散骨の場合、お墓は必要ありません。お墓を建てる必要がないことから、霊園や菩提寺に対する維持費や管理料を支払う義務も生じません。ブルーオーシャンセレモニーの合同散骨プランなら、海洋散骨を16万5千円から行えるため、トータルコストを比較すると、お墓に納骨するときと比べて10分の1程度に収まります。

このように、海洋散骨は遺族や親族の経済的な負担を大きく軽減できることから、近年人気を集めています。

お墓を守る後継者(墓守)やお墓不足を解消できる

現代は、少子化や核家族化が進み、住む場所は自由に選べます。そのため、家族や親族の多くが近くに住んでいた従来と異なり、「お墓の後継者がいない」「墓守がいない」といった問題が起こるようになりました。

また、菩提寺や霊園の経営破綻などが原因でお墓自体が不足し、「葬儀が終わったのに納骨できない」といったトラブルもゼロではありません。

一方、海洋散骨はお墓に納骨しないため、お墓の維持・管理をする必要がありません。さらに、お墓自体を建てないため、後継者不足やお墓不足といった問題の解消につながります

ほかの散骨方法に比べて実施しやすい

山に遺骨を撒く山林散骨、宇宙で遺骨を撒く宇宙散骨など、散骨にはさまざまな種類があります。しかし、山林散骨や宇宙散骨には次のような制約があります。

・山林散骨:土地の所有者から許可を得なければ散骨できない

・宇宙散骨:遺骨や副葬品の量に制限があることに加え、遺族の手で直接散骨できない

海洋散骨は、制限や制約が多いほかの散骨方法に比べると、散骨場所や業者が多く、条件も整いやすい散骨方法です。そのため、散骨希望者の有力な選択肢となりうる方法といえるでしょう。

海洋散骨でよくあるトラブル

徐々に浸透しつつある海洋散骨ですが、なかにはトラブルが起こることもあります。

海洋散骨で起こりやすいトラブルは、主に以下の4点です。

・親族間で揉める

・菩提寺との関係が悪化する

・法律やルール・マナー違反を犯してしまう

・悪徳業者に頼んでしまう

それぞれ詳しく解説していきます。

親族間で揉める

たとえ故人本人が海洋散骨を希望していたとしても、「お墓参りできなくなる」「故人が形として残らないのは寂しい」などの理由から、遺族や親族から散骨自体を反対されることがあります。

特に、先祖代々からのお墓がある場合、「なぜお墓に入れないのか」と散骨に疑問を持たれることもあるでしょう。

このような意見に耳を傾けることなく一方的に海洋散骨を決定してしまうと、親族間で揉めたり、トラブルに発展したりすることがあります

菩提寺との関係が悪化する

相談もなく勝手に墓じまいし、散骨を選ぶことを快く思わない菩提寺もあるでしょう。

「長年の付き合いがある菩提寺に相談せず海洋散骨をして、ご住職に怒られた」「海洋散骨をしたら、菩提寺から高額な離檀料を請求された」というトラブルもゼロはないため、注意が必要です。

法律やルール・マナー違反を犯してしまう

海洋散骨を直接制限する法律や規制はなく、一般的には「節度をもって行う限り問題ない」とされています。

しかし、故人への弔いや祭祀という目的があったとしても「遺骨を撒く」ことを快く思わない方もいるでしょう。そのため、自然環境や地域住民へ配慮し、ルールやマナーを守って海洋散骨を行う必要があります。

条例やルールを守らずに散骨し、地域住民とのトラブルに発展しないよう注意しましょう。

悪徳業者に頼んでしまう

海洋散骨を専門に取り扱う業者は数多く存在し、サービス内容や料金設定もさまざまです。

「値段が一番安い業者にしよう」と安易に決めてしまうと、悪徳業者を選んでしまう可能性もあるため、ご注意ください。

特に、以下のような口コミや噂がある業者には注意しましょう。

・説明されていない追加料金を請求する

・近隣住民からクレームを受けたことがある

・条例で散骨を禁止されたエリアを把握していない

・抵触する恐れのある法律、ルールやマナーを知らない

海洋散骨のトラブルを回避するためのポイント5つ

故人を送り出す最期のシーンで、トラブルは避けたいものです。

ここからは、海洋散骨のトラブルを回避するためのポイントを紹介していきます。ポイントは次の5つです。

・親族間でよく話し合う

・一部だけ手元に残して散骨する

・菩提寺へ相談・報告をする

・「散骨に関するガイドライン」などを守って散骨する

・依頼先が悪徳業者でないかチェックする

故人や遺族が納得・満足したうえで故人を送り出せるように、これらのポイントを押さえておきましょう。

親族間でよく話し合う

「新しい供養、墓じまいの形」として海洋散骨を希望する方は増えています。一方で、「お参りのためにお墓を建ててほしい」と散骨自体に反対する方も少なくありません。

また、「故人が生前望んでいたから」という理由で関係者に相談せず散骨を進めると、後々のトラブルにつながります。

このようなトラブルを回避するためにも、親族間でよく話し合い、事前に理解や合意を得ておきましょう。故人や遺族が海洋散骨を希望する理由や背景などを、丁寧に伝える姿勢が大切です。

一部だけ手元に残して散骨する

「故人を近くに感じていたい」「故人を偲びたい」という思いから、「遺骨の一部を手元に残しておきたい」という方もいます。

一度海に撒いた遺骨は二度と戻ってこないため、一部だけ手元に残すのか、全部散骨するのかを事前に親族間で話し合うよう心がけてください。全員が納得する方法で海洋散骨を実施すれば、トラブル発生を回避できます。

菩提寺へ相談・報告をする

「海洋散骨を理解してもらえないだろう」「故人と遺族が希望していることだから」という理由で、菩提寺に相談せず墓じまいや散骨の手続きを進めると、菩提寺との関係が悪化する恐れがあります。

海洋散骨を快く思わない菩提寺も存在しますが、現在お世話になっている菩提寺があるなら、前もって墓じまいや海洋散骨のことを相談しておきましょう。

特に、長年お世話になった菩提寺の場合は、これまでの感謝の気持ちと共に、葬儀が終了したこともきちんと報告することをおすすめします

散骨に関するガイドライン」などを守って散骨する

海洋散骨に関する法律がないため、基本的に実施側の自主的な判断で海洋散骨は行われます。ただし、祭祀としての節度を超え、周囲の宗教的感情を害したと判断された場合、遺骨遺棄罪とみなされる可能性もゼロではありません。

そこで参考にしたいのが、厚生労働省が制定した「散骨に関するガイドライン」と、日本海洋散骨協会が策定している「日本海洋散骨協会ガイドライン」です。

これらのガイドラインの内容を整理すると、海洋散骨には主に以下のルールやマナーが求められています。

・服装は喪服ではなく平服にする(地域住民や漁業者等関係者の利益、宗教感情等を害することのないよう十分に配慮する)

・副葬品は自然に還るものに限定する(ビニールやプラスチックは避け、自然環境に悪影響を及ぼすような行為は行わない)

・遺骨は形状を視認できないよう粉状に砕く(法律に則り1~2mm程度に粉骨する)

・散骨は海岸から一定の距離以上離れた海域で行う(川やダム、個人の私有地、養殖場や漁場などは不可)

海洋散骨を検討する場合は、適切な散骨方法を理解するためにも「散骨に関するガイドライン」と「日本海洋散骨協会ガイドライン」を一読することをおすすめします。

依頼先が悪徳業者でないかチェックする

海洋散骨業者のなかには、「適切な方法で散骨を行わない」「散骨に関するガイドラインを遵守しない」といった悪徳業者も存在します。

悪徳業者と知らずに契約すると、適切な方法で散骨されなかったり、あとから思わぬ追加料金を請求されたりする可能性があります。

適切な業者選びをするためにも、料金やサービス内容を調べるだけではなく、信頼と実績を有した業者であることも併せて確認しておきましょう

また、悪徳業者か見極めるポイントとして、散骨専門の協会や団体などの加盟事業者であることも確認しておくと安心です。例えば「一般社団法人日本海洋散骨協会」に加盟する事業者は、「散骨に関するガイドライン」はもちろん、独自に策定された「海洋散骨ガイドライン」を遵守し、ご遺族に安全かつ安心な海洋散骨を提供しています。

まとめ

本記事では、海洋散骨の概要や、よくあるトラブルとその対策について解説してきました。

「新しい供養、墓じまいの形」として注目されている海洋散骨は、周囲や環境への配慮を怠ると大きなトラブルにつながる恐れがあります。海洋散骨を実施する際は、親族や菩提寺と事前に話し合い、故人だけでなく遺族や関係者が納得のうえで葬儀を執り行うことが望まれます。

また、海洋散骨を検討している親族や遺族が気持ちよく葬儀を執り行うためには、実績と信頼のある業者に依頼することがポイントです。

ブルーオーシャンセレモニーは、15年で4千件以上の海洋散骨を施工してきた実績を持ち、数多くのお客様との信頼を積み重ねてきた会社です。経験豊富なコーディネーターが、お客様のご希望を丁寧にヒアリングし、故人を快く見送れるよう海洋散骨をサポートいたします。

海洋散骨をご検討中の方は、まずはお気軽にブルーオーシャンセレモニーにお問い合わせください。

 

【参考】

2022年版 お墓購入者アンケート調査|一般社団法人 全国優良石材店の会

海洋散骨ガイドライン|一般社団法人日本海洋散骨協会

散骨に関するガイドライン|厚生労働省

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