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2024/06/08
自然葬とは?種類や費用、メリット・デメリットを徹底解説

自然葬は、近年注目を集めている新しい埋葬方法です。伝統的なお墓にとらわれず、自然と調和しながら故人を供養する手段として、多くの人々に選ばれています。
本記事では、自然葬の概要や種類、費用、メリットとデメリットについて解説します。
自然葬について正しい理解を深め、大切な人を供養する際の選択肢を広げる一助となれば幸いです。
自然葬とは?従来のお墓とは異なる供養方法
自然葬は、遺骨をお墓に入れるのではなく、山や海などの自然に還す埋葬方法です。
自然葬は「自然との一体化」を重視した形式で、墓石を用いず、遺骨を粉末化して散布し、樹木を墓標として使用します。
日本では従来、お墓に遺骨を納めることが一般的でした。しかし、核家族化や高齢化の進展により、近年ではお墓の維持や管理が困難になってきています。
そうした現状もあり、注目を集めているのが自然葬です。「お墓の消費者全国実態調査(2024年)」においても、跡継ぎのいらない供養方法を選ぶ人が増え、自然葬の需要が増加していることが示されています。
自然葬は法律的・宗教的に問題ないのか?
遺骨を自然に還す自然葬は、正しい方法にもとづいて実施すれば違法行為とはなりません。ただし、遺骨の埋葬場所には注意が必要です。
自然葬は、公認の墓地でのみ許可されており、一部の自治体では実施を禁止または規制を設けているケースが存在します。
例えば、自然葬の一種である海洋葬に規制を設けている自治体として、静岡県の熱海市や伊東市などが挙げられます。
自然葬をご検討中の方は、希望するエリアや地域で自然葬が禁止されていないか事前に確認しましょう。
自然葬が注目されている理由
自然葬が注目される主な理由は以下の4点です。
・価値観の多様化
・自然環境への配慮
・経済的負担の軽減
・核家族化や少子高齢化の進行
価値観が多様化した結果、「家のお墓は子孫が守る」という従来の考えに縛られない方も増えてきました。
このような状況のなか、お墓を持たずに自然回帰する自然葬は、現代のニーズに適した供養方法といえるでしょう。
自然葬の種類
自然葬には主に、墓石ではなく樹木や草花を墓標とする「樹木葬」と、遺骨を自然に散布する「散骨」の2種類があります。
樹木葬
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする葬送方法で、自然との調和を目指しています。一般的には「自然葬」と呼ばれますが、手続きや扱いは伝統的なお墓と変わりません。
ただし、「墓地、埋葬等に関する法律」の規定により、墓地として公認された場所でのみ実施可能です。
樹木葬では、人工物を墓標に置かず、遺骨も時間の経過とともに自然に還るため、最終的には何も残りません。そのため、お墓の掃除や供花、線香なども不要です。墓地の管理には、契約者が支払った環境管理費が使用されます。
樹木葬は宗教や宗派に関係なく行われるため、宗教的なしきたりに拘らない方に選ばれやすい傾向があります。
海洋葬
海洋葬は、遺骨を海にまく葬送方法です。「海洋散骨」とも呼ばれています。海洋葬が選ばれる理由は主に2点あります。
1点目は、生命の源と考えられている海へ葬送することで、「故人が母なる海へ還る」というイメージがあるからです。死後、自然の循環の一部になりたいと望む人にとって、海は魅力的な場所です。
2点目の理由としては、陸地と比べて散骨を行いやすい点が挙げられます。散骨に関する法律は具体的に規定されておらず、「葬送の目的で個人が適切に行う限りは問題ない」との見解があります。
ただし、海洋散骨はどこでもできるわけではありません。漁業地域や海水浴場周辺などは避けるべきで、沿岸から少し沖に出るなど、周辺住民に配慮する必要があります。
自然葬のメリット
自然葬は、環境に配慮したい方、個性的な埋葬方法を重視する方、家族や友人とのつながりを大切にしたい方にとって魅力的な選択肢です。自然との調和を大切にし、穏やかな最期を迎えたいと望む方にとっては、ぜひ検討をおすすめしたい方法です。
ここからは、自然葬の主なメリットを5つ紹介します。
墓石を購入するより安価である
自然葬では伝統的なお墓を建てる必要がないため、墓石や墓地の購入費用を節約できます。また、お墓の維持管理が不要なため、維持管理費も節約可能です。
これにより、費用を抑えながら故人を供養できます。
お墓の維持管理が不要になる
自然葬では、お墓の維持管理が必要ありません。伝統的なお墓のように清掃や管理に時間と費用を費やす必要がなく、手間をかけずに故人を供養できます。
故人の遺志を尊重できる
自然葬は、故人の遺志を尊重しやすい方法です。故人が自然と一体になりたいと望んでいた場合や、宗教的な観念に縛られたくないと願っていた場合に、最適な選択肢となります。
宗教・宗派を問わない
自然葬は、さまざまな信念や背景を持つ人々に開かれた供養方法です。特定の宗教の考えやルールにとらわれないため、自分の信念や故人の遺志に基づく供養が実現できます。
自然環境に優しい
自然葬では、遺骨を土に還すか、海や山など自然に撒くことが一般的です。この方法は、土壌や海洋生態系への負荷が少なく、環境保護にもつながります。
自然葬のデメリット
さまざまなメリットがある自然葬ですが、実施するにあたってはデメリットも考慮する必要があります。
自然葬のデメリットは以下のとおりです。
家族や遺族から理解を得られないことがある
伝統的なお墓に埋葬することが一般的な家族や遺族からは、自然葬の理念や方法への理解を得るのが難しい場合があります。
特に、伝統的なお墓に埋葬することに強い情緒的な結びつきがある場合、自然葬への抵抗感が生じる可能性があります。
お墓参りできない場合がある
自然葬では、伝統的なお墓のように特定の場所に遺骨が納められるわけではないため、故人を供養する場所が具体的に定まりません。
そのため、故人を訪れる場所がないことが、家族や遺族にとって心理的な負担となることがあります。
遺骨が手元に残らない
自然葬では遺骨を海や山などの自然に還すため、手元に遺骨が残らないことがあります。故人の遺骨を手元に置いて供養できない場合、一部の遺族が不安や心の寂しさを感じてしまう可能性があります。
自然葬の費用
自然葬にかかる費用は埋葬方法によって異なります。ここでは、代表的な自然葬である樹木葬と海洋葬の費用相場を見ていきましょう。
樹木葬の費用相場
樹木葬の費用相場は、20万円~80万円です。
1本の樹木の周囲に複数の遺骨を埋葬する「合祀タイプ」は価格が安く、個別スペースありだと10万円~60万円、個別スペースなしだと10万円~20万円です。
海洋葬の費用相場
海洋葬の費用相場は、5万円〜40万円です。
海洋葬はお墓を持たない供養方法です。墓石の購入費やお墓のメンテナンスが発生しないため、費用を抑えられる供養方法といえます。
自然葬の手順
ここからは、自然葬の流れについて説明します。樹木葬と散骨は基本的に同じ手順ですが、樹木葬では特別な書類が必要です。
ステップ1:自然葬の種類や形式を決める
事前相談や現地見学を通じて、どの形式の自然葬が適しているか検討します。
この過程で家族や身近な人々と意見を共有しておくと、のちのトラブルを未然に防げます。
ステップ2:自然葬の業者を選ぶ
形式が決まったら、その形式に対応してくれる業者を探します。
散骨だけでなく、葬儀から火葬までワンストップで任せられる業者であれば、手続きがスムーズです。契約前にはプラン内容や費用について確認し、疑問を解消しておくことが推奨されます。
ステップ3:葬儀や火葬を行う
葬儀後、遺体は火葬され、遺族または業者が遺骨を受け取ります。海洋葬では特別な公的書類は必要ありませんが、樹木葬の場合は「埋葬許可証」が必要です。
埋葬許可証は、火葬場で忘れず受け取りましょう。なお、すでに墓地に埋葬された遺骨を取り出して散骨する場合は、その墓地を管轄する市区町村の窓口で「改葬許可証」を取得する必要があります。
ステップ4:遺骨を粉骨する
遺骨を粉骨する作業は自分で行うことも可能ですが、時間と労力がかかるため、専門の業者に依頼することをおすすめします。
どの形式を選んでも、散骨の日までに遺骨を粉末化しておく必要があります。
ステップ5:自然葬を行う
樹木葬の場合は、遺骨と「埋葬許可証」を持参して埋葬場所に向かいます。散骨の場合は、遺骨を持参して指定された集合場所に向かいましょう。
散骨業者によっては、散骨後に「散骨証明書」が発行されます。この証明書には散骨が行われた場所が記載されています。参拝や供養の際に場所を確認するための重要な書類であるため、大切に保管しましょう。
自然葬をするときは専門業者に相談するのがおすすめ
自然葬は従来のお墓とは異なり、さまざまな手続きや方法が必要です。そのため、専門の知識や経験を持つ業者に相談することが推奨されます。
専門業者の利用には以下のようなメリットがあります。
・必要な手続きや手配の代行
・自然葬に関する情報やオプションの提供
・遺族の希望に合わせた最適なプランの提案
・費用やスケジュールに関する明確な説明
・不安な点や疑問点に対する丁寧な相談対応
自然葬は故人様とご家族にとって、かけがえのない時間となるものです。専門業者に相談することで、負担を軽減し、納得のいく形で自然葬の準備を進められます。
まとめ
本記事では、自然葬の概要や種類、費用、メリットとデメリットについて解説しました。
経済的な負担や環境への影響を抑えながら、故人と自然が一体化する供養方法が「自然葬」です。
従来のお墓に代わる供養方法として近年人気が高まっている自然葬は、故人が愛した海や山へ遺骨を還すことで、故人と自然のつながりを永遠に保ちます。
墓地購入や管理にかかる費用を削減できることも、自然葬の大きな魅力です。また、すでに墓地を持っている方でも、自然葬を選択することで新たな供養の形が可能になります。
ブルーオーシャンセレモニーは、2007年の創業以来、累計5,000件以上の自然葬をサポートしてきた実績豊富な業者です。お客様の個々の願いに応じて最適なプランをご提案いたします。
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【参考】
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