海洋散骨に適した服装とは?喪服を避けるべき理由やマナーを解説

海洋散骨に適した服装とは?喪服を避けるべき理由やマナーを解説

2023/10/13

海洋散骨は、故人の遺骨を海に還す供養方法です。近年、宗教や宗派を問わず、自由な供養方法として人気を集めています。

しかし、一般的な葬儀に比べて新しい方法であるため、「どの服装が正しいのか?」「この服装で参加するのは失礼ではないか?」など、海洋散骨に適した服装やマナーについて気になる方も多いのではないでしょうか

本記事では、海洋散骨に適した服装や、喪服を避けるべき理由、服装以外に守るべきマナーについて解説します。具体的な服装選びのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

海洋散骨に適した服装は「平服」

海洋散骨では、「平服」や「普段着」の着用が適しています。

一般的な葬儀と同じように、喪服を着用するのは避けましょう。

家族や親族、友人などが海洋散骨に初めて参加する場合、何も知らずに喪服で参加する可能性もあります。当日のトラブルを防ぐためにも、服装やマナーについて事前に伝えておきましょう。

海洋散骨で喪服を避けるべき理由

故人を弔うために着用する服装といえば喪服ですが、なぜ海洋散骨では着用を避けるべきなのでしょうか。

ここからは、海洋散骨で「平服」や「普段着」が望ましいとされる理由について見ていきましょう。

周囲へ配慮するため

海洋散骨では、散骨専用の港から出航するとは限らず、一般客も利用する港や船着場、公共のマリーナや桟橋などから出航するケースも少なくありません。きれいな海であれば、観光客が遊びに来ていることもあるでしょう。

そのような場所で喪服の人々がいた場合、不安な印象を与えたり、宗教的感情を害したりする可能性があります。散骨が原因で周囲に迷惑をかけることを、故人も望まないでしょう。

「一般客や他人から見ても不自然にならないように」という周囲への配慮から、平服や普段着が推奨されています。

宗教や宗派に縛られない自由な葬儀であるため

海洋散骨を希望する家族や故人の多くは、宗教や宗派に縛られず、明るく自由な思想のもとで供養したいと考えています。

一方、葬儀やお墓へ納骨するときに着用する黒い喪服は、「葬儀や法事などの宗教的シンボル」とする見方もあります。また、人によっては、堅苦しさや厳粛な雰囲気を抱いてしまうかもしれません。

海洋散骨では、従来の形式にとらわれず自由な葬儀を行えるよう、印象が定着した喪服やフォーマルな服装ではなく、「平服」や「普段着」の着用がふさわしいと考えられています。

船上での安全を優先するため

海洋散骨には、船舶上から行う方法と、セスナ機やヘリコプターで沖合いまで飛び、空から撒く方法があります。

船舶上から海洋散骨を行う場合、船上での安全を第一に優先するため、普段から着慣れた「平服」や「普段着」の着用が望まれます。

喪服のように身動きの取りにくい服装は、船の乗り降りや船内における移動、船の揺れなど、思わぬ事故やトラブルの原因につながりかねません。

海洋散骨で服装を選ぶときのポイント

海洋散骨は、故人を自然に還し、故人の新たな旅立ちを祝うセレモニーです。そのため、喪服ではなく、自然と調和する「平服」や「普段着」が望まれます。

海洋散骨で服装を選ぶときの具体的なポイントは、次のとおりです。

・天候や気温を考慮した服装にする
・濡れても問題のない服装にする
・動きやすい履き物を履く

ひとつずつ見ていきましょう。

天候や気温を考慮した服装にする

海洋散骨は海洋上で散骨するため、陸地よりも風が強く直射日光が強い傾向にあります。陸地よりも温度変化が激しいことから、寒暖差に注意が必要です。

天候や季節、散骨する海域によっても異なりますが、ジャケットや羽織るものも用意しておくと、温度調節がしやすくなります。

濡れても問題のない服装にする

海洋散骨では、船上やマリーナ移動中などに、水しぶきや海水で服が濡れる可能性があります。

革製品は劣化やシミにつながる恐れがあるため、濡れても問題のない服装を選ぶようにしましょう。

動きやすい履物を履く

海洋散骨では、航海中の船が揺れたり、足場が濡れていて滑りやすくなっていたりします。

靴底がツルツルとした素材では、滑りやすく転倒や怪我につながる恐れがあるため、注意が必要です。

海洋散骨の場合、グリップ力のある靴や船上での移動に適した履物、歩きやすく滑りにくい靴を履くことが望まれます。なお、安全上の理由から、サンダルやハイヒールは避けましょう。

適した服装を海洋散骨業者へ確認する方法も

海洋散骨の服装は、周囲への配慮から喪服を避けることが一般的です。ただし、服装が自由であることから、初めて参加する方のなかには適した服装をイメージできない方もいることでしょう。

具体的な服装をイメージできない場合や、希望する服装が安全上問題ないのか気になる場合は、海洋散骨業者にあらかじめ相談するのがおすすめです。

経験豊富な海洋散骨業者であれば、季節や散骨する海域の特徴などを踏まえたうえで、服装に関する適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

海洋散骨には服装以外にも注意すべきマナーがある

海洋散骨には、服装のほかにも、散骨場所や散骨方法など遵守すべきルールやマナーがあります。

ここからは、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」や、日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」を参考に、海洋散骨で守るべきルールやマナーを紹介します。

粉骨する

遺骨をそのまま遺棄することは、遺骨遺棄罪(刑法第190条)で禁止されています。

そのため海洋散骨では、遺骨を1mm〜2mm程度のパウダー状に細かく粉砕(粉骨)し、遺骨が遺骨であると判別できないようにする必要があります。

粉骨せずに散骨した場合、たとえ遺族や親族に葬送目的があったとしても、その様子を見た近隣住民は遺骨遺棄と判断してしまうかもしれません。

また、細かくすることで遺骨が外洋に流れやすく、自然に還りやすくなるというメリットもあります。

法の遵守や、周辺環境・近隣住民への配慮を欠かさないよう、適切な方法で粉骨を行いましょう。

なお、粉骨は個人で実施することも可能ですが、故人の遺骨を砕くことは精神的・肉体的に負担となるため、海洋散骨業者に依頼することをおすすめします。

火気を持ち込まない

海洋散骨にかかわらず、多くの船舶・クルーザーでは、ロウソクや線香なども含めて手荷物としての火気の持ち込みが禁止されています。

火気の持ち込みが厳禁とされる主な理由は、以下のとおりです。

・ロウソクや線香から出た化学物質や灰などが海に落ち、環境汚染につながるため
・クルーズ中に船上の物品や荷物に燃え移り、火災の危険性があるため

持ち込みたい物品や備品などがある場合は、火気に該当するかどうかを、あらかじめ海洋散骨業者に確認しましょう。

副葬品は自然に還るものを選ぶ

遺骨に含まれる成分の多くはリン酸カルシウムであり、海洋汚染の原因にはなりません。海洋散骨で注意すべきは、副葬品(遺品)です。

以下の物品は、副葬品から除外する必要があります。

・金属
・ガラス
・ビニール
・プラスチック
・その他の人工物

最近では、海洋環境への配慮から、100%水に溶ける献花「エコフラワー」の利用や、定期的な護岸清掃活動といった取り組みに意欲的な海洋散骨業者も増えています。

「故人が大切にしていたアクセサリーを手向けたい」という気持ちは理解できますが、環境汚染や農水産物への影響を考慮し、副葬品は自然に還るものを選びましょう。

⇛ブルーオーシャンセレモニーのSDGsに関する取り組みについてはこちらの記事で詳しく解説しています

散骨場所や周囲へ配慮する

海洋散骨は、遺族や親族にとっては故人を見送る大切なセレモニーですが、散骨の様子を見た一部の近隣住民が不快に思う可能性もゼロではありません。

また、観光やレジャー、農水産物が盛んな地域では、ブランドイメージが損なわれることを懸念する観光業者や漁業関係者も存在するでしょう。

近隣住民や観光業者などとのトラブルを避けるためにも、周囲へ配慮した海洋散骨を心がける必要があります。

配慮すべきポイントは、主に以下の点です。

・時間帯:人の往来が多い朝夕の通勤・通学の時間帯、ランチタイムは避ける
・散骨場所:人が立ち入れる陸地から1海里以上離れた海洋上のみで散骨する(避けるべきエリア:河川、滝、干潟、河口付近、ダム、湖や沼地、海岸・浜辺・防波堤、漁場・養殖場・航路、それらの近辺)

⇛散骨を避けるべきエリアについてはこちらの記事で詳しく解説しています

親族・遺族から許可を得る

親族・遺族のなかには、「手元に置いて供養したい」「先祖代々のお墓で一緒に眠らせてあげたい」と考える方もいるかもしれません。

一度散骨をすると、遺骨は手元に残りません。そのため、親族・遺族の許可を得ずに独断で散骨を行うと、「故人に手を合わせられなくて困る」「ご先祖様に失礼だ」と反感を買う可能性があります。

海洋散骨では、遺骨をすべて海に撒く必要はありません。一部を手元に残したり、お墓に納めたりすることも可能です。親族間の争いや不和といった事態を防ぐためにも、事前に親族・遺族の間で十分に話し合い、了承を得ておくことが大切です。

トラブルのない海洋散骨はプロの業者に依頼するのがおすすめ

ここまで解説してきたように、海洋散骨には、服装をはじめとする遵守すべきルールやマナーが多く存在します。

個人でも海洋散骨を行えますが、それらを守れなかった場合、トラブルや法律違反になる恐れがあります。また、船の手配や散骨場所の選定といった事前準備は、自力でやるには相当の労力を要するでしょう。

手続きや準備の負担を軽減し、安全かつ安心でトラブルのない海洋散骨を行うためにも、プロの海洋散骨業者に依頼するのがおすすめです。

まとめ

本記事では、海洋散骨に適した服装や喪服を避けるべき理由、服装以外に守るべきマナーについて解説しました。

海洋散骨は公共の場で行われるため、喪服は避け、「平服」や「普段着」を着用します。服装は、動きやすく、濡れても問題のない服が望まれます。服装に不安がある場合は、海洋散骨業者に相談しましょう。

また、海洋散骨には服装以外にも守るべきルールやマナーがあるため、安全かつ安心に散骨を行うためにも、プロの海洋散骨業者に依頼することをおすすめします。

ブルーオーシャンセレモニーは、全国各地で数多くの海洋散骨を施行してきた海洋散骨業者です。16年で4千件以上の散骨実績があり、これまでも多くのお客様との信頼を積み重ねてきました。経験豊富なスタッフが、一人ひとりのお客様を丁寧にサポートします。

海洋散骨業者をお探しの方は、ぜひ一度ブルーオーシャンセレモニーにお問い合わせください。

 

【参考】

散骨に関するガイドライン|厚生労働省

日本海洋散骨協会ガイドライン|日本海洋散骨協会

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