海洋散骨をする場所の選び方とは?注意点や業者選びなども詳しく解説

海洋散骨をする場所の選び方とは?注意点や業者選びなども詳しく解説

2023/08/07

日本では、散骨を直接禁止する法律がないため、節度をもって行えば誰でも散骨可能です。

ただし、どのような場所でも散骨が認められるわけではありません。適切な場所でルールやマナーを守って行わなければ、近隣住民や一般市民などとトラブルに発展する可能性があります。思いがけないトラブルを引き起こさないためにも、海洋散骨をする場所は慎重に選ぶことが大切です。

本記事では、海洋散骨をする場所の選び方や散骨するうえでの注意点、業者選びのポイントなどを解説します。

海洋散骨とは

海洋散骨とは、祭祀の目的をもって、パウダー状にした故人の遺骨を海に散布する供養方法です。

一般的に、火葬した遺骨はお墓に納骨します。しかし近年では「大好きな海で眠りたい」「自然に還りたい」という故人の想いを尊重し、海洋散骨を選ぶ人も増えてきています。ほかにも、「経済的な負担を軽減できる」「お墓の後継者不足やお墓不足を解消できる」といった理由で、海洋散骨を望むケースがあります。

地方での散骨実施が増えている

近年は、「自分が亡くなった後は生まれ故郷の自然に還してほしい」「故人と縁のある地に散骨してあげたい」という理由から、地方で散骨するケースが増えています。

弊社(株式会社ハウスボートクラブ)の実績を確認すると、散骨実施比率は以下のとおりでした。

・2019年 東京:約77.8%、東京以外:約22.2%

・2022年 東京:約58%、東京以外:約42%

東京以外の地域、つまり地方での散骨需要が、数年で20%ポイント近く増加していることがわかります。

散骨ツアーは宿泊や移動も安心

このような地方散骨の増加にともない、近年注目されているのが「散骨ツアー」です。「散骨ツアー」は、旅行や年忌法要を兼ねており、故人のふるさとや特別な思い出のある場所を巡りながら、旅先で散骨を行うツアーです。

これまで地方での散骨は、宿泊や現地移動などがともなうため、「興味はあるけど、大変そうだからやめておこう」と諦めてしまう人が多く見受けられました。

「散骨ツアー」のような終活旅行サービスは、宿泊や移動、各種プランニングなどをトータルサポートしてくれます。さらに、地方での散骨や旅行、思い出作りなどができて、とても有意義な時間を過ごせるでしょう。

えんの旅では、従来の観光とは異なり、大切な人との時間を共有する旅をお手伝いしています。大切な人とのご縁を深め、思い出に残る旅行体験を提供するために、プロのコーディネーターが寄り添う旅行サービスです。

「散骨ツアー」や「終活旅行サービス」などに興味をお持ちの方は、気軽にご相談ください。

海洋散骨する場所の選び方

海洋散骨にあたっては、散骨する海域を決める必要があります。

故人が生前に「この海に還してほしい」と希望していた場合は、その海域で散骨するのが望ましいでしょう。しかし、「故人の希望する海域が明らかでない」「そのエリアで散骨できない」といったときには、どのように散骨する場所を選ぶべきでしょうか。

ここからは、海洋散骨を行う場所の選び方で押さえておきたいポイントを4つ紹介します。

アクセスの良さ

高齢の方や遠方に住む親族が参加することもあるため、参加者が集まりやすく、アクセスの良い場所を選びましょう。

利便性やアクセスが悪い場所では、現地に到着するまでに時間がかかったり、参加者が予定どおりに集まらなかったりして、海洋散骨がスムーズに進められない可能性があります。

乗船場所の環境

散骨実施前後に参加者一同が快適に過ごすためにも、乗船場所・集合場所の周辺環境も大切です。

具体的なポイントは、以下のとおりです。

・近隣に飲食店があるか

・待合所のようなスペースがあるか

・船に乗船するまでに段差があるか

・船に乗船する桟橋までの距離はどれくらいか

見落とされやすいポイントですが、現地に行かなければわからないことが多いため、海洋散骨業者にあらかじめ確認しましょう。

天候の影響を受けにくい海域

海洋散骨には、高波や台風など天候の影響を受けやすいというデメリットがあります。場合によっては、出航が直前で中止になる可能性もゼロではありません。

スムーズな海洋散骨のためには、天候の影響を受けにくく、出航中止リスクが低い海域を選ぶとよいでしょう。たとえば、松島湾や瀬戸内海などは高波による出航中止リスクが低い海域です。

一方、外洋に近い海域は出航条件が厳しいため、「どうしても外洋に近い海域で散骨したい」という場合は、中止になるリスクを考慮し、参加者にあらかじめ伝えておきましょう。

船舶やクルーズ船の安全性や設備

希望する海域によっては、波や風の影響を強く受ける場所もあります。安全かつ安心して海洋散骨を実施するためには、船舶やクルーズ船のサイズも重要なポイントです。

海洋散骨事業者が用意する船舶は、旅客不定期航路事業の許認可を得た船である必要があります。漁船やプレジャーボートなどに旅客を乗せて運航するのは違法であるため、そのような業者には注意しましょう。

海洋散骨業者の選び方

海洋散骨は、愛する故人を見送る大切なセレモニーです。そのため、信頼できる海洋散骨業者を選ぶことが大切です。

ただし、ホームページを見ただけでは、良い業者か悪い業者かを判断できず、確かな情報を得ることは難しいでしょう。

信頼できる業者に依頼するためにも、これから紹介するポイントを押さえた業者選びを心がけてみてください。

信頼と実績がある

大切な故人との別れを良い思い出とするためにも、豊富な海洋散骨の施行実績を持ち、適切に情報開示をしている業者を選ぶことが大切です。

業界ガイドラインを遵守している業者や、散骨に関する資格の保有スタッフがいる業者は、信頼度の高い業者だといえます。また、業界団体の加盟事業者も信頼できるでしょう。海洋散骨業者のなかには、ルールやマナーから逸脱した散骨を実施したり、高額な追加料金を請求したりする悪徳業者も存在するため、ご注意ください。

料金が安すぎない

料金の安さだけを売りにしている海洋散骨業者には、注意が必要です。

大切な故人の遺骨を扱うセレモニーであるため、一定のクオリティが担保された価格帯の海洋散骨業者を選ぶようにしましょう。

正式な申し込みの前に、しっかりと費用面の説明があり、追加料金の発生しない明朗会計の業者であれば、よりいっそう安心です。なかには、散骨した証明として「散骨証明書」の発行や「記念写真」の贈呈などをオプションとして提供している業者も存在します。

プランと料金の妥当性を確かめるために、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討するとよいでしょう。

>>海洋散骨の費用相場や種類についてはこちらの記事で詳しく解説しています

プランの種類が豊富である

希望する海域や参加者の人数、追加するオプションなどは、各家庭の事情によって異なります。

そのため、故人や遺族の希望を最大限叶えるためにも、プランの種類が豊富な業者を選びましょう。

特に、合同プランの選択肢が多い海洋散骨業者は散骨実績が豊富な傾向にあるため、比較検討の際の参考にしてみてください。

対面・電話で対応してくれる

海洋散骨を含む葬祭サービスは、「人」がとても重要です。低コスト化や効率化をするために店舗を持たない海洋散骨業者も存在しますが、「このスタッフ、この業者なら任せて大丈夫だ」という感覚は、Web上のテキスト情報だけでは判断できません。

対面や電話での対応から、親身かつ丁寧にヒアリングしてくれる業者や、希望・意見を反映してくれそうな業者などを選ぶようにしましょう。

希望海域の散骨が可能である

故人の思い出や縁のある海、散骨を希望するエリアなどがあれば、その想いを叶えてあげたいものです。あらかじめ、海洋散骨業者が希望海域での散骨に対応しているかどうかを事前に確認しておきましょう。

ただし、なかには散骨を禁止・制限する条例やガイドラインを制定している自治体も存在します。また、海水浴場や漁場、観光スポットなどは、一般市民や近隣住民の宗教的感情を害する可能性があるため、散骨してはいけません。これらを考慮せず散骨しようとする悪徳業者や違法業者には注意しましょう。

海洋散骨をするうえでの注意点

散骨は、その様子を見ている人の宗教的感情を害する恐れがあるため、実施上の注意点があります。

注意点は、主に以下の5点です。

・火気を持ち込まない

・服装は喪服ではなく平服にする

・副葬品は自然に還るものに限定する

・遺骨は法律に則り1〜2mm程度に粉骨する

・散骨は陸地から1海里以上離れた海洋上で行う(川、ダム、個人の私有地、養殖場や漁場などは不可)

海洋散骨実施上の注意点は、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」や、業界団体である日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」に詳しく記載されています。ルールやマナーを遵守して海洋散骨を実施できるよう、目を通しておくと安心です。

まとめ

本記事では、海洋散骨をする場所の選び方や散骨するうえでの注意点、業者選びのポイントなどを解説しました。

散骨は、その様子を見た近隣住民や一般市民によっては、不快に感じることもあります。誰でも海洋散骨を行うことは可能ですが、周囲への配慮を忘れず、適切な場所を選ぶことが大切です。

トラブルに巻き込まれることなく、スムーズに大切な故人を見送るためにも、信頼と実績のある業者に海洋散骨を依頼するようにしましょう。

ブルーオーシャンセレモニーは、日本海洋散骨協会の加盟事業者でもある海洋散骨会社です。16年で4千件以上の海洋散骨の施行実績を持ち、多くのお客様と信頼を積み重ねてきました。

信頼と実績を兼ね備えた海洋散骨業者をお探しの場合は、ぜひ一度ブルーオーシャンセレモニーにお問い合わせください。

 

【参考】

散骨に関するガイドライン|厚生労働省

日本海洋散骨協会ガイドライン|一般社団法人日本海洋散骨協会

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