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2023/11/21
海洋葬とは?費用相場や流れ、メリット・デメリットを解説

海洋葬とは、故人の遺骨を海に散骨して供養する方法です。
最近では環境に配慮した供養方法として注目されており、「費用を抑えられる」「お墓の管理が不要」といったメリットがあります。
本記事では、海洋葬の概要や費用相場、メリット・デメリットなどについて解説します。海洋葬を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
海洋葬とは
海洋葬とは、「祭祀の目的で、遺骨を海に散骨し故人を供養する方法」です。自然葬の一種で、海洋散骨とも呼ばれます。
海洋葬は、「死後は自然に還りたい」「大好きだった海で眠りたい」といった故人の遺志を尊重したい方や、事情があってお墓を持てない状況の方に適した供養方法です。
近年では有名人や芸能人が海洋葬を選ぶことも増え、より多くの人に認知されるようになりました。
海洋葬の主な方法には、「船舶上で行う方法」「ヘリコプターやセスナ機で沖合いまで飛び、空から撒く方法」があります。
⇛海洋葬を選んだ有名人・芸能人についてはこちらの記事で詳しく解説しています
海洋葬のメリット
海洋葬には、主に以下の4つのメリットがあります。
・費用を抑えられる
・お墓の後継者が必要ない
・次世代へ負担をかけない
・環境負荷が少ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
費用を抑えられる
株式会社鎌倉新書が実施した「お墓の消費者全国実態調査(2023年)」によると、お墓の平均購入価格は、一般墓が152.4万円、樹木葬が66.9万円、納骨堂が77.6万円です。
一方、海洋葬の費用相場は5万円〜40万円です。海洋葬はお墓を持たない供養方法であるため、墓石の購入費やお墓のメンテナンスにかかる継続的な費用が発生しません。つまり、将来にわたって経済的負担を軽減でき、費用を抑えられる供養方法といえるでしょう。
お墓の後継者が必要ない
従来、お墓は先祖代々受け継がれるものでした。しかし、近年では少子高齢化や核家族化により後継者がいなくなり、お墓を守ることが難しくなっています。
また、お墓を守る後継者がおらず、お墓の管理料の滞納が続くと、無縁墓として強制撤去される可能性もゼロではありません。
一方、海洋葬はお墓を必要としない供養方法であるため、後継者がいなくても故人を供養できます。
次世代へ負担をかけない
ご先祖様たちから受け継いできたお墓を持つ方や、お墓を建てるべきか悩んでいる方が気にするのは、「お墓を残せば、子や孫などの次世代に負担をかけるのではないか」という点です。
お墓は、故人やご先祖様に失礼のないよう、定期的な維持管理・手入れが必要です。遠方に住んでいる場合、お墓の手入れをするための移動費用も相当な出費となるでしょう。
海洋葬はお墓を持たない供養方法であるため、子や孫などの次世代に経済的・肉体的な負担をかけずに済みます。
環境負荷が少ない
お墓や納骨堂などの場合、野山を切り開いて墓地を建てたり、造成工事を行なったりしてお墓や墓地を整備します。
一方、海洋葬ではそのような作業は発生しません。そのため、他の供養方法に比べて地球環境への負荷が少ない方法といえます。
なかには「海に遺骨を撒くと環境に影響はないのか?」と気になる方もいることでしょう。一例としてブルーオーシャンセレモニーでは、故人が安らかに眠り、生物の生きる海を守る活動として「遺骨に含まれる有害物質の無害化」「環境に配慮したエコフラワーの開発」などを実施し、地球環境へ配慮した活動に取り組んでいます。
⇛ブルーオーシャンセレモニーのSDGsに関する取り組みについてはこちらの記事で詳しく解説しています
海洋葬のデメリット
海洋葬には、次のようなデメリットがあります。
・天候に左右される
・手元に遺骨が残らない
・遺族や親族とトラブルになる
ひとつずつ見ていきましょう。
天候に左右される
海洋葬には、天候に左右されやすいというデメリットがあります。
海洋葬を船舶上で行う場合、海に遺骨を撒くため、天候が悪い場合は参加者の安全を第一に考えて延期することが一般的です。
延期になった場合は当日参加できない方のために、オンライン中継やアルバム作成といったサービスを用意している海洋散骨業者も存在します。延期となった場合の取扱いは、事前に海洋散骨業者に確認しておきましょう。
手元に遺骨が残らない
海洋葬で遺骨をすべて海に撒いてしまうと、遺骨は手元に残りません。そのため、すべての遺骨がなくなることを淋しく感じたり、抵抗感を抱いたりする方もいるでしょう。
そのような場合は海洋葬と同時に、遺骨の一部を手元に残す「手元供養」を検討することをおすすめします。
手元供養では、アクセサリーやミニ骨壺といった形で遺骨を手元に残せるため、故人をいつでも身近に感じられます。
遺族や親族とトラブルになる
お墓参りは、遺族や親族にとって故人またはご先祖様たちとのつながりを実感できる大切な時間です。
そのため、お墓を持たない供養方法である海洋葬は、遺族や親族から反対され、トラブルになる可能性があります。
トラブルを回避するためにも、事前にしっかりと話し合い、双方納得のうえで進める必要があります。故人への想いやお墓への考えは人それぞれ異なるため、自分と違う意見に対しても耳を傾け、丁寧に話し合うことが大切です。
海洋葬の費用相場
海洋葬には、大きく次の3つの方法が存在します。
・チャーター散骨
・合同散骨
・代行散骨
どの方法を選ぶかによってかかる費用も異なりますが、一般的な海洋葬の費用相場は5万円〜40万円です。
それぞれの特徴や費用相場を詳しく見ていきましょう。
チャーター散骨
チャーター散骨は、遺族や親族など近親者のみで船舶・クルーザーをチャーターして行う散骨です。チャーター散骨の費用相場は20万円〜40万円です。
「家族だけでゆっくりと故人を見送りたい」「近親者のみで故人との別れの時間を作りたい」という方におすすめの散骨方法といえます。
合同散骨
合同散骨は、複数の家族と合同で船舶・クルーザーをチャーターして行う散骨です。合同散骨の費用相場は10万円〜20万円です。
乗船可能人数に定員があるものの、チャーター散骨に比べて費用を抑えられるというメリットがあります。
代行散骨
代行散骨は、さまざまな事情で乗船できない遺族や親族に代わり、業者が行う散骨です。代行散骨の費用相場は5万円〜10万円です。
「故人の遺志を叶えたいけど、体調や年齢的に自分で散骨できない」「故人を自然に還したいが、どうしても都合がつかない」という方におすすめの散骨方法といえます。
自分たちで故人を見送ることはできませんが、「チャーター散骨」や「合同散骨」に比べて費用を抑えられる点が特徴です。
海洋葬を行う流れ【5ステップ】
海洋葬を初めて申し込む方は、海洋葬の流れが気になるのではないでしょうか。
海洋葬の一般的な流れは以下のとおりです。
・ステップ1:海洋散骨業者の選定
・ステップ2:問い合わせ・相談
・ステップ3:契約(遺骨を預ける)
・ステップ4:粉骨
・ステップ5:施行日の決定
ここでは海洋葬の施行日が決定されるまでの流れについて、各ステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:海洋散骨業者の選定
まずは、散骨を希望する海域やプラン、費用などを比較して、海洋葬をサポートしてくれる海洋散骨業者を選定します。
より幅広いニーズに応えられるのは、広い海域に対応し、その海域に精通した海洋散骨業者です。また、業界団体である日本海洋散骨協会の加盟事業者や、「海洋散骨アドバイザー」の資格保有者がいる業者であれば、最適なアドバイスやプランの提案など、より手厚いサポートが期待できます。
「費用が安いから」という理由で、安易に業者を決めてはいけません。「散骨可能な海域に対応している」「散骨実績が豊富で情報開示も適切」といった点をチェックし、複数の業者を比較したうえで決定しましょう。
ステップ2:問い合わせ・相談
海洋散骨業者を決めたら、電話やWebフォームから問い合わせます。
海洋葬は、故人を見送る大切なセレモニーです。気持ちよく葬送するためにも、「この会社に任せたい」という気持ちになれる海洋散骨業者を選びたいものです。
問い合わせのタイミングで、対応の誠実さや丁寧さ、担当者の雰囲気などをチェックし、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。
ステップ3:契約(遺骨を預ける)
海洋散骨業者から提案されたプランや内容に納得できたら、契約に移ります。契約時は、申込書類を提出し、遺骨を預ける必要があります。遺骨を納めていた骨壺は、海洋散骨業者が引き取り、適切な方法で廃棄されることが一般的です。
さまざまな事情で都合がつかない方や、遠方で遺骨を持ち込めない方は「訪問引取」や「郵送」を通じて遺骨を預けられる可能性があるため、海洋散骨業者に相談しましょう。
ステップ4:粉骨
預けた遺骨は、海洋散骨業者が専用の機械でパウダー状に粉砕(粉骨)します。
遺骨は最終的に海に散布されるため、粉骨の際、農水産物や水質に影響を与えないよう、環境汚染対策用の薬剤を噴霧し、水溶性の袋に納められることが一般的です。
個人での粉骨も不可能ではありませんが、大切な故人の遺骨を砕くことに抵抗がある人も多いため、基本的には海洋散骨業者へ依頼するとよいでしょう。
ステップ5:施行日の決定
天候や散骨プランなどから、海洋葬の施行日が決定されます。
海洋葬は、天候や海上の状況、その他特別な事情によって、施行延期を余儀なくされることがあります。
天候自体は誰にもコントロールできないため、延期はやむを得ません。ただし、「延期したまま業者が倒産した」「順延が続いているため、天候不良にもかかわらず無理やり施行した」といったケースもあるため、ご注意ください。
施行日を海洋散骨業者と決める際は、天候不良時の対応や延期した場合の対応について、前もって確認しておくと安心です。
海洋葬の当日の流れ【4ステップ】
ここからは、海洋葬の施行当日の流れを4つのステップで解説していきます。
海洋葬の当日の流れは、以下のとおりです。
・ステップ1:指定場所に集合
・ステップ2:出航
・ステップ3:散骨
・ステップ4:帰港
ひとつずつ確認していきましょう。
ステップ1:指定場所に集合
海洋葬当日は、公共の桟橋やマリーナなどの指定場所に集合します。定刻どおりに出航するため、集合時間に遅れないようご注意ください。
参列者全員が指定場所に集合したら、船上での注意事項やセレモニーの流れなどが説明されます。不明点や疑問などがある場合は、その場で確認しましょう。
なお、近隣住民への配慮から、服装は喪服ではなく普段着が望ましいとされています。また、船上で転倒しないよう、ヒールの高い靴や滑りやすい靴は避け、動きやすい服装で参列しましょう。
⇛海洋葬に適した服装についてはこちらの記事で詳しく解説しています
ステップ2:出航
乗船する遺族が集まり、海上の安全が確認できたら出航します。
船酔いが心配な方は、前日に十分な睡眠をとり、乗船30分前を目安に酔い止め薬を服用しておくとよいでしょう。
ステップ3:散骨
散骨ポイントに到着したら、故人との思い出を振り返りつつ、船上から散骨します。献花や献酒、号鐘や黙祷などを行い、故人をお見送りします。
このとき、海に手向けるものは、海洋散骨業者に許可されたものだけにしましょう。自然に還らない人工物や貴金属、プラスチックやビニールなどは、海に撒くことが禁止されています。
ステップ4:帰港
無事に散骨を終えたら、港に帰り、解散します。散骨当日の出航から帰港までの所要時間は、約2時間です。
海洋散骨業者によっては、後日、年忌法要に散骨海域を巡るメモリアルクルーズの実施、散骨証明書の発行、記念アルバムの贈呈なども行なっています。
「月命日ごとに手を合わせたい」「散骨した証明を残したい」という方は、業者選びの際にサービス内容を確認しておきましょう。
海洋葬で注意すべきマナーやルール
故人の遺骨を粉砕(粉骨)し海に撒くこと自体は違法ではないため、個人で海洋葬を行うことも可能です。
ただし、マナーやルールを遵守しなければ、近隣住民や観光業・漁業関係者とのトラブルを引き起こしたり、法令違反になったりするリスクがあるため注意しましょう。
注意すべきマナーやルールは、以下のとおりです。
・粉骨:遺骨を判別できないように遺骨を1~2mm程度に粉砕する
・火気を持ち込まない:船舶・クルーザーの安全確保のため、火気を持ち込まない
・副葬品は自然に還るものを選ぶ:金属や人工物などは海洋汚染につながるため、避ける
・周囲に配慮する:服装や時間帯、散骨場所に配慮し、近隣住民の宗教的感情を害さない
・親族や遺族の許可を得る:事前に親族や遺族と十分話し合い、了承を得る
そのほかのマナーやルールは、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」や、日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」で確認できます。海洋葬の理解を深めるためにも、一度目を通しておくことをおすすめします。
海洋葬は信頼と実績の豊富な散骨業者に依頼がおすすめ
世間のニーズの高まりから、海洋葬や海洋散骨を行う散骨業者が増えていますが、業者選びには注意が必要です。
例えば、人の運送をする散骨事業を行う場合は、国土交通省に対し「航不定期航路事業」の申請を行い、許可を得る必要があります。
また、なかには悪徳業者も存在するため、適切な散骨業者かどうか見極めることが大切です。
故人の新たな旅立ちを快く見送るためにも、豊富な海洋葬の施行実績を持ち、適切に情報開示をしている業者に依頼することをおすすめします。
⇛海洋散骨業者を選ぶうえでのポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています
まとめ
本記事では、海洋葬の費用相場や流れ、メリット・デメリットについて解説してきました。
海洋葬は「故人の遺志を尊重したい」「大好きだった海で安らかに眠らせてあげたい」という方におすすめの供養方法です。
海洋葬を依頼する場合は、信頼と実績の豊富な散骨業者を選ぶことが大切です。悪徳業者に依頼してしまうと、「遺骨が適切に散骨されない」「追加料金を請求される」といったトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ブルーオーシャンセレモニーは、日本海洋散骨協会の加盟事業者でもある海洋散骨会社です。16年で4千件以上の海洋散骨の施行実績を持ち、多くのお客様と信頼を積み重ねてきました。
信頼と実績を兼ね備えた海洋散骨業者をお探しの場合は、ぜひ一度ブルーオーシャンセレモニーにお問い合わせください。
【参考】
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