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遺族様インタビュー

お客様よりいただいたインタビューのご紹介です。

2023/01/19 M.S様

中継で見る散骨の様子は、まるでその場にいるような安心感 ~お墓をとじて両親を送る~

お墓じまいの手続き・工事から海洋散骨まで、一連の流れを弊社でお手伝いさせていただいた白羽様。石材業を営んでいたお父様が、先に旅立たれたお母様の為に建てた立派なお墓をお持ちでした。そんなお父様が亡くなり、娘さん二人で今後のことを考えた末、お墓じまいを決断されました。先にお墓で眠っていたお母様と、亡くなって一年に満たないお父様。二十年以上ぶりにお揃いになったご両親を海へ送り出す様子を画面越しにご覧になり、込み上げてきた感情とは。遠方のお姉様に代わって今回すべてを取り仕切られた次女様へ、お墓をしまうことへの葛藤や海洋散骨に決めた経緯などをインタビューさせていただきました。

 

【1.娘二人を気遣って、お墓を「処分していい」と言ってくれていた父】

長谷川)改めまして本日は宜しくお願いいたします。昨年、2022年5月に初めて弊社にお問い合わせをいただきましたが、その時はお父様の散骨を考えていらしたのですよね。

 

白羽様)そうですね。母は、お墓にいましたので墓じまいをするには色々時間が掛かってしまうだろうと思っていたので。

 

長谷川)海洋散骨に決めたきっかけは、娘二人に迷惑をかけないようにとお父様が気遣っていらしたのですよね。

 

白羽様)最初は家の近くのお寺にお墓がありました。石材業をやっていた父は、お寺と関わらなくても自分で出来る(新たにお墓を建てる)ということもあり、父が生きているうちに離檀をしました。やっぱり繋がりがあることで色々大変なことがあるので、自分が死んでからでは私達娘に迷惑を掛けるからと。離檀した後に最近まであった所に、新たに父がお墓を建てました。

お父様が立派に建てられたお墓

 

長谷川)一度お引越しをされていたのですね。ということは、お父様自身もそこのお墓に入る予定でいらしたのですか?

白羽様)自分もお墓には入ると思っていたのでしょうけれども、結局管理をする人がどんどん居なくなるから『後々はお墓自体を処分していいから』って言っていたんですよね。

長谷川)お父様がお墓に入った後のことは任せるよと言われていたのですね。では、海洋散骨にしようと思った大きな決め手はどこにあったのでしょうか。

 

白羽様)海洋散骨よりどちらかと言えば樹木葬の方がよくチラシで見たりしていました。あとは、義理の両親が「樹木葬がいいな〜」なんて言っていたので、樹木葬はすぐに頭に浮かびました。なんで海洋散骨って出たかというと、そう言えばテレビでやっていたな〜と。

 

長谷川)テレビで知ったのですね。

 

白羽様)『散骨』ってネットで調べると『海洋』って出てきたので、「そうか、海洋散骨もあるな」と。実際には父が亡くなり、さあこれからどうしようと考えたときに、樹木葬にしようかどうか悩みました。

 

長谷川)お母様が眠っていらっしゃるお墓に納骨するという選択肢はその時はなかったのでしょうか?

 

白羽様)いずれは墓じまいをするつもりでした。それであれば、出来れば父を納骨する前に墓じまいをして散骨ができた方がいいのかなと思いました。一度納骨をして、またいずれ出すというのは大変になるだろうと思いました。

 

長谷川)時間も労力を掛かりますしね。

 

白羽様)あと、納骨してしまったらもうそのままでいいか。ってなっちゃうと思うんですよね。

 

長谷川)確かに、納骨をしたらそのまま落ち着いてしまうことも考えられますね。いずれ墓じまいをするのであれば、今がそのタイミングだと思ってこの度の決断に至ったのですね。

 

白羽様)結局、お墓を残しても守っていくのが地元栃木県にいる姉になってしまうんですよね。私は東京で離れていますし。今回の散骨は私がパタパタパタっと決めた感じで姉に「海洋散骨があるよ、こっちにしない?」って提案しました。

 

長谷川)お墓参りやお掃除は主に、地元にいらっしゃるお姉様がやっていたのでしょうか?

 

白羽様)そうです。季節の折々でご挨拶に行ったり、お墓の周りの草を処理したりとか。やっぱり大変だなっていうのは遠くから思っていたので。

 

長谷川)お墓じまいについて、白羽様は直接現地には行かずに我々のお墓じまい専門スタッフが書類手続きから閉眼供養、そして解体工事まで全てお任せいただきましたが、担当の対応はいかがでしたでしょうか?

 

白羽様)そうですね、お見積もりをいただいて詳細の質問をしたことには的確に回答いただきました。なので、解体の実施までは大丈夫でしたね。ただ、9月のお彼岸を過ぎても実施したら連絡がなかったんです。しっかりされている担当の方なので、多分実施したら写真等は送ってくれるだろうなと思っていたのがなかったので。まだなのかなと思いつつ、10月も結構過ぎてしまったのでお問い合わせしたところ「実施しました」と。そしたら写真も送ってきていただきました。

解体工事が終了し更地になった墓地跡

 

長谷川)そうですよね、無事に終えたのかどうかご不安になってしまいますよね。ご不安にさせてしまい申し訳ございません。終了後、一先ず終了報告の連絡が直ぐにあると、安心しますよね。

白羽様)でも、これくらいでしたかね。私も帰省した際にはやっぱり一度は見に行こうと思っています。

 

【2.ライブ中継で見届けた両親の新たな旅立ち】

長谷川)この度はご両親揃って代行散骨という形で海洋散骨を実施いたしました。その中でも『オンライン散骨』という中継を繋いで画面越しでリアルに海洋散骨をご覧になられましたが、オンライン中継はいかがでしたか?

 

白羽様)散骨自体をリアルタイムで見られるっていうのは、やっぱり良かったと思いますね。お願いしたままで終わりだと「もう海に行ったのかな?」って思うだけになるので。けれども、リアルで見られると「今、海に還っていったんだな」とか一緒にその場にいるあの雰囲気を味わえただけでも非常に良かったかと思います。本音を言えばやっぱり乗船はしたかったのですが、夫婦共に船酔いをしてしまうので。 船酔いをしたらやっぱり大変だし、じゃあ、せめてその港まではお見送りに行こうかなって当初は考えていました。実際予定していた日は天候が悪く延期になってしまったので、お見送りには行けなかったのですが、ライブ中継で見ることが出来て良かったなと思います。夫も仕事の合間で見ることができましたし。

お客様に代わり心を込めて散骨をさせていただいています

 

長谷川)一か所に集まらなくとも、各々の場所からオンラインで繋がってリアルタイムで見られるというのは、白羽様のご状況からしたら最適な参加方法だったのですね。

 

白羽様)そうですね。

 

長谷川)オンライン中継中、画面の見づらさや声が届かない等、初めて経験されていかがでしたか?

 

白羽様)システム的なものは普段仕事や会議で使い慣れていたので私は問題なかったですね。ですがそこを言うと、姉は全くやったことがないので、事前に私と練習をしました。なので問題なかったのかなと。けれども、もし姉一人だった場合には操作等が難しいかもしれないですね。

 

長谷川)そうですよね、慣れていないと難しいですよね。

 

白羽様)なので、そういう方には事前に繋がるかを確認してから当日を迎えた方がいいと思います。

 

長谷川)画面が見づらい等はなかったですか?

 

白羽様)はい。画面も問題なく声もしっかり聞こえました。

 

長谷川)良かったです。声もしっかり故人様に届けることが出来るのでそこもオンライン中継の魅力ですね。

 

【3.周囲の理解を得るのに一苦労。散骨は「遺骨を捨てる」イメージがあるという言葉を受けて】

長谷川)オンライン散骨に関して、他の親族の方には伝えましたか?参加してみたいと仰る方はいましたか?

 

白羽様)お墓にお参りをしてくれそうな身近な方には言ったんです。むしろ言っておかないと、と思って。でも私と同じ年代の人でも、やっぱりそういうの(※海洋散骨)は考えられない、なんとなく「遺骨を捨てる」イメージがあるとハッキリ言われてしまって。それも私達が散骨をする前に言われたので、私としてもやっぱりモヤモヤしてしまって。

 

長谷川)せっかく海洋散骨で決めたのに、本当に海洋散骨でいいのかと迷ってしまいますね。

 

白羽様)親が直接『海洋散骨で』と書き記してくれればまだ別ですけど。父に『子供は女の子だけだからお墓をしめていいよ』ということを生前に言われていたと伝えてもやっぱり、お参りをする場所があった方がいいっていう意見が多かったかな。
やっぱり親戚から完全な理解を得るのは難しいのかな。ただ、その中でも父の甥っ子は「良かったんじゃない?」って言ってくれました。甥は田舎で長男として墓守をずっとしているので。

 

長谷川)お墓を守る大変さを知っているからこその言葉ですね。

 

白羽様)理解はありました。ただ、実際に自分がやる立場になったら周りのしがらみもあるので、難しさは結構あると思います。今回の場合は、姉と私の二人で判断をしてもいいという環境でしたので早く進みました。私の母の兄弟はもう全員亡くなっているので、お参りをする方はいないし、姪っ子甥っ子はみんな遠くに行って地元に居ないのでやりやすさはありましたね。ただ、周りの意見にやっぱり左右されるでしょうね。

 

長谷川)散骨が終了した後は皆様に報告はされましたか。

 

白羽様)散骨を実施したよという報告はしなかったです。少し生々しいので。興味がある方には正しく案内したいなっていうのはありますが。

 

【4.中継に「参加」することで得られた安心感と、家族みんなで送り出せた一体感】

長谷川)お客様の中には代行散骨でいいのかなと悩む方は結構いらっしゃいます。様々なご事情で乗船出来ない方に対して、白羽様のご経験から何かアドバイスをいただけると嬉しいです。

 

白羽様)今回、姉の言葉がよくそれを表していると思います。
まず、姉は当初からお見送りをすることも考えていなくて、私が姉に「船には乗れないけど桟橋までお見送りには行くよ」って言ったら驚いていました。そうなると姉は、じゃあ私も行った方がいいのかな?って思ってしまったようで。遠くで離れていて手をかけられない分、思いは強く、何かしなきゃいけないっていう使命感にとらわれるようで。それがオンライン中継に変わったことによって、自分も散骨に対して参加ができるということで心が少し軽くなったと思います。オンライン中継の様子を見て改めて、「すごくちゃんとやってくれるんだね」って。ちゃんとやっているかやっていなかって、私達は分からないじゃないですか。正直、まとめて撒いても分からないよねって姉はやっぱり言ったんです。それが、しっかり時間で区切ってきちんと 一人ひとり海に撒いていただいて「本当にちゃんとやってくれたんだね」って言っていました。廃棄物として処理されているわけではなく、ちゃんと海に還っていったんだなって。海に還っていくところを、画面越しでも自分の目で見ることによって、「これで良かったんだ」って姉は言っていました。それで初めて海洋散骨にしたことへの後悔がなかったんだなって実感したんですね。

 

長谷川)リアルタイムでちゃんと散骨をしている様子を自分の目で見届けることが出来る安心感がとても大きかったのですね。

 

白羽様)特に今回は私に一任してもらい、私が色々決めてしまったので。

 

長谷川)一任しているとはいえ、お姉様自身が対応出来なかった分、白羽様に対して申し訳なさとか、きっと姉としての色々な責任感がおありだったのでしょう。妹に全部任せておいていいのだろうかという。なので、白羽様がお見送りに行くよって言った時に、あ、自分だけ何もしなくていいのかなっていう想いが余計に強くなったのだと思います。

 

白羽様)はい。なので、失敗したと思って。お見送りに行くなんて言わないで黙っていれば良かったなって。結局本来の散骨の日は出航出来なかったので行けなかったですけど。ただそれで姉と同じ立ち位置になれたので、結果良かったです。後、姉が『スタッフの方に清潔感があって心がこもっていたよね。』というのは言っていました。 画面越しだからこそ大切なものだと思いますが、私は直接スタッフの方とお会いをして色々話したりしていたのでイメージは元々あったのですが、姉はスタッフの方と初めて会うのが画面越しだったので、そこは結構重要なのかなと思いました。

 

長谷川)なるほど。お打合せに同席をしていないご親族からすると、どんなスタッフで当日どんな感じになるのか等分からないので少し緊張もしますよね。

 

白羽様)機械的ではなく、しっかりやっていただいている感じが凄く伝わったから良かったって言っていました。

 

長谷川)お姉様の仰る『良かった』という言葉の背景には色々な積み重ねがあって、総合的に良かったと仰っていただけたのは我々としては大変貴重な『良かった』のお声をいただくことができ光栄です。

 

白羽様)スタッフの方の表情や話される言葉の速さも姉には合っていたんだろうなっていうのはありますね。元々ゆったりした姉なので、テキパキ喋られる方だと別の印象もあったのかなと思います。また、画面を通してみんなで一緒に両親を送ったというのがとても強かったです。

 

長谷川)お姉様のテンポに合った対応がよりお姉様には安心した要素でもあったのですね。離れていても画面上ではみんな繋がっているのがオンライン中継のメリットですよね。

 

【5.大事なのは『日々思い出すこと』】

長谷川)今はどのようにご両親をご供養されていますか?

 

白羽様)特に前と今では変わらず、日々心の奥に持っていればいいよねって姉妹の中でもずっと言ってきたことなので。お盆だから実家に行かなきゃとか、お墓参りしなきゃというよりは、日々思い返すことが大事だよねっていうのは父が居る時からなのでお墓があるから、ないからという感覚はあまりないですね。

 

白羽様)なので、生活自体もあまり変化はないです。むしろお墓がある時の方が、草が生えてきたなとか、落ち葉溜まっていないかなとか、そんなことを考えてしまっていました。

 

長谷川)お墓があるのにお参りに行けないことが罪悪感に繋がったり、お姉様に全部任せることも心苦しかったりしたのではないですか?

 

白羽様)そうですね、母は自分の実家のお寺への思いれが強く、本当はそこに入りたいと生前に言っていたんですよね。だけど、結局は自分の思い通りの所には納まっていないっていうのもあったので特に良かったのかなと思いました。やっと自由になれたねって。実家には仏壇があるので、今後帰った時はそちらに手を合わせようと思います。

 

長谷川)白羽様は手元供養という形でお骨を残すという選択はされなかったですがお姉様もそれは望まなかったことでしょうか。

 

白羽様)はい。姉にも聞いたんです。近いところに遺骨を置いておけるんだよって。でも「それは望んでいない」と。そこは私も同じで姉妹意見が揃ったので進めやすかったですね。海洋散骨自体意見が割れやすいと思いますし。なので、意見が合致するというのは、話が進むきっかけでもあったと思います。これから海洋散骨は増えていくと思いますが、やっぱり家族間でも完全に受け入れられているわけではないですし、それぞれの生活様式に合わせたお参り方法を考えると、一つの手段として海洋散骨という形はありだと思います。

 

長谷川)そうですよね。今度は是非、オンラインメモリアルクルーズに参加お待ちしています。そして画面越しでまたお会いできること、楽しみにしております。

長谷川
時代の流れと共に供養の方法・手段も変わってきていますが、白羽様が仰る通り『故人様を想い出すこと』が何よりも一番大切なことであることに変わりはありません。方法は人それぞれであり、正解も不正解もありません。形として残すことで心の負担になるくらいなら、海洋散骨という選択肢もよいのではないでしょうか。心も身体も身軽になった今、一番安心しているのは誰よりも娘様を心配していたお父様かもしれないですね。

長谷川

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