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2025/03/05
先祖供養とは?行う意義や種類、5つの方法について解説

先祖供養という言葉は耳にしたことがあっても、その具体的な意味や内容を十分に理解している人は少ないかもしれません。私達の命のバトンを繋いできた先祖に適切な供養を行うためには、正しい知識を持っておくことが大切です。
この記事では、先祖供養の基本的な意味、行う意義、種類、具体的な方法について解説します。ぜひ、先祖供養を行う際の参考にしてください。
先祖供養とは?行う意義
先祖供養とは、先祖への敬意と感謝の気持ちを表現する伝統的な行為です。具体的には、お墓や仏壇にお供え物を捧げたり、線香を立てたり、法要を執り行うことが含まれます。
仏教における供養は本来、仏様にお供えをして尊敬の念を表すものです。一方で、先祖供養の習慣や考え方は仏教そのものではなく、日本に根付く祖霊信仰に由来していると考えられています。
祖霊信仰とは、「祖先の霊が生きている子孫に影響を与える」という考え方です。この祖霊信仰と仏教の教えが結びつき、先祖供養の形が生まれました。
先祖供養を行う意義は、以下の3つです。
・先祖に感謝できる
・徳を積むことで自身が救われる
・安らかな気持ちになれる
それぞれの意義について、詳しく見ていきましょう。
先祖に感謝できる
先祖供養を行うことで、私達は先祖に感謝の気持ちを持てます。もし先祖がいなかったら、私達はこの世に存在していません。「先祖が命を繋いできてくれたからこそ自分が生まれたのだ」ということが理解できると、自然と先祖に対する感謝の気持ちが生まれてくるでしょう。
また、先祖に対する感謝の気持ちを持つことで、自分自身の命を大切にしながら、他者への敬意と感謝の気持ちを抱く心が育まれます。
徳を積むことで自身が救われる
先祖供養には、徳を積むことで自身が救われるという意義があります。「徳を積む」とは、他人のために善行を重ねることです。仏教では、徳を積むことで物事が良い方向へ進み、結果として自分自身も救われると考えられています。
先祖に敬意を払い、感謝の気持ちを伝えることも、徳を積む行為の一つです。そのため、先祖供養は巡りめぐって自分自身の心の平穏や幸福をもたらしてくれます。
安らかな気持ちになれる
先祖とは、面識のない遠い存在だけを指すのではありません。かつては身近にいた両親や祖父母も、亡くなったあとは先祖の一員となります。
例えば両親を思い浮かべると、彼らが命を授けてくれたことの尊さが自然と理解できるのではないでしょうか。もちろん、両親の命に連なる祖父母も同様です。このように先祖の存在を意識することで、温かな気持ちが生まれてきます。
また、故人との楽しかった思い出や生前の人柄を偲んで先祖供養を行うと、自然と安らかな気持ちになれるでしょう。
先祖供養の種類
先祖供養には、以下の3つの種類があります。
・利供養(りくよう)
・追善供養(ついぜんくよう)
・行供養(ぎょうくよう)
それぞれについて解説します。
利供養(りくよう)
利供養とは、仏様や先祖に敬意と感謝の気持ちを込めて、仏壇やお墓に供物をお供えすることです。供物の基本は五供(ごく)と呼ばれるもので、水、飲食(おんじき)、灯明、供花、香が含まれます。
・水:喉が渇いている先祖に清らかな水をお供えする意味や、お墓を清める意味が込められている
・飲食(おんじき):日々の食事に感謝し、季節の果物やお菓子、ご飯などをお供えする。故人が生前好んでいたものを供えてもよい
・灯明:ロウソクの光には、仏様の智慧と慈悲、邪気を払う力、あの世とこの世をつなぐ道を照らす意味がある
・供花:仏様から慈悲の心を分けていただく、先祖に感謝を伝える、故人の魂の拠り所とするなどの意味が込められている
・香(線香):故人の食べ物として捧げるほか、心身や場を清める役割がある
それぞれの供物の意味を理解した上でお供えすることで、より心の込もった先祖供養ができるでしょう。
追善供養(ついぜんくよう)
追善供養とは、故人の成仏を願って行う供養の形です。具体的には以下のような行為が含まれます。
・仏壇に合掌
・お墓参り
・法要の実施
・卒塔婆の建立
法要には、大きく分けて忌日法要と年忌法要があります。
・忌日法要:初七日法要、四十九日法要など、亡くなった日から一定の期間ごとに行う法要
・年忌法要:一周忌、三回忌、七回忌など、故人の命日を基準に行う法要
ただし浄土真宗では、亡くなった人はすぐに極楽浄土へ往生するとされているため、追善供養という概念はありません。
そのため、浄土真宗において行われる初七日法要や四十九日法要は、故人の成仏を願うものではなく、阿弥陀如来への感謝を表すための儀式とされています。
行供養(ぎょうくよう)
行供養とは、仏教の教えに基づき、他人や社会のために良い行いを重ねながら修行することです。つまり、仏道修行を実践することを指します。
修行というと、僧侶になるための厳しい修行を思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。毎日の暮らしの中で善行を積み重ねることや、仏様・先祖を供養することも、行供養の一つの形です。
身をもって行供養を実践することで、仏教の教えをより深く理解し、実践できるとされ、最も大切な供養の一つとされています。
先祖供養を行う方法
先祖供養を行う方法は、以下の5つです。
・仏壇に手を合わせる
・手元供養を行う
・お墓参りに行く
・法要を執り行う
・卒塔婆を立てる
それぞれについて解説します。
仏壇に手を合わせる
自宅に仏壇がある場合、線香や供花を供え、手を合わせることが先祖供養になります。
仏壇には、本尊と共に先祖の位牌や遺影が安置されています。たとえ短い時間でも、できるだけ毎日、仏壇に向かって手を合わせましょう。供花が用意できなければ線香や水だけでもよいので、心を込めて供養することが大切です。
引っ越しなどの理由で仏壇を置くスペースがない場合は、ミニ仏壇を活用するのも一つの方法です。リビングやタンスの上など、ちょっとしたスペースに設置できるため、住宅環境に合わせて選べます。
手元供養を行う
自宅に仏壇がない場合や、より身近に故人を感じたい場合には、手元供養がおすすめです。手元供養には、次のような方法があります。
・ミニ骨壺:遺骨を小さな壺に納め、自宅で安置する
・アクセサリー型供養:ペンダントやブレスレットに遺骨を収納し、常に身につける。合成ダイヤモンドに加工し、ジュエリーとして残すことも可能
・インテリア供養:花器やぬいぐるみ、人形、写真立てなどの内部に遺骨を納め、日常のインテリアとして飾る
・エターナルプレート:遺骨をセラミックスプレートに加工し、遺骨を感じさせない形で供養する
また、散骨する場合でも、すべてを撒かずに一部を残し、手元供養を行う人もいます。遺骨が自宅などにあるため、故人や先祖を身近に感じながら供養できる方法です。
常に故人と共にいることで寂しさを和らげることができるのも、手元供養の大きな魅力といえるでしょう。
お墓参りに行く
お墓参りは、先祖供養の基本的な方法の一つです。故人の命日やお盆、お彼岸などの節目に、先祖の遺骨が納められているお墓へ足を運びましょう。線香や供花を手向け、静かに手を合わせることで、故人との大切な繋がりを感じられます。
また、結婚や出産、入学、入社などの人生の節目においても、お墓参りはおすすめです。
お墓参りの際は、お墓周りの草むしりや清掃を行いましょう。墓石を水拭きしたりスポンジで磨いたりすることも、大切な先祖供養になります。
法要を執り行う
法要を執り行い、僧侶に読経してもらうことも先祖供養の一環です。法要には、初七日法要、四十九日法要、百箇日法要などの忌日法要や、一周忌法要、三回忌法要、七回忌法要、三十三回忌法要などの年忌法要があります。
複数の先祖の回忌が重なる年には、まとめて供養することも可能です。法要を執り行う際は、早めにお寺に相談して日程を決めましょう。日程が決まったら、最低でも1か月前までに親族へ連絡しておくのが理想です。
卒塔婆を立てる
お墓に卒塔婆(そとうば)を立てることも、先祖供養の一つです。卒塔婆は細長い木の板で、サンスクリット語の「ストゥーパ(仏塔)」が語源となっています。もともと、お釈迦さまの遺骨を納めた仏塔を意味していました。
遺族が卒塔婆を立てることは追善供養にあたり、先祖の功徳を増やす意味があるとされています。
卒塔婆は法要やお盆、お彼岸などのタイミングで用意されることが一般的です。ただし、浄土真宗においては追善供養という考え方がないため、卒塔婆を立てる習慣はありません。宗派による違いを理解し、自分の家庭や先祖の信仰に沿った供養を行うことが大切です。
先祖供養におけるお経の意味
先祖供養では、法要などにおいてお経が唱えられます。これは、読経によって得られた功徳を故人や先祖に捧げ、成仏を願う「回向(えこう)」という考え方に基づくものです。
葬儀や忌日法要、年忌法要では、それぞれの儀式にふさわしいお経が唱えられます。どのお経を読むかは、僧侶が儀式の内容に応じて選ぶため、心配いりません。
また、日常的に仏壇に向かって手を合わせる際に、自分でお経を唱えることも先祖供養になります。自分の宗派に合ったお経を覚えておくと、より深い供養ができるでしょう。
まとめ
先祖供養の方法には、以下のようなものがあります。
・仏壇に手を合わせる
・手元供養を行う
・お墓参りに行く
・法要を執り行う
・卒塔婆を立てる
心から感謝の念を込めて先祖供養を行い、命を繋いでくれた先祖への敬意を表しましょう。とくに散骨をされた場合は、手元供養を取り入れることで、より身近に故人を感じながら供養することが可能です。
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