
海洋散骨と永代供養の違いは?メリット・デメリットや費用相場を紹介
2024/01/07
海洋散骨と永代供養は、いずれもお墓を持たない供養方法として近年注目されています。多くの方が、どちらの供養方法を選ぶべきか迷っているかもしれません。
しかし、どちらの供養方法が適切かは、故人の遺志や家族の考え方によって異なります。
本記事では、海洋散骨と永代供養の違い、それぞれのメリット・デメリット、費用相場について詳しく解説します。
海洋散骨と永代供養の違いを理解し、希望に沿った供養方法を選ぶ際の参考にしてみてください。
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海洋散骨と永代供養は後継ぎが不要な供養方法
海洋散骨と永代供養は、どちらもお墓を持たない供養方法で、「お墓の後継ぎが不要」という共通点があります。
どちらの方法を選ぶかは、故人の遺志や家族の考え方、価値観によって決まります。費用相場や各方法のメリット・デメリットを比較し、慎重に選択することが大切です。
海洋散骨とは
まず、海洋散骨について説明します。
海洋散骨は、祭祀の目的で遺骨を海に散布し、故人を供養する方法です。自然葬の一種で、海洋葬とも呼ばれています。
海洋散骨は、お墓を持てない事情がある方や、「死後は自然に還りたい」という故人の遺志を尊重する方法として適しています。
有名人や芸能人が海洋散骨を選ぶケースもあり、ニュースで取り上げられることも増えてきました。
⇛海洋散骨を選んだ有名人・芸能人についてはこちらの記事で詳しく解説しています
海洋散骨の費用相場
海洋散骨には、大きく次の3つの方法が存在します。
・チャーター散骨
・合同散骨
・代行散骨
選択する方法によって費用は異なりますが、一般的に海洋散骨の費用相場は5万円〜40万円です。それぞれの方法の特徴と費用相場を見ていきましょう。
⇛海洋散骨の種類や費用相場についてはこちらの記事で詳しく解説しています
チャーター散骨
チャーター散骨は、遺族や親族のみが参加し、船舶やクルーザーをチャーターして行う散骨です。「故人との別れの時間を大切にしたい」「家族のみでゆっくりと故人を見送りたい」と考える方に適した散骨方法といえます。
チャーター散骨の費用相場は、20万円〜40万円です。
合同散骨
合同散骨は、複数の家族が共同で船舶やクルーザーをチャーターして行う散骨です。定員に制限があるものの、チャーター散骨よりコストを抑えられるというメリットがあります。
合同散骨の費用相場は、10万円〜20万円です。
代行散骨
代行散骨は、さまざまな事情で乗船が難しい遺族や親族に代わり、業者が実施する散骨方法です。「故人を自然に還したいが都合がつかない」「体調の問題で乗船できない」という方に向いています。
代行散骨の費用相場は、5万円〜10万円です。故人を直接見送ることはできませんが、「チャーター散骨」や「合同散骨」に比べ、コストを抑えることが可能です。
海洋散骨のメリット
海洋散骨の主なメリットは以下の5つです。
・費用を抑えられる
・次世代への負担がない
・故人の遺志を尊重できる
・環境への影響が少ない
・お墓の後継者問題が生じない
ひとつずつ見ていきましょう。
費用を抑えられる
海洋散骨はお墓を持たない供養方法であるため、お墓の購入費用や維持管理費がかかりません。
株式会社鎌倉新書の「お墓の消費者全国実態調査(2023年)」によると、お墓の平均購入価格は一般墓で152.4万円、樹木葬で66.9万円、納骨堂で77.6万円です。
一方、海洋散骨の費用相場は5万円~40万円です。ほかの供養方法と比べて費用負担を軽減できる点が、海洋散骨の大きなメリットといえます。
次世代への負担がない
お墓を建てると定期的なメンテナンスが必要であり、お墓の購入費用や維持管理費に加え、遠方に住んでいる場合は移動費用も発生します。
海洋散骨は、このような負担を軽減できるため、子や孫など次世代に負担をかけたくない方に適した供養方法です。
故人の遺志を尊重できる
故人が生前に「自然に還りたい」「愛した海に還してほしい」といった願いを持っていた場合、海洋散骨であればその遺志を叶えてあげられます。
また、海洋散骨は宗教や宗派に縛られないため、故人の希望や家族の考えを尊重できる供養方法です。
環境への影響が少ない
海洋散骨は、お墓や納骨堂などに比べて、地球環境への影響が少ない供養方法です。
お墓や納骨堂の建設には、土地の開発や造成工事が伴うため、環境への負荷が発生します。一方、海洋散骨ではそのような作業が不要なので、環境へ優しい方法といえるでしょう。
例えば、ブルーオーシャンセレモニーでは、「遺骨に含まれる有害物質の無害化」「環境に配慮したエコフラワーの開発」など、地球環境に配慮した取り組みを実施しています。
⇛ブルーオーシャンセレモニーのSDGsに関する取り組みについてはこちらの記事で詳しく解説しています
お墓の後継者問題が生じない
近年、少子高齢化や過疎化の影響で、お墓の後継者不足が深刻化しています。
「独り身で代々受け継がれてきたお墓の後継者がいない」「親族が遠方に住んでおり、後継者が見つからない」といった事情から、お墓の後継者に悩むケースも少なくありません。
海洋散骨はお墓を持たない供養方法であるため、お墓の後継者に関する心配がなく、精神的な負担を軽減できるメリットがあります。
海洋散骨のデメリット
海洋散骨のデメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。
・遺骨が手元に残らない
・お墓参りや献花が難しい
・親族間のトラブルを引き起こす可能性がある
ひとつずつ見ていきましょう。
遺骨が手元に残らない
海洋散骨のデメリットは、遺骨を一度海に散骨すると二度と取り戻せない点です。
そのため、遺骨の一部を手元に残す「手元供養」と組み合わせて実施するケースも増えています。手元供養では、遺骨をペンダントやブレスレットに加工したり、小さな骨壷に納めたりして、遺骨を身近に感じることが可能です。
お墓参りや献花が難しい
海洋散骨ではお墓を持たないため、お墓参りが難しくなることがあります。
ただし、すべての遺骨を散骨する必要はありません。一部を残して手元供養を選ぶことも可能です。
また、散骨業者によっては、散骨した海域を再び船でお参りする「メモリアルクルーズ」プランを提供しています。「月命日や年忌法要で手を合わせたい」という場合は、メモリアルクルーズの利用を検討してみましょう。
親族間のトラブルを引き起こす可能性がある
「遺骨が手元に残らない」「お墓参りができない」といった理由で、海洋散骨に反対する遺族や親族とトラブルになる可能性があります。
親族間のトラブルを避けるためにも、故人やご先祖様の供養方法についてあらかじめ話し合いをしておくことが大切です。
永代供養とは
続いて、永代供養について見ていきましょう。
永代供養は、菩提寺や霊園といったお墓の管理者が、遺族に代わって遺骨を永代に渡って管理・供養する方法です。
永代使用料を支払うことで、一定期間、お墓の管理者がお墓の掃除や草むしり、お参りなどをしてくれます。
永代供養の費用相場
永代供養には、大きく次の3つの種類が存在します。
・個人墓
・集合墓
・合祀墓
それぞれの特徴と費用相場を見ていきましょう。
個人墓
「個人墓」は、個別に骨壺を安置し、一定期間後にほかの遺骨と共同の場所に納骨する方法です。個人や家族単位での安置が可能で、全体の管理費が含まれるため、ほかの2種類に比べて費用が高い傾向にあります。
個人墓の費用相場は50万円〜150万円です。
集合墓
「集合墓」は、共有スペース内で個別に骨壺を安置する方法です。一定期間後、ほかの遺骨と同じ場所に納骨されます。
集合墓の費用相場は20万円〜60万円です。
合祀墓
「合祀墓」は、骨壷を個別に安置せず、最初からほかの人と共同の場所に納骨する方法です。個人墓や集合墓に比べて費用を抑えられます。
費用相場は5万円〜30万円です。
永代供養のメリット
永代供養のメリットは、主に「精神的・経済的な負担の軽減」にあります。
具体的には、次の4つのメリットが挙げられます。
・お墓の後継者がいなくても安心できる
・一般墓に比べて費用負担が少ない
・お墓の維持管理が不要
・檀家を抜けられる
ひとつずつ見ていきましょう。
お墓の後継者がいなくても安心できる
永代供養では、菩提寺や霊園がお墓を大切に管理し、供養してくれます。
代々続くご先祖様たちの供養を任せられるため、精神的な安心感が得られるでしょう。
一般墓に比べて費用負担が少ない
一般墓の場合、お墓を所有している限り、年間管理料や供養にかかる費用、墓石のメンテナンス費用などが継続して発生します。
対して、永代供養では契約時に一括で永代供養料を支払うことで、その後の追加費用は発生しないことが一般的です。
そのため、永代供養は一時的な出費こそあるものの、一般墓に比べて長期的な費用負担が少なくなるという経済的なメリットがあります。
お墓の維持管理が不要
永代供養では、菩提寺や霊園などの管理者がお墓を維持管理し、掃除やお参りを代行してくれます。
そのため、一般墓のように自分たちでお墓を管理する必要がありません。また、後継者を必要としないため、子どもや孫、親族に面倒や負担をかけずに済みます。
檀家を抜けられる
一般的に、永代供養は宗派や宗教に関係なく埋葬を受け入れており、多くの場合、檀家になる必要がありません。
檀家とは、特定の寺院に葬儀や法要などの仏事を専属で営んでもらう代わりに、その寺院を経済的に支援する家のことです。
墓じまいに伴い永代供養墓へ改葬する場合、現在の檀家から抜けることで経済的な負担が軽減されます。
永代供養のデメリット
永代供養のデメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。
・遺骨を他のお墓に移せなくなる
・お墓参りの実感を得にくい
・親族の理解を得にくい場合がある
ひとつずつ見ていきましょう。
遺骨を他のお墓に移せなくなる
永代供養墓に埋葬する際は、骨壷から遺骨を取り出して、ほかの人と一緒に埋葬されます。これを「合葬」といいます。
合葬された遺骨は、後でほかのお墓に移したり、骨を分けたりできません。
永代供養を選択する場合は、合葬したらやり直しがきかないという点を事前に遺族へ伝えることが重要です。
お墓参りの実感を得にくい
永代供養墓には、さまざまな人が埋葬されており、家族専用スペースはありません。お墓参りは共用の参拝スペースを利用します。
そのため、故人との時間を心ゆくまで過ごせず、物足りなさを感じる方もゼロではありません。
永代供養を利用する際は、ほかの供養方法との違いを十分に理解したうえで申し込むようにしましょう。
親族の理解を得にくい場合がある
永代供養では、お墓を持たないことに対して親族から理解が得られないことがあります。
「故人に対して不義理ではないか」「しっかりとしたお墓を用意すべきだ」という反応があるかもしれません。特に高齢の親族のなかには、「永代供養は身寄りのない人のためのもの」という先入観を持つ方もいます。
そのため、親族との話し合いを通じて理解を得る努力が必要です。
海洋散骨と永代供養の選び方
海洋散骨も永代供養も、どちらもお墓を持たない供養方法であり、お墓の維持管理や後継者問題の心配がありません。また、一般墓への納骨に比べて費用が少ないため、経済的な負担も軽減されます。
どちらの方法がベストかは一概には言えません。家族や親族の状況、故人の遺志などを総合的に考慮し、慎重に判断するようにしましょう。
迷ったらプロの専門業者に相談するのがおすすめ
海洋散骨と永代供養はどちらも故人を供養する方法ですが、それぞれにメリットとデメリットが存在します。そのため、選択に迷う方も多いでしょう。
そのようなときは、プロの専門業者に相談するのがおすすめです。専門業者は、海洋散骨や永代供養に関する豊富な知識と経験を持ち、個々の状況に合わせた最適な方法を提案してくれます。
まとめ
本記事では、海洋散骨と永代供養の違いに焦点を当てて解説しました。
それぞれのメリットやデメリット、費用を比較検討し、家族の意向や故人の遺志を尊重しながら慎重に決めましょう。
「何を基準に決めればいいのかわからない」と迷う場合は、プロの専門業者への相談がおすすめです。適切なアドバイスをもらうためにも、信頼と実績のある業者を選びましょう。
ブルーオーシャンセレモニーは、日本海洋散骨協会の加盟事業者でもある海洋散骨会社です。16年で4千件以上の海洋散骨の施行実績を持ち、多くのお客様から信頼を得ています。墓じまいや手元供養に関するオプションサービスも提供しています。
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