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遺族様インタビュー

お客様よりいただいたインタビューのご紹介です。

2019/10/10 A 様 / S 様 / M 様

ひとりでも大丈夫! 海に還り安らかな永遠の眠りを  ―あなたを大切にお守りします―  死後事務委任契約というお守り

独りぼっちで自分の最期はどうなるのだろうと不安を抱えているのは、あなただけではありません。

家族がいない、身寄りがいないからという理由だけでなく、自分の死後の心配をしている人は、実は予想以上にいらっしゃいます。

たとえ家族がいても不仲で没交渉という人も少なくありません。子どもは海外に住み、いざという時には間に合わないという一人暮らしのご老人もいます。また認知症の高齢の親の世話をしながら、余命宣告を受けて親に先立つ不安に悩む方。子どもがいなくて不安だという方もいれば、子どもを亡くされた

悲しみを背負った方もいます。つれ合いに先立たれた方。結婚したカップルの約1/3が離婚している時代。

誰もがいつか「おひとりさま」になるかもしれず、他人事とは言えません。

人生は苦難がいっぱい。他人からは幸せそうに見えても、人には言えない悩みを抱えて生きています。人は誰もがそれぞれの孤独と向き合って生きているのだと思います。

 

「死後事務委任契約」ってナニ?!

そんなおひとりさまの不安をサポートする「死後事務委任契約」という制度をご存知でしょうか?

死後事務委任契約とは、自身が亡くなった後の手続きや身辺の整理を人にお願いするため、生前に結ぶ契約です。たとえば、葬儀の準備や、親戚や知人への連絡、未払いの料金の清算といった、通常は家族が行うような死後の様々な事務を、相続の専門家など第三者に任せることができます。遺言書でいいと思うかもしれませんが、遺言書に書いて法的な効力があるのは基本的に相続に関することです。葬儀やお墓のこと、それ以外の手続きを詳しく指定しても、ほとんど法的な効力を持たせることはできないのです。

そこで遺言では実現できない希望を実現するのが「死後事務委任契約」です。もし自分の判断能力が衰えることに不安を抱いて「任意後見契約」を結んでいたとしても、後見人は死後の手続は何もできません。任意後見契約は、本人の死亡と同時に契約が終了してしまうからです。死亡後の手続きを頼んでおくには、やはり死後事務委任契約が必要となってきます。

死後事務委任契約は民法で規定されている委任契約の一つで、あらかじめ、依頼者(委任者)の希望通りに死亡後の様々な手続きをしてくれる代理人(受任者)を契約によって決めておくというものです。受任者となる人の資格に特に制限はなく、ご友人などに依頼することも可能です。しかし、通常は親族が行う手続きを第三者が行うという特殊な契約ですので、トラブルなく契約を遂行するためには、社会的信用も高く、法的な問題にも配慮できる弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に依頼されるのをおすすめします。

 

ブル―オーシャンセレモニーにおける散骨生前契約サポート

当社でもご本人と散骨生前契約を結ばせていただいていますが、ご本人の状況やご希望によって、死後事務委任契約のお手伝いとして散骨をさせていただいております。

死後事務委任契約には、主に葬儀にかかわる事項のおひとり様死後事務基本プランから、死後の諸手続きや整理、解約に精算などのサポートをするおひとり様死後事務委任契約まるごとプランまで、お客様のニーズに合わせたお手伝いをさせていただいております。

詳しくはHPの〈散骨の生前予約をお考えの方へ〉をご覧ください。
https://blueoceanceremony.jp/ending/

といっても、死後のことを自分で知ることは出来ないし、どんなふうにお願いできるのか不安ですよね。

体験された方のお話をお伝えしたいところですが、契約を遂行された依頼者の方はすでに旅立たれていらっしゃいます。

そこで当社でもお世話になっており、死後事務委任契約では第一人者である行政書士の吉村信一先生に事例をお伺いしました。

死後事務委任契約には幅広く様々な手続きについて契約することができますが、今回は主に葬儀に関わる契約について、当社の散骨コーディネーター・前川とお話を伺いました。

 

喪主の代行としてのコアな仕事を大切に努めたい
吉村先生「葬儀に関しては、喪主の代行を務めさせていただくといってよいかと思います。まず委任者が死亡・危篤の連絡が入ったら、看取りから遺体搬送の手配をします。葬儀社に連絡をして、死亡届を提出し、火葬場の予約を頼みます」
前 川 「私たちはご遺骨をものではなく「人間」として接することを大事に考えていますので、ご遺骨のお預かりは郵送ではなく、必ず対面でのお預かりをさせていただきます。こういう場合には火葬場までご遺骨のお預かりに伺うようにしております」
吉村先生「委任される方は無宗教の直葬を希望される方が多いですね。お墓は継承者の要らない永代供養の納骨堂や合祀墓、または散骨を希望される方が多いようです。本人は葬式はいらないと言っていても、周りは納得しないことも多いんですよ。お別れをしたかったと言って」
前 川 「火葬の間に私も伺い、先生とご一緒にご遺骨を拾骨させていただきます。それを粉骨して、散骨の日は吉村先生にもお立会いただいています」
吉村先生「死後事務委任契約っていうと、書類での手続き的なことをイメージされると思いますよね。もちろんそうした事務的な手続きもたくさんあるわけですが、とくに葬送の部分に関しては、この仕事のコアな部分として、大切に向き合っていきたいと思っています」
前 川 「私達もご家族の代わりを務める気持ちでご遺骨のお受け取りや散骨をさせていただいています」
吉村先生「でも、海洋散骨はいいですね。最後まで見届けることができて。合祀の永代供養墓などだと、ご遺骨を預けて帰り、埋葬までは立ち会えませんから。海に還っていくのを見届けられるのは気持ちが救われます。あー、自然に還っていったんだなと」
吉村先生が担当された事例で、心にのこった3名の方のお話をお聞きしました。

 

大好きな新島の海に撒いてほしい(50代 男性)
吉村先生「私が死後事務委任契約を取り扱うようになったきっかけとなる、と
ても印象深い、Aさんの事例をお話ししましょう」
Aさんは50代の独身。母子家庭で育ちましたが、母親は既に他界しており、腹違いの兄弟とは全く交流はありませんでした。末期の膵臓がんを患い、余命宣告を受けて相談に来られました。
「血が繋がっているだけで、面識も交流もない兄弟に遺産を渡したくはないし、また面倒をかけるつもりもない。自分の最期についても自分自身で責任を取りたい」と言われました。
契約から半年後、Aさんは帰らぬ人となりました。実際に全ての手続きが完了するまで半年くらいかかりました。最後は釣りが大好きだったAさんの希望で、思い出の地である新島で友人たちに見守られながら散骨を行いました。
吉村先生「散骨の業者さんが手配してくれた地元の釣船を借りて散骨をしました。散骨を終えて港にかえろうかというとき、ウミネコが水面にチョコンと一羽下りてきまして、船の方を見ているんです。まるでご
本人がお見送りに来たみたいで。不思議な感じがしました……。お遺灰が見えなくなるまで、自然に還っていくのをご友人たちと一緒にお見送りさせていただきました」

 

 

留学した思い出のイギリスの土に還る(44歳 女性)
吉村先生「次にお話しするのは、子宮頸がんを患い、44歳で亡くなったSさんです。若い頃留学をしていた思い出のイギリスで散骨を希望されました」
Sさんのご両親もご兄弟もご健在ですが、親との確執に悩み、ずっと絶縁していました。それはSさんの闘病中でも変わることはありませんでした。
Sさんの決意は固く、家族への連絡を拒みました。吉村先生に委任されたことは留学した思い出の土地であるイギリスで、向こうにいる友人とホストファミリーに散骨を頼みたいとのこと。
イギリスでは散骨に関する規定はなく、可能なことがわかりました。英語でメールのやりとりをして、Sさんが亡くなったら遺骨は粉骨して航空便でイギリスに送る手筈も整えました。その後初めての相談の日から3カ月で、Sさんは死去。死後の諸手続きを進め、4か月後の7月にイギリスで散骨をすることになりました。
すると、理学療法士としてSさんの末期のサポートをしていた女性がイギリスに行くので、Sさんの遺灰を持参して、散骨にも立ち会ってくれることになったのです。粉骨された遺灰は白い紙の袋に分けて入れられ、彼女の手荷物としてイギリスまで運ばれました。
美しいイギリスの大自然に囲まれた思い出の土地に、ホストファミリーや友人たちの手で大切に散骨されました。
吉村先生がSさんのご両親とご兄弟に知らせたのは、散骨まですべて滞りなく終わってからのことでした。それがSさんの強い願いでした。
大切なことだから直に会って伝えたいと、吉村先生はまずご両親に手紙でSさんの死去、イギリスでの散骨について伝え、連絡を求めました。そして直接ご両親に会って伝えたいと、散骨に立ち会った理学療法士の女性とともに、イギリスでの写真やスライドを持参してご両親の住む東北の町を訪ねたのです。
いきなり見知らぬ赤の他人から、娘の死と散骨を聞かされたショックもあると思いますが、イギリスでの散骨の写真を見せても娘の死を悼む感情を見せることはなかったそうです。
闘病してやつれた姿を見られたくないとお見舞いも拒んでいたようです。Sさんには、日本に友人はいなかったのでしょうか?
吉村先生「生前に死後に送って欲しいと、友人宛の手紙を何通も預かっていました。『この手紙が届いたということは私が死んだということです……』で始まる手紙でした。手紙で知らせたい相手なのだから、何かしらの関係は築かれていると思いまして。死亡通知を送る際に、Sさんから手紙を預かっているから直接手渡しをしたいと伝えたんです。郵便でなくて、直に手渡しをしたくて」
イギリスで散骨する前に、吉村先生は友人たち十数人に4、5回に分けて会い、Sさんの手紙を直に手渡しました。
吉村先生「受任者には相続人である家族には報告する義務があります。事務的に郵送で済ませても、誰も何も言わないのかもしれない。友人の手紙もSさんに手渡しして欲しいと頼まれたわけではありません。でも会ってもらうのは困るとも言われていませんから。他の事務所ではどういう仕事をされているかは知りませんが、私流に考えて務めさせていただきました」
家族の闇は外からは見えないものです。他人には理解しがたい修復不可能な家族の亀裂に苦しむ人も少なくありません。
Sさんの願いがかなえることができたのも、専門家に死後事務委任契約をお願いしたから。どんなに親しい友人が側にいたとしても、死後のことを頼むのは負担が重すぎます。ときには頼り過ぎることで、友人関係が壊れてしまうこともあるでしょう。責任を持ってくださる専門家の存在があるからこそ、きっ
とイギリスまで遺灰を運んでくれた女性やホストファミリーも協力の手を差し伸べることが出来たと思うのです。
Sさんがイギリスの地で安らかに眠られることをお祈りいたします。

 

黙って去った故人に傷つくパートナー (70歳 男性)
吉村先生「末期がんで契約からひと月たたずに、死去された70歳の男性Mさんです。結婚はしていないが、20数年お付き合いしている女性がいました。そのパートナーにも余命が短いことも何も告げず、死後事務委任契約を私に依頼されました」
Mさんの希望は、葬儀は簡単に直葬で、東京湾での海洋散骨。どちらもその彼女と親友の二人だけで立ち会ってくれればよいというものでした。しかし、彼女には死後事務委任契約の内容を伝えてはいなかったのです。当初は散骨を彼女との思い出の場所であるお台場を希望していましたが、岸が近すぎるために東京湾での散骨になりました。ですからMさんが彼女を大切に思っていたことは間違いないのです。むしろ黙っていたのは、気遣ってのことかもしれません。
しかしその女性はMさんの臨終から行政書士の吉村さんが全てを契約通りに進めていくことに反発を隠せなかったのです。直葬も墓参りができない海洋散骨も初耳とショックを隠せない様子でした。
吉村先生「ご本人からの依頼で契約しても、関係者の立場からするといきなり亡くなった途端に赤の他人が入ってきて、相談なしに進めるわけですから、反感を持たれてしまうことはありますね」
Mさんが望んだ直葬は宗教者の姿もなく、炉前でほんの僅かなお別れをしただけで荼毘にふされてしまうものでした。彼女にとっては思いもかけない別れ方となってしまったのです。なぜ自分に何も相談もしてくれなかったのか、納得がいきません。迷惑をかけたくないというMさんの気持ちが、かえって彼女の心を深く傷つけることになってしまったのです。
前 川 「この方の火葬中に私が遺骨を受け取りに伺ったのですが、私が遺骨をお預かりすることも納得いただけなくて。散骨までご遺骨をご自宅に持って帰ってお別れする時間を持ちたいと言われまして。故人
様との契約を破るわけにもいきませんし……。困りましたね」
吉村先生「友人の方たちともお別れもしていないのに、このまま散骨なんて認められないと言われまして。粉骨する前にブルーオーシャン・カフェでお別れ会をしていただく提案をして、やっと承諾していただけました」
Mさんから訃報を伝えてほしい友人のリストを預かっていたので、その方々に
Mさんの死去とお別れ会の通知を送りました。
お別れ会には20~30人ほどが集まってくれて、Mさんの思い出話などを語りながら偲ぶ時間をもてました。Mさんとの契約ではお別れ会は頼まれていません。でもお別れ会はしないで欲しいとも言われてはいないので、残された方のお気持ちを思い、私の一存でさせていただきました。
吉村先生「たいていご本人は自分が死んでも悲しむ人はいないと思っていらっしゃいますが、悲しまれる方はいっぱいいるんですよね。本人と関係者の気持ちのギャップが大きいことに気づきました。生前にご本人にもっと説得するべきだったと反省しています」

 

 

お別れ会の二日後に、東京湾の合同乗船散骨をされました。
吉村先生「海に散骨された後は、見届けてホッとされたのか、私たちとも写真を撮らせていただけたので。少しはわだかまりも解けたように感じました」
前 川 「散骨まで亡くなられてから二カ月くらいありましたから、気持ちの整理をつける時間を持たれたのかもしれませんね。何となく落ち着かれたようにお見受けしました」
吉村先生「自分の死をセルフプロデュースすることで、『自分の死は自分自身のもの』と考えがちですが、周りの方との気持ちとギャップを感じることがあります。葬式はいらないという方は多いんですが、自分の死を悲しんでくれる人に追い打ちをかけるようなことは望ましくないと思うことがあります」
最期まで寄り添う覚悟でいたのに、自分が知らないところで死後のすべてのことを専門家とはいえ見ず知らずの他人に委ねられていたら、そのショックは大きいでしょう。
誰にも煩わせないで静かに去りたいと願ったお気持ちが大切な方にも届いて、安らかな眠りにつけますように……。

 

 

つながりがある安心感をお守りに
死後事務委任契約をされるのは、余命宣告を受けて旅立つ覚悟を決めた方ばかりではありません。
半分以上が40代、50代の方です。ちょうど体調を崩しがちな年代だと思いますが、入院や手術の際に、病院から身元引受人を求められたことをきっかけに、いざというときに頼れる人を作っておかなければと思い立つ人もいれば、ご自身の親を看取られた経験の大変さから、自分の時の準備をしておこうと思い立つ人もいます。
入院や手術の際に必要な身元引受人を友人に頼む負担はかけたくないと、緊急時の連絡先をきっかけに、ご相談に来られる方もいます。
吉村先生「この契約の目的は孤独死を防いだり、本人が希望する送り方をするということだけではなくて、人間同士の繋がりを作るということだと思っています。しかし、つながりがあるということがとても大事で。不安と不便さを抱えながら生きている障害を一つはずすということだと思うんです。『もし、何かあったら全てやるから安心して暮らしてください』っていうお守りがあることが生きている間にも効果があると思っています」
死後事務委任契約というと、自分の始末は自分でしていく孤独なイメージがありますが、専門家に託すことで周りとのつながりを変えていく力にもなるのかもしれません。
「家族がいるのになぜ他人に?」と言う人もいますが、家族のかたちも様々です。家族を越えた縁で寄り添える人のつながりを大切に思います。
吉村先生「いろんな事情はわかりますが、誰にも知らせないということは、亡くなった事実以上にかえって周りの人を傷つけることにもなるということを知ってもらいたいですね。お別れ会をしてみて感じました」
前 川 「そうですね。こんなふうにブルーオーシャン・カフェをどんどん活用していただき、『人がつながる場』にしていけたらと思います」
吉村先生「この仕事で、とくに葬送に関する部分には方程式みたいのがないんですね。状況は様々ですから。今後、委任される方のニーズに合わせたサポートを考えて、ご希望に応じていければと考えています」
前 川 「是非、これからもよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました」

「死後事務委任契約」というシビアなお話を伺いながら、なぜか心にほっこりとするものがありました。これも「人と人をつなぐ大切な仕事」なのだと思います。
ブルーオーシャン・セレモニーではみなさまにご安心していただけるように、心を込めて散骨生前契約も務めさせていただきます。

【吉村信一先生プロフィール】(写真左側)
吉村行政書士事務所代表 東京都行政書士会所属 広島県広島市出身
著書:『おひとりさまの死後事務委任』『死後事務委任契約の実務』(共に税務経理協会)

前川
私たちは、散骨を大事なご家族とのお別れだと考えています。
決して、お骨を「モノ」として扱うのではなく、「人間」として接することを
大事にしています。
なので、お骨のお預かりも決して郵送ではなく、対面でのお預かりをモットーにしています。
その考えがあるので、代行散骨にしても、事情があって立ち会うことのできない家族の代わりに、
心を込めてお手伝いさせていただいております。

前川

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