散骨をする場合の分骨とは?方法・費用・注意点について解説

散骨をする場合の分骨とは?方法・費用・注意点について解説

2024/12/14

新しい供養の形として、散骨が注目を集めています。散骨を選択する人のなかには、すべての遺骨を散骨する方もいれば、一部を分骨して別の方法で供養する方もいます。散骨における分骨とは、どのようなものなのでしょうか。

この記事では、散骨の際に分骨をする理由、その方法・費用、注意点について詳しく解説します。分骨後の供養方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

散骨の際に分骨をする理由

散骨とは、火葬後の遺骨を2mm以下に砕いて粉末にし、海や山にまく埋葬方法です。従来の日本では、遺骨を骨壺に納め、寺院や霊園にあるお墓に埋葬することが一般的でした。しかし最近では、埋葬方法の多様化に伴い、散骨への関心が高まっています。

散骨は法律で禁止されているわけではありませんが、散骨場所には一定の配慮が必要です。近隣住民の理解や土地所有者の許可、漁業関係者への配慮が求められます。

また、地域によっては条例で散骨が禁止・制限されているケースもあるため、事前の確認が重要です。

遺骨のすべてを散骨せずに分骨を選ぶ理由は、一部を自宅で供養したり、お墓に納骨したりするためです。

分骨をする方法と費用

分骨には主に以下の2つの方法があります。

・火葬場での分骨
・納骨後の分骨

それぞれの方法と費用の目安について、詳しく見ていきましょう。

火葬場での分骨

火葬場での分骨を希望する場合は、事前に葬儀社と火葬場に連絡しておくとスムーズです。通常、葬儀社が火葬場との連絡を取りまとめます。

分骨用の骨壺は葬儀社に依頼して用意するか、自分で選んだものを持参します。複数に分骨する際は、必要な数の骨壺を用意しましょう。

また、分骨後お墓などに納骨する場合は「分骨証明書」が必要です。火葬場で、分骨する骨壺ごとに発行してもらいましょう。

手元供養を行う場合、分骨証明書は必要ありません。ただし、将来的にお墓へ納骨する可能性もあるため、発行しておくことを推奨します。

火葬場での分骨にかかる費用は、骨壺や遺骨を納めるアクセサリー、分骨証明書の発行代など、総額でおよそ5,000円から1万円程度です。

納骨後の分骨

すでにお墓などに納骨されている遺骨を分骨することも可能です。その場合、まずお墓の管理者に分骨の希望を伝え、分骨証明書の発行を依頼しましょう。

お墓の管理者は霊園の種類によって異なり、民間霊園では管理会社、公営霊園では自治体、寺院墓地ではお寺が担います。

管理者から分骨の許可が得られたら、業者に連絡をして日程調整を行い、遺骨の取り出し作業を依頼します。通常、遺骨を取り出す際に閉眼供養を執り行うため、読経をしてもらう僧侶の手配も必要です。

納骨後に分骨する場合の費用は、以下の通りです。

・遺骨を納める骨壷・アクセサリー費用
・分骨証明書の発行費用:遺骨を納める容器代とあわせて5,000円~1万円程度
・墓石の移動費用:2~3万円程度
・閉眼供養のお布施:1~3万円程度

以上を合計すると、総額で3万5,000円~7万円程度が必要です。

分骨する際に注意すべきこと

分骨を行う際には、次の3点に注意しましょう。

・家族や親族からの理解を得る
・本山納骨すると合祀される場合がある
・遺骨を手元に残す際は取り扱いに注意する

それぞれについて解説します。

家族や親族からの理解を得る

分骨をする際には、家族や親族からの理解を得ることが重要です。分骨自体に法的な制約はありませんが、遺骨の取り扱いに関する考え方は人それぞれだからです。

自分の判断だけで分骨を進めてしまうと、後で「勝手に分骨をした」との苦情が出てトラブルに発展する可能性もあります。

分骨の意図や理由について家族や親族に丁寧に説明し、理解を得た上で実施に踏み切りましょう。

本山納骨すると合祀される可能性がある

分骨した遺骨を、各仏教宗派の本山に納骨するケースもあります。本山納骨を選ぶ理由としては、安心して供養を任せられること、宗派が問われない場合も多いこと、比較的費用が抑えられることなどが挙げられます。

ただし、本山納骨では他の人の遺骨と合祀されることが一般的です。合祀された遺骨は返還されることがないため、家族や親族に事前に同意を得ておきましょう

遺骨を手元に残す際は取り扱いに注意する

分骨した遺骨をすぐに納骨する場合は問題ありませんが、手元供養として残す際には保管方法に注意が必要です。

保管場所によってはカビが発生することもあるため、湿度や温度の高い場所での保管は避けましょう。

具体的には、直射日光を避け、温度変化による結露に注意し、乾燥剤入りの密閉可能な骨壷に保管することで、適切な管理が可能となります。

散骨の種類

散骨には主に以下の3つの種類があります。

・海洋散骨
・山林散骨
・宇宙葬

それぞれについて解説します。

海洋散骨

海洋散骨は、遺骨を海にまく散骨方法です。家族や親族、友人で船を貸し切る「チャータープラン」は、費用が高くなるものの、日時や場所を選び、故人とのお別れに時間をかけることができます。プライベートな空間で、故人の好きだった音楽を流したり、思い出の品を持ち込んだりするなど、自由な形式でのお別れが可能です。

合同乗船プランでは、複数の家族が共同で船を利用するため、チャータープランよりも費用を抑えて海洋散骨が行えます。少人数での参加も可能で、あらかじめ決められた日程で出航するため予定が立てやすい点がメリットです。

ただし、日程や散骨場所は固定されている場合が多いので、事前に確認しておきましょう。

また「代行委託散骨プラン」では、散骨代行業者に依頼して遺族の代わりに散骨してもらうことが可能です。費用を抑えたい方や、乗船が難しい方に適しています。出航する桟橋での見送りや、オンラインで散骨の様子が確認できるサービスを提供している業者も存在します。

なお、海洋散骨はどこでも自由に行えるわけではありません。民家や商業施設、漁場や養殖場、海水浴場などの近くでの散骨は避け、一般的には沖合まで出向いて散骨します。

山林散骨

山林散骨は、遺骨を山にまく散骨方法です。ただし海とは異なり、山林には所有者がいるため、好きな場所に自由にまくことは難しいでしょう。通常は、自分の所有地や散骨業者の私有地などで行います。

特定の場所で散骨を希望する場合は、散骨業者に依頼して事前に調べてもらうことも可能です。また、業者によっては山林散骨の代行サービスを提供している場合もあるため、ご自身が現地に行けない場合でも散骨を実施できる可能性があります。

宇宙葬

宇宙葬は、遺骨を上空に打ち上げて散骨する方法です。打ち上げの際は、バルーンやロケットが利用されます。

バルーンを使用する場合、粉末状の遺骨をバルーンに入れ、成層圏まで運びます。成層圏に達したバルーンが破裂することで、遺骨が散骨される仕組みです。

ロケットを使う場合は、専用カプセルに粉末状の遺骨を入れ、宇宙空間に打ち上げます。人工衛星に搭載することもあります。地球の軌道上を周回し、成層圏に突入して燃え尽きるという散骨方法です。

分骨して散骨した後の供養方法

分骨して散骨した後の供養方法には、以下の3つの選択肢があります。

・複数回に分けて散骨する
・手元供養する
・お墓に納骨する

それぞれの方法について解説します。

複数回に分けて散骨する

散骨では、遺骨を一度にすべて散布する必要はありません。分骨した遺骨をいくつかに分け、複数の機会に散骨することも可能です。

例えば葬儀後に1回目の散骨を行い、翌年の一周忌の際に2回目、翌々年の三回忌に3回目を行うケースもあります。このように、供養の形を自由に設定できるのも、散骨の魅力の一つです。

手元供養する

分骨して散骨した後、一部を手元に残して保管する「手元供養」も一般的です

庭に遺骨を埋葬することは法的に禁じられていますが、自宅に遺骨を安置することは問題ありません。手元供養により、故人を身近に感じられると考える方も多く見受けられます。

手元供養の方法としては、コンパクトに安置できるミニ骨壺やミニ仏壇、遺骨をアクセサリーに収納して身に着ける方法、花器やぬいぐるみ、人形・写真立てなどに骨壺を納めてインテリアとして飾る方法があります。

お墓に納骨する

先祖代々のお墓がある場合、分骨して散骨した後に一部をお墓に納骨することも可能です

遺骨をすべて散骨してしまうとお墓参りができなくなり、寂しさを感じる方も少なくありません。そのような場合にも、分骨した遺骨をお墓に納めることがあります。

まとめ

散骨を行う際、遺骨の一部を手元に残して供養したい場合や、お墓に納骨したい場合、分骨を検討する方も珍しくありません。火葬場での分骨、または納骨後の分骨など、状況に応じた選択が可能です。

ブルーオーシャンセレモニーでは、故人様とご家族様の想いに寄り添い、心からご満足いただける散骨プランをご提案いたします。散骨をご検討中の場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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