散骨は海外で行える?押さえておきたい手続きや注意点・ルールを紹介

散骨は海外で行える?押さえておきたい手続きや注意点・ルールを紹介

2023/08/06

近年、散骨は故人を自然に還す供養方法として人気が高まっており、国内だけでなく海外における散骨を希望する人が増えています。

ただし、国や地域が違えば、散骨に対する価値観やルールもさまざまです。火葬文化がなく、土葬の風習が色濃く残る国も存在します。そのため、海外での散骨を希望する場合は、いくつかの注意点やルールを押さえておく必要があります。

本記事では、そもそも散骨が海外で行えるのか、海外で散骨を行う際の手続きや注意点・ルールについて解説します。

散骨とは

散骨とは自然葬のひとつで、火葬後の遺骨をパウダー状にし、海や山などに散布する供養方法のことです。

散骨では、新しくお墓を建てたり、お墓を管理したりする必要がありません。お墓の後継者不足や経済的な負担を軽減できることから、現代のニーズに合った「新しい供養、墓じまいのカタチ」として定着しています。

近年は特に海洋散骨が注目されている

海洋散骨とは、祭祀の目的をもって、パウダー状にした故人の遺骨を海に散布する供養方法です。

従来は、火葬後に遺骨をお墓へ納骨することが一般的でしたが、最近では故人の希望に沿った葬儀を行うことも尊重されています。なかでも、「大好きな海で眠りたい」という故人の想いを尊重し、遺骨を海に還す海洋散骨を選択する方が増えています。

散骨は海外で行える?

土葬文化が色濃く残る国や地域も存在しますが、基本的には海外でも散骨は可能です。

ここでは、海外で散骨を行う方法を2つ紹介します。

海外で散骨する

まず1つ目の方法は、海外へ遺骨を運び、故人や親族が希望する国や地域で散骨する方法です。

ただし、渡航先の国や地域の法令や風習、文化や宗教観などをリサーチしたり、交通手段や宿泊先などを手配したりする必要があるため、個人でやる場合は大きな負担となります。また、庭への散骨が認められていたり、海洋散骨や散骨場・火葬場でのみ散骨できたりと、散骨の方法は国や地域によってさまざまです。

法令や風習などのリサーチ、または航空便や宿泊先などの手配に自信がない場合は、海外での散骨実績を持つ海洋散骨業者へ依頼しましょう。散骨までの準備や現地での手配などを進めてくれるため、スムーズな散骨が可能です。

海外の散骨でも海洋散骨が多く選ばれている

海外での散骨を希望する人に多く選ばれているのが「海洋散骨」です。日本の海洋散骨業者のなかには、海外の海域で散骨できる業者も存在します。最もメジャーな散骨エリアの1つが、ハワイです。

日本の海洋散骨業者であれば、申込段階の相談やスケジュールのすり合わせなどをすべて日本語で対応してくれるため、言葉や文化の壁を心配する必要がありません。

渡航手段や宿泊先の相談、または観光サポートなども受けられるため、「初めての海外で不安」「満足できる散骨をしたい」という方は、日本の海洋散骨業者に問い合わせてみましょう。

海外の散骨代行サービスに依頼する

2つ目の方法として、海外の散骨代行サービスを利用する方法があります。海外の散骨代行サービスとは、遺骨を海外に持参または郵送すると、粉骨したうえで海外現地で散骨してくれるサービスのことです。

散骨業者によっては、GPSを利用して散骨した場所を把握することが可能なので、故人の配偶者などが亡くなった際、同じ場所に散骨してもらえる場合もあります。

親族の手で故人の遺骨を散布できるのが望ましいかたちですが、「事情があって海外に行けない」という方におすすめのサービスです。

散骨を海外で行うために必要な手続き

散骨はおろか、海外に行くこと自体が初めてという方もいるでしょう。

海外へ渡航するのであればパスポートの取得は必須ですが、そのほかにも必要な手続きがあります。

ここでは、散骨を海外で行うために必要な手続きを2つ紹介します。

飛行機に遺骨を持ち込むときは配慮する

海外で散骨を行う際、多くの人が心配するのは「機内に遺骨を持ち込めるのか」という点です。結論からいうと、遺骨は手荷物として機内への持ち込みが認められています。

持ち込み方に細かいルールはありませんが、同乗者への配慮が必要です。たとえば、骨壺をそのまま持ち込むのは避けるべきです。

骨壺を持ち込む場合は、風呂敷で包む、紙袋で覆うなど、ほかの乗客が骨壺だとわからないように配慮しましょう。

必要な証明書類を揃える

海外で散骨をする場合、日本から海外に遺骨を運ぶ必要があります。近年は、テロ対策や違法薬物の取締りなどで手荷物に対する警戒は特に厳しくなっている状況です。そのため、「埋葬許可証」「粉骨証明書」などを持参しておくと、空港の手荷物検査をスムーズに通過できます。

「埋葬許可証」は、故人の火葬や埋葬の許可を示す公的な証明書です。一方「粉骨証明書」は、故人の遺骨が粉骨されたことを証明する書類です。

国によっては入国審査で厳しいチェックを受ける可能性があるため、英訳された証明書や書類があると役立つでしょう。

散骨を海外で行う場合の注意点

海外で散骨を行う際には、以下の点に注意が必要です。

・粉骨する

・親族の同意を得る

・現在のお墓を墓じまいする

・トータルの費用を確認する

・海外の散骨ルールを遵守する

詳しく見ていきましょう。

粉骨する

遺骨を遺骨とわかるような状態でそのまま飛行機に持ち込むことや、海外に撒くことなどは宗教的感情を害する可能性が高いため、粉骨しておくことが望まれます。

日本での散骨同様、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」の定めに従い、遺骨を遺骨と判別できないよう、パウダー状に粉骨することをおすすめします。粉骨しておけば持ち運びにも便利で、海外で散骨するときにも一目見ただけでは遺骨だとわからないでしょう。

ただし、外見上は白い粉を持ち運ぶことになるため、手荷物検査で警戒されます。そのため、その粉が遺骨である証明として「埋葬許可証」や「粉骨証明書」を発行し、必ず携帯しておきましょう。

また、骨壺に入れて持ち込むのであれば、風呂敷や紙袋で覆う必要があります。

親族の同意を得る

親族のなかには昔からの慣習を大切にしていて、海外での散骨や、散骨そのものに反対する方もいるかもしれません。

「墓参りできなくなる」「故人に手を合わせられなくなる」など、不満が出る可能性もあります。

そのような親族間のトラブルが起こらないよう、海外で散骨することについて、あらかじめ親族からの同意を得ることが大切です。

現在のお墓を墓じまいする

もしお墓がある状態なら、そのお墓をどうするか決める必要があります。

放置されたお墓は、やがて無縁墓として強制撤去される可能性があります。お墓の後継者がいない場合や、誰も維持管理ができない場合は、墓じまいを検討すべきです。

なかには、散骨だけではなく、墓じまいのサービスを提供している海洋散骨業者も存在します。散骨と墓じまいを同時に検討している場合は、あらかじめ業者に確認してみましょう。

トータルの費用を確認する

海外へ行き散骨する場合、渡航費用、現地での滞在費用や移動費用など、さまざまな費用が発生します。

場合によっては、日本で新たに一般墓を建てたり、永代供養墓に改葬したりするほうが費用を抑えられる可能性もあります。費用負担が大きくなり過ぎないよう、あらかじめトータル費用を入念に計算しておきましょう。

海外の散骨ルールを遵守する

海外での散骨で特に注意すべきことが、渡航先の国の散骨ルールや散骨に関連する法律です。

日本と海外とでは、宗教観や葬送文化などが異なります。散骨で訪れる国のルールや法律を遵守し、トラブルに巻き込まれないように注意しましょう。

散骨に関する海外のルール

散骨に関するルールやマナーは、国や地域によってさまざまです。そのため、海外での散骨を希望する場合は、訪れる国や地域の法律・規制などをよく調べる必要があります。

今回は、以下の国における散骨ルールを紹介します。

・中国

・アメリカ

・フランス

・インドネシア

・オーストラリア

それぞれ詳しく見ていきましょう。

>>日本における散骨の許可については、こちらの記事で詳しく解説しています

中国の散骨ルール

中国では、2018年に殯葬管理条例の改正案が発表され、散骨に対する補助金を支給し、国民の負担をゼロにする方針を打ち出しました。たとえば上海や台湾などでは、自治体からの補助金が支給されます。

中国都市部では墓地不足が慢性化しているため、散骨が推奨される傾向にあります。

アメリカの散骨ルール

アメリカにおける散骨は州ごとにルールが異なります。しかし、ほとんどの地域において、散骨を制限する法令は定められていません。

たとえば、日本人が散骨で訪れることの多いハワイ州では、特に規制がなく、個人所有の土地でも所有者の許可さえあれば散骨できます。

さらに、ハワイ州で海洋散骨を行う場合、海岸から3マイル以上沖合でなければならないと州の法律で定められているものの、特別な許可は必要ありません。

フランスの散骨ルール

フランスでは、都市部の有名河川やセーヌ川での散骨が禁止されています。

また、海洋散骨を行う場合は、次のルールが定められています。

・基本的には、海岸から300m以上離れて散骨する

・水溶性の容器に入れて散骨する場合は、海岸から6km以上離れて散骨する

インドネシアの散骨ルール

インドネシアのバリ島では、火葬後に海洋散骨することが一般的です

また、インドネシアの国営航空会社「ガルーダ・インドネシア航空」では、遺骨を真空パックし、手荷物の制限重量範囲内であれば機内持ち込みも問題ありません。遺骨の移動に寛容な国といえるでしょう。

オーストラリアの散骨ルール

オーストラリアは先住民との共存を重視していることから、散骨に関する国の規定はありません。一部の自治体では散骨用のエリアが整備されているため、散骨しやすい環境が整っています。

また、人気観光地である「グレートバリアリーフ」では、現地に散骨代行業者が存在し、クルーザーやボートで沖へ向かい、離島周辺の美しい海に囲まれた場所で散骨を行います。

散骨を海外で行うなら「海洋散骨業者」への依頼が安心

国や地域によって多様な法律や規制があるため、海外での散骨を希望する場合は「海洋散骨業者に依頼する」のがおすすめです。海洋散骨業者は、散骨の経験や知識が豊富で、散骨するエリアの法律や慣習を熟知しています。

また、海洋散骨業者からは、散骨に関するアドバイスだけでなく、渡航手段や宿泊先、観光などに関する手厚いサポートも受けられます。そのため、遺された家族は安心して散骨を施行できるでしょう。

ただし、悪徳業者には注意が必要です。海洋散骨業者に依頼するときは、複数の業者から見積もりをもらい、評判や散骨実績などを十分に比較検討したうえで依頼先を決めましょう。

>>海洋散骨業者選びのポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています

まとめ

本記事では、海外で散骨を行う際の手続きや注意点・ルールについて解説してきました。

海外での散骨は可能ですが、国や地域によって、法律やルール、宗教観などが異なるため、トラブルにならないよう事前に情報収集することが大切です。

ただし、言語や文化の壁があることから、個人で行うには負担が大きいでしょう。安心して故人を葬送・供養するためにも、日本国内の海洋散骨業者に依頼し、海外の海域で散骨することをおすすめします。

ブルーオーシャンセレモニーは、16年で4千件以上の海洋散骨実績を持つ、多くのお客様との信頼を積み重ねてきた海洋散骨業者です。

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>>海洋散骨プランおよび海洋散骨実施エリアはこちら

 

【参考】

散骨に関するガイドライン|厚生労働省

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