海洋散骨を選んだ有名人とは?散骨の希望者が増えている理由

海洋散骨を選んだ有名人とは?散骨の希望者が増えている理由

2023/09/17

少子高齢化によるお墓の後継者不足や、将来にわたる経済的な負担といったさまざまな事情から、海洋散骨を検討している方も多いのではないでしょうか。

近年は、お墓を持たない「新しい供養、墓じまいの形」として海洋散骨を希望する人が増えており、そのなかには有名人や芸能人なども含まれています。

本記事では、海洋散骨の概要や、散骨の希望者が増えている理由などを解説するとともに、海洋散骨を実施した有名人や芸能人を紹介します。

海洋散骨とは

海洋散骨とは、祭祀の目的をもって故人の遺骨を海に散骨することです。 

「死後は自然に還りたい」「大好きな海で眠りたい」という故人の遺志や、さまざまな事情で「お墓に入れない」「お墓を持てない」という悩みをお持ちの方に最適な供養方法として、多くの人に選ばれています。

海洋散骨は、「船舶上で撒く方法」と「ヘリコプターやセスナ機で沖合いまで飛び、空から撒く方法」のいずれかで行うことが一般的です。

海洋散骨を希望する人が増えている理由

さまざまな供養方法があるなかで、なぜ海洋散骨が選ばれているのでしょうか。

理由として、主に以下の4つが挙げられます。

・お墓の管理が不要
・経済的な負担を軽減できる
・ほかの散骨方法に比べて実施しやすい
・お墓を守る後継者(墓守)が必要ない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

お墓の管理が不要

お墓は、故人との思い出を振り返り、ご先祖様とのつながりを感じられる神聖な場所です。

しかし近年では、核家族化や過疎化などにより、親族同士がお墓のある土地と離れて暮らすことも珍しくありません。また、お墓を荒れ果てたまま放置してしまうケースも増えています。

海洋散骨は、パウダー状にした遺骨を海に撒く、お墓を持たない供養方法です。そのため、手入れや掃除といったお墓の維持管理の手間がありません。そのメリットから、最近では海洋散骨を検討する方が増えています。

経済的な負担を軽減できる

株式会社鎌倉新書が実施した「お墓の消費者全国実態調査(2023年)」によると、お墓の平均購入価格は、一般墓が152.4万円、樹木葬が66.9万円、納骨堂が77.6万円です。

一方、海洋散骨の費用相場は5万円〜40万円です。お墓の購入に比べると、海洋散骨は費用を抑えられる供養方法といえるでしょう。

また、お墓を購入すると、購入費用に加えて、メンテナンス費用やお墓の管理者に納める墓地管理費が追加で発生します。一方、海洋散骨では散骨施行時の費用のみが発生し、それ以外のメンテナンス費用や墓地管理費は発生しません。

ほかの散骨方法に比べて実施しやすい

散骨には海洋散骨以外にも、山へ遺骨を撒く「山林散骨」、宇宙空間で遺骨を撒く「宇宙散骨」などがあります。

しかし、山林散骨と宇宙散骨には多くの制限や制約があり、実施しにくいのが現状です。

たとえば、山林散骨は国有林や他人の私有地などでは行えず、人目につかない場所や自身の所有地で散骨しなければなりません。また、宇宙散骨の場合は、サービス提供事業者が少ないことから、費用が高い傾向にあります。

それらに比べると海洋散骨は、制約や制限が少ないことに加えて、一部を除き誰の所有物でもない広大な海で散骨を行える点がメリットです。

また、業界団体によるルールやガイドラインが設けられているため、安心かつ安全に散骨しやすい方法といえます。

お墓を守る後継者(墓守)が必要ない

最近では、「お墓を守る後継者(墓守)がいない」という問題が深刻化しています。

お墓は従来、代々受け継がれるものでした。ところが、少子高齢化や核家族化が進み、その土地と離れて暮らすことが一般的になったため、お墓の維持管理を困難に感じる方が増加しています。

海洋散骨はお墓を建てないため、お墓の後継者が必要ありません。

お墓の場合、荒れ果てたまま放置し、管理料を滞納し続けると「無縁墓」として強制撤去される可能性があります。海洋散骨は、こうしたお墓の後継者不足にまつわる問題を解決する方法として注目を集めています。

地方散骨や散骨ツアーが注目されている

最近では、旅行や年忌法要を兼ねて「散骨ツアー」に申し込む方も少なくありません。

「散骨ツアー」とは、地方での旅行や思い出作りを楽しみながら、故人のふるさとや特別な思い出のある場所を巡り、旅先で散骨を行うツアーです。

サービス会社によっては、宿泊や現地移動なども含めた各種プランニングをトータルサポートしています。興味のある方は気軽に問い合わせてみましょう。

⇛地方散骨や散骨ツアーに興味のある方は「えんの旅」へお声がけください

海洋散骨を選んだ有名人・芸能人

ここからは、これまでに海洋散骨を選んだ有名人や芸能人を紹介します。

歌手・藤圭子

【没年】2013年

【場所】不明

【理由】場所は明らかにされていませんが、本人の生前の希望で海に散骨されました。

俳優・石原裕次郎

【没年】1987年

【場所】湘南の海

【理由】俳優の石原裕次郎さんが亡くなられた当初、兄の慎太郎氏は「弟の愛した海に散骨したい」と海洋散骨を希望していました。当時の法解釈では認められず一度断念しましたが、その後、1991年に「葬送の為の祭祀で、節度をもって行われる限り違法ではない」と法務省が発表したことを受け、遺族の手により一部の遺骨が湘南の海に散骨されました。

落語家・立川談志

【没年】2011年

【場所】ハワイのハナウマ湾

【理由】「遺骨を海に撒いてほしい」という本人の生前の希望で、ハワイのハナウマ湾を含む計3ヶ所に散骨されたそうです。

元X JAPAN・hide

【没年】1998年

【場所】ロサンゼルスの海

【理由】遺骨は神奈川県の三浦霊園に納骨され、一部がロサンゼルス沖に散骨されました。

漫才師・横山やすし

【没年】1996年

【場所】宮島競艇場/厳島神社(大鳥居)付近

【理由】本人の希望で、宮島競艇場と厳島神社の大鳥居近くの2ヶ所で船上から遺骨の一部が散骨されたそうです。

ソプラノ歌手・マリアカラス

【没年】1977年

【場所】エーゲ海ギリシャ沖

【理由】死後2年経過した後に、故人の遺志により出身地であるギリシャ沖のエーゲ海へ散骨されました。

政治家・マハトマガンディー

【没年】1948年

【場所】ヤムナー川や南アフリカの海など

【理由】国葬後、遺灰はヤムナー川、ガンジス川、南アフリカの海へと散骨されました。

理論物理学者・アルベルト・アインシュタイン

【没年】1955年

【場所】デラウェア沖

【理由】故人の遺志により、遺灰は遺族によりデラウェア沖へ散骨されました。

海洋散骨で守るべきルールとマナー

多くの有名人・芸能人のために実施されてきた海洋散骨ですが、近隣住民や観光業・漁業関係者とのトラブルを避けるためにも、守るべきルールやマナーがあります。

そこで参考にしたいのが、厚生労働省が制定した「散骨に関するガイドライン」と、日本海洋散骨協会が策定した「日本海洋散骨協会ガイドライン」です。

2つのガイドラインの重要なポイントを、それぞれ解説していきます。

粉骨する

遺骨をそのまま遺棄することは、刑法第190条で規定された遺骨遺棄罪にあたります。

そのため、海洋散骨では、散骨する遺骨を1mm〜2mm程度のパウダー状に粉砕し、遺骨が遺骨だと判別できないようにする必要があります。

粉骨せずに散骨すると、遺族や親族にとっては葬送目的であったとしても、一般市民や近隣住民には遺骨遺棄との区別がつきません。

宗教的感情を害するものとしてトラブルの原因になるため、粉骨は欠かさず行う必要があります。

火気を持ち込まない

海洋散骨では、環境への配慮やクルーズ巡航中の危険回避のために、火気の持ち込みが禁止されています。

火気を使用したときに出る灰や有害物質が海に落ちたり、ライターの火が船舶・クルーザー上の物品に燃え移ったりする危険性があるためです。

お墓参りや納骨、法要などではロウソクやお焼香を持ち込むことが一般的ですが、海洋散骨の場合は火気を持ち込まないようにしましょう。

副葬品は自然に還るものを選ぶ

海洋散骨では、遺骨と一緒に副葬品を海に散布するため、副葬品は自然に還るものだけを選ぶ必要があります。

副葬品とは、故人の愛用品や、遺された方から故人へ手向けるために一緒に埋葬する品々のことです。

次のような物は自然に還らないため、副葬品から除外する必要があります。

・金属
・ガラス
・ビニール
・プラスチック
・その他の人工物

なお、散骨時に手向ける献花は、海洋生物や水質に悪影響を及ぼす恐れがあるため、茎や葉を取り除くようにしましょう。

散骨場所や周囲へ配慮する

海洋散骨は、故人の冥福を祈り、故人を見送る大切なセレモニーです。

しかし、海洋散骨を見た一部の近隣住民が不快に思う可能性もゼロではありません。また、風評被害を危惧する観光業・漁業関係者などとトラブルに発展する恐れもあります。

トラブルを避けるためにも、周囲へ配慮した海洋散骨を心がけましょう。

配慮すべきポイントは、主に以下の点です。

・服装:葬儀以外の目的で桟橋やマリーナなどを訪れる一般市民や近隣住民に配慮し、喪服は避け、平服で参列する

・時間帯:人の往来が多い朝夕の通勤・通学の時間帯、ランチタイムは避ける

・散骨場所:人が立ち入れる陸地から1海里以上離れた海洋上のみで散骨する(避けるべきエリア:河川、滝、干潟、河口付近、ダム、湖や沼地、海岸・浜辺・防波堤、漁場・養殖場・航路、それらの近辺)

親族・遺族から許可を得る

親族・遺族のなかには、「故人を近くで感じていたい」「手元で供養したい」という方がいるかもしれません。

一度海洋散骨をすると、遺骨は二度と手元に戻りません。親族・遺族の合意や許可を得ずに散骨してしまうと、手元供養や遺骨アクセサリーなどを望んでいた親族・遺族とトラブルに発展する恐れがあります。

トラブルを避けるためにも、独断で進めるのではなく、事前に親族・遺族の間で十分に話し合い、了承を得ておくことが大切です。

まとめ

本記事では海洋散骨の概要や、海洋散骨を実施した有名人・芸能人を紹介しました。

選ばれることの増えてきた海洋散骨ですが、事前準備をせず個人で行うと、トラブルに巻き込まれるリスクがあります。安心かつ安全な散骨を希望する場合は、信頼と実績のある海洋散骨業者に依頼するのがおすすめです。

ブルーオーシャンセレモニーは、16年で4千件以上の海洋散骨の施行実績を持ち、全国各地で安全かつ安心な海洋散骨を数多く施行してきました。みなさまのご要望にお答えできるよう、経験豊富なスタッフが全力で散骨をサポートいたします。

海洋散骨をご検討中の方や「故人を美しい自然へと還したい」という方は、気軽にブルーオーシャンセレモニーにご連絡ください。

 

【参考】

【第14回】お墓の消費者全国実態調査(2023年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向|株式会社鎌倉新書

散骨に関するガイドライン|厚生労働省

日本海洋散骨協会ガイドライン|日本海洋散骨協会

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