樹木葬とは?特徴、メリット・デメリット、費用、注意点を解説

樹木葬とは?特徴、メリット・デメリット、費用、注意点を解説

2024/11/06

樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とする埋葬方法です。近年、埋葬方法の多様化にともない、自然葬に憧れる人々から注目を集めています。樹木葬を検討する際は、正しい知識に基づいた判断が必要です。

この記事では、樹木葬の概要や特徴、メリット・デメリット、費用、注意点を解説します。

樹木葬とは?

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標とする埋葬方法のことです。日本で最初の樹木葬は、1999年に岩手県のお寺で行われたと言われています。

すでに植えられている樹木の近くに遺骨を埋葬したり、埋葬時に苗木を植えたりと、その形態はさまざまです。

樹木葬が注目を集めている背景には、以下のような社会的要因があります。

・少子高齢化による墓地継承者の不足
・都市部における墓地用地の不足
・自然回帰志向の高まり

樹木葬の特徴

樹木葬の特徴は以下の3点です。

・樹木をシンボルとしたお墓である
・永代供養であるケースが多い
・宗教、宗旨、宗派を問わないことが多い

それぞれについて解説します。

樹木をシンボルとしたお墓である

一般的なお墓は墓標として墓石を建てますが、樹木葬では墓石の代わりに樹木を植え、それをシンボルとします

植える樹木に特別な決まりはありません。桜、モミジ、ハナミズキ、クスノキなど、花の咲く木や常緑樹が選ばれます。ときには樹木でなく草花が用いられ、ガーデニング風にアレンジされることもあります。

永代供養であるケースが多い

樹木葬の多くは、継承者を必要としない永代供養です。埋葬後は寺院や墓地管理事務所などが、遺族に代わりお墓の管理や供養をしてくれます。

そのため、お墓の後継ぎがいない場合や、子や孫の世代にお墓の管理で負担をかけたくない場合に適した埋葬方法といえます。

宗教、宗旨、宗派を問わないことが多い

一般的な寺院墓地などでは、特定の宗教や宗派が指定されるケースがあります。一方、樹木葬であれば宗教や宗派を問わず、無宗教であっても受け入れてもらえるケースがほとんどです。

ただし、宗教などの指定がないかどうかは、事前に寺院や墓地管理者に確認しておくことをおすすめします。

樹木葬の埋葬方法

樹木葬には、以下の3つの埋葬方法があります。

・合祀(合葬)
・個別埋葬
・家族埋葬

それぞれの方法について詳しく解説します。

合祀(合葬)

合祀(合葬)は、遺骨を骨壺から取り出し、1つの区画に不特定多数の方の遺骨と一緒に埋葬する方法です。シンボルツリーとして樹木が植えられます。

樹木葬の中では最も費用が抑えられる埋葬方法ですが、一度合祀(合葬)すると遺骨を取り出せなくなるため、注意が必要です。

個別埋葬

個別埋葬は、一般的なお墓と同様に、1人ずつ専用の区画に遺骨を埋葬する方法です。それぞれの区画に1本の樹木が植えられ、個別のシンボルとして機能します。

遺骨は骨壺のまま埋葬したり、布袋に移して埋葬したり、直接埋葬したりと、墓地によって埋葬方法はさまざまです。

なお、埋葬から一定期間が経過した後、合祀墓へ改葬されるケースもあります。

家族埋葬

家族や友人と専用の区画・納骨室に骨壺を納めて埋葬する方法です。個別埋葬と同様に、布袋に移して埋葬したり、遺骨を直接埋葬したりする場合があります。

樹木葬を希望し、配偶者や家族、友人と一緒に埋葬されたい場合は家族埋葬を検討してみましょう。

樹木葬のメリット

樹木葬には、主に以下の3つのメリットがあります。

・埋葬費用が抑えられる
・お墓の維持管理が容易である
・継承の必要がない

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

埋葬費用が抑えられる

樹木葬は墓石が不要なため、墓石代や工事費が発生せず、一般のお墓と比べて埋葬費用を抑えることが可能です。

また、多くの樹木葬では墓地の管理費もかかりません。ただし、生前購入の場合には管理費が発生するケースもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

お墓の維持管理が容易である

一般的なお墓の場合、掃除や手入れなどの維持管理が必要です。一方、樹木葬の場合は、寺院や霊園が管理を担当してくれます

特に永代供養タイプの樹木葬であれば、寺院や墓地管理事務所が長期的な維持管理と供養を保証してくれます。

継承の必要がない

一般的なお墓と異なり、樹木葬では墓石を建てないため、一般的に継承の必要がありません。特に永代供養の場合は、継承者がいなくても維持管理と供養を続けてもらえるため安心です。

継承者がいない場合や次世代に負担をかけたくない場合は、樹木葬が一つの選択肢として有望です。

樹木葬のデメリット

樹木葬のデメリットは以下の3点です。

・合祀されると遺骨が取り出せない
・正確な埋葬場所がわからないことがある
・郊外にある場合が多い

樹木葬を検討する場合は、デメリットも考慮したうえで判断するよう心がけましょう。それぞれのデメリットついて、以下に解説します。

合祀されると遺骨が取り出せない

樹木葬の場合、最初から遺骨が合祀(合葬)されるタイプや、一定期間後に合祀(合葬)されるタイプが多く見受けられます。

そのような場合、後から遺骨を取り出して別のお墓に移したり、手元供養したりすることはできません

将来的に遺骨を取り出す可能性がある場合は、注意が必要です。

正確な埋葬場所がわからないことがある

樹木葬の場合、おおよその埋葬場所は把握できても、正確な位置がわからないことがあります。銘板が設置されていても、必ずしもその近くに遺骨が埋葬されているとは限りません

そのため、お参りに来た際に、シンボルツリーに向かって手を合わせるべきか迷う方もいるかもしれません。

また、樹木の前で線香やロウソクを灯すことが禁止されている施設もあります。このように、一般的なお墓参りがしにくい点は、樹木葬のデメリットといえるでしょう。

郊外にある場合が多い

樹木葬は自然環境や広い敷地を必要とするため、都市部ではなく郊外にあるケースが多く見受けられます

そのため、交通アクセスが悪く、お墓参りに時間がかかる可能性があります。

樹木葬を選ぶ場合は、自宅からのアクセスを考慮することが大切です。

樹木葬にかかる費用

樹木葬にかかる主な費用は以下のとおりです。

・使用料
・埋葬料
・彫刻料
・管理費

各項目の詳細と金額の目安については、次に説明します。

使用料

樹木葬における使用料は、遺骨を埋葬する土地や区画の使用費用です。

合祀(合葬)タイプでは数万円〜20万円程度、個別埋葬や家族埋葬タイプでは数十万円〜100万円程度が金額の目安です。

埋葬料

埋葬料は、遺骨を埋葬するための費用です。寺院や霊園によっては、使用料の中に埋葬料が含まれている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。埋葬料の金額の目安は、数万円程度です。

家族埋葬タイプの場合、埋葬するごとに埋葬料が発生することもあります。その場合は全体の費用が高くなる可能性があるため、事前に計算しておきましょう。

彫刻料

彫刻料は、銘板や墓誌に故人の名前を彫刻するための費用です。埋葬料と同様に、彫刻料も使用料に含まれているケースがあるため、確認しておきましょう。金額の目安は数万円程度です。

一部の樹木葬では、銘板や墓誌がなかったり、追加オプションとして提供されていたりします。

管理費

管理費は、墓地や霊園の管理・運営にかかる費用です。使用料に含まれ、管理費が発生しない場合もあります。樹木葬を生前購入する場合にのみ、管理料が発生するケースが一般的です。

管理費は、樹木葬の埋葬方法によって金額の目安が異なります。合祀(合葬)タイプでは無料のケースが多く、個別埋葬や家族埋葬タイプでは数千円〜2万円程度が目安です。

樹木葬の注意点

樹木葬の注意点は以下の3点です。

・家族や親族の同意を得る
・季節や年月とともに景観が変化することを理解しておく
・無理なくアクセスできる場所を選ぶ

それぞれについて解説します。

家族や親族の同意を得る

樹木葬は近年注目を集めていますが、まだ十分に認知されているとは言えません。従来の埋葬方法と異なるため、自分の希望だけで決めてしまうと、家族の理解を得られない可能性があります

将来的にお墓参りをする家族や親族とよく話し合い、理解を得てから樹木葬を選ぶことが大切です。

季節や年月とともに景観が変化することを理解しておく

一般的な墓石は経年劣化が少なく、長い年月が経過しても外観の変化が少ないものです。一方、樹木葬では墓標となる樹木が季節や年月とともに姿を変えていきます

冬には落葉し、寂しい景観になります。また、樹齢を重ねるにつれて花や葉が少なくなり、枯れてしまうかもしれません。

樹木葬を選択する際は、このような景観の変化を理解しておくことが重要です。

無理なくアクセスできる場所を選ぶ

樹木葬は都市部から離れた郊外にあることが多いため、無理なくアクセスできる場所を選ぶことが重要です。

自宅からの距離が遠すぎたり、急斜面に立地していたりすると、お墓参りが困難になる可能性があります

事前に現地を訪れ、アクセスの良さを確認した上で樹木葬の場所を決定しましょう。

まとめ

樹木葬は樹木をシンボルとしたお墓の形態で、近年人気が高まりつつある埋葬方法です。墓地の継承者がいない場合の選択肢ともなっています。

自然に囲まれて穏やかに眠りたい方に好まれていますが、より自然と一体化したい方には散骨がおすすめです。

散骨を希望しつつ、お参りできる墓標も必要な場合は、散骨と樹木葬を組み合わせる方法もあります。

ブルーオーシャンセレモニーでは、故人様とご家族の想いに寄り添い、最適な散骨プランをご提案いたします。散骨をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

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