散骨と粉骨の違いとは?方法や業者選びで注意すべきポイントを解説

散骨と粉骨の違いとは?方法や業者選びで注意すべきポイントを解説

2024/08/26

近年、従来のお墓に代わる供養方法として「散骨」が注目されています。散骨は故人の遺骨を粉骨にして、海や山などの自然に散布する供養方法です。

散骨への注目が高まる一方で、「散骨」と「粉骨」の違いを詳しく知らない人も少なくありません。「散骨」と「粉骨」は言葉こそ似ているものの、その意味は異なります。

本記事では、「散骨」と「粉骨」の違いを説明し、散骨の方法や業者選びのポイントを詳しく解説します。

散骨とは

散骨とは、故人の遺骨を粉骨にして、海や山などの自然に撒く供養方法です。近年注目されている新たな供養方法で、自然葬の一種です。

散骨の方法

散骨には、大きく分けて以下の3種類があります。

・海洋散骨
・山林散骨
・宇宙散骨

それぞれ詳しく見ていきましょう。

海洋散骨

海洋散骨は、海に故人の遺骨を託す、最もポピュラーな散骨方法の一つです。美しい海の上で献花や献杯を行い、故人へ最後の別れを告げます。

山林散骨

緑豊かな山々に故人の遺骨を還す山林散骨は、自然と一体化したい方におすすめの供養方法です。森の静けさの中で、故人をゆっくりと送り出せます。

宇宙散骨

壮大な宇宙に故人の魂を旅立たせる宇宙散骨は、近年注目を集めている新しい散骨方法です。ロケットやヘリコプター、バルーンなどを用いて宇宙空間や空中に散骨し、故人の魂を永遠の旅へと送り出します。

自宅で散骨する方法もある

実は、自宅で散骨する行為自体に法的な問題はありません。ただし、適切な手順を守らないと、トラブルや法的な問題が生じる可能性があります。

自宅での散骨を検討している方は、以下の点に注意しましょう。

粉骨の実施:遺骨をそのまま撒くことは認められていません。必ず粉骨してから撒く必要があります。

粉骨の大きさ:粉骨する際、遺骨は2mm以下の粒度に粉砕する必要があります。

近隣住民への配慮:散骨の場所や時間帯によっては、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。事前に十分な配慮が必要です。

散骨場所:自宅敷地外での散骨は違法です。

宗教的なタブー:一部の宗教では散骨がタブーとされています。故人の宗教的な考えを事前に確認しておきましょう。

これらの点を徹底する必要があるため、スムーズな散骨を希望する場合は、実績豊富な信頼できる散骨業者に依頼することをおすすめします。

粉骨とは

粉骨とは、火葬後の遺骨をパウダー状にすることです。

遺骨を小さくまとめられるため、従来の納骨だけでなく、散骨や手元供養など多様な供養方法が可能になります。近年、埋葬や供養の考え方が多様化していることもあり、粉骨を選択する人も増えています。

ただし、故人の遺骨を粉状にすることに抵抗を感じる方もいるため、事前に家族や親族間でよく話し合い、納得した上で粉骨を行うことが大切です。

粉骨する理由と目的

粉骨は、散骨や手元供養、分骨などさまざまな供養方法に用いられます。

例えば散骨では、遺骨を2mm以下に粉砕する必要があります。これは、遺骨が大きい状態で撒かれた場合、事件性を疑われたり、周囲に精神的な負担を与えたりする可能性があるためです。

また、手元供養や納骨堂では、遺骨をコンパクトにする目的で粉骨します。骨壺は場所を取るため、粉骨によって収納しやすくします。特に納骨堂はスペースが限られているため、遺骨を粉砕し体積を3分の1程度に減少させるのです。

このように、粉骨は供養方法の選択肢を広げ、遺骨を扱いやすくする利点があります。

粉骨の方法

遺骨の粉骨方法は、「自分で行う」「専門業者に依頼する」の2通りが存在します。

粉骨は自分でもできますが、多くの場合、実績豊富で信頼できる専門業者に依頼することが一般的です。

それぞれの粉骨方法について見ていきましょう。

自宅で粉骨する

粉骨は、特別な資格や許可なしに自宅でも行えます。自宅で粉骨する場合、以下の用具が必要です。

・ビニール袋
・ハンマー
・すり鉢
・マスク
・手袋

一般的な手順は以下のとおりです。

1.遺骨をビニールなどの袋に入れ、ハンマーで細かく砕く。

2.すり鉢で粉末状になるまで根気よく擦りつぶす。粉末の吸い込みや皮膚への付着を防ぐために、マスクと手袋の着用が推奨される。

ただし、故人の遺骨を砕くことは心理的・体力的な負担が大きいため、特別な事情がなければ専門業者に依頼することをおすすめします。

業者に依頼して粉骨する

粉骨業者では、さまざまな粉骨方法や利用オプションを提供しています。

【粉骨方法】

・手作業:丁寧で心が込もっていると感じられる一方で、時間と費用がかかります。
・機械:手作業に比べて粉骨後の粒子が均一で細かく、コストも抑えられる点が特徴です。

【利用オプション】

・郵送:自宅から遺骨を送り、粉骨後に返送してもらう方法です。
・立ち会い:粉骨作業を直接確認できるオプションです。

業者を選ぶ際には、これらのポイントを理解したうえで、自分に合ったサービスを提供している業者を選びましょう。

粉骨の流れ

粉骨の流れは以下のとおりです。

・遺骨の状態を確認する
・遺骨を乾燥させる
・遺骨を粉砕する

業者に依頼する場合も個人で行う場合も、基本的な流れに違いはありません。

遺骨の状態を確認する

まず、遺骨の状態を確認します。

状態を確認するために、骨壺を平らな場所に置き、蓋を開けて遺骨を取り出します。ご遺骨を傷つけないように、スプーンなどで丁寧に取り出しましょう。すでに粉状になっている部分もあるため、平たいステンレス容器などに広げます。

この際、粉末が舞い散らないよう、窓を開けて換気を良くしておきましょう。また、マスクとゴム手袋を着用し、皮膚への付着や粉末の吸い込みを防ぎます。

取り出したご遺骨の中に髪の毛や金属片などが混じっている場合は、ピンセットを使い取り除きます。

遺骨を乾燥させる

ご遺骨が水分を含んでいる場合、そのまま粉骨するとつぶれて固まってしまうことがあります。

そのため、粉骨前に遺骨を十分に乾燥させることが大切です。乾燥させることで、パウダー状になりやすく、仕上がりが美しくなります。

乾燥方法には以下の2種類があります。

・自然乾燥:新聞紙などの上に広げ、数日間天日で干します。費用が抑えられる一方で、天候に左右されるため時間がかかります。また、周囲への配慮も必要です。周囲の目につかない風通しの良い場所で乾燥させましょう。

・ドライヤー:ドライヤーの温風で水分を飛ばす方法です。短時間で乾燥できますが、電気代がかかります。また、ご遺骨に近すぎると焦げる恐れがあるため、弱風でゆっくり、適度な距離を保って乾燥させましょう。

遺骨を粉砕する

ご遺骨をパウダー状に粉砕する方法は複数あります。それぞれの特徴と注意点は以下のとおりです。

・乳鉢と乳棒

時間と手間はかかりますが、きめ細やかで美しいパウダー状に仕上げられます。

・すり鉢

一度に多くの量を処理できる反面、溝に遺骨が残りやすいため、ブラシなどでかき出しながら作業する必要があります。

・ハンマー

袋に入れて叩き砕く方法です。手軽に行えますが、一定の力と時間が必要です。

・フードプロセッサー

短時間で粉砕できることから、最近注目されている方法です。飛び散らないよう注意してください。

いずれの方法においても、パウダー状になったご遺骨は水分を含まないよう真空パックなどで密閉し、保管することが推奨されます。

粉骨業者を選ぶときのポイント

粉骨は、大切な故人の遺骨を扱う重要な儀式です。そのため、粉骨業者選びは慎重に行う必要があります。

粉骨業者を選ぶときの主なポイントは次の3点です。

・料金が明確であること
・粉骨の立会いが可能であること
・会社や代表者の情報が公開されていること

粉骨業者によっては、粉骨の立ち会いを受け付けているところもあります。立ち会いを通じて、粉骨作業の流れや遺骨の扱い方を直接確認できます。自分の目で粉骨の様子を確認したい場合は、立ち会いを申し出てみるとよいでしょう。

⇛散骨業者選びのポイントはこちらの記事で詳しく解説しています

散骨や粉骨で困ったらプロの専門業者に相談するのがおすすめ

大切な方との最後のお別れは、誰にとっても心苦しいものです。しかし、故人の想いを尊重し、心の平穏を取り戻すためには、必要なステップを踏み出すことが大切です。

散骨や粉骨は、従来のお墓に代わる新しい供養方法として、多くの方に選ばれています。しかし、初めて散骨や粉骨を検討する場合は、不安や疑問も多いことでしょう。

そのような場合は、プロの専門業者に相談するのがおすすめです。ブルーオーシャンセレモニーは、これまでに5,000件以上の海洋散骨を成功させた実績を持つ海洋散骨業者であり、粉骨サービスも提供しています。

まとめ

散骨と粉骨は、組み合わせることでより柔軟な供養が可能になります。例えば、「一部を散骨し、残りは手元供養に」「海洋散骨と樹木葬の組み合わせ」「粉骨した後に分骨する」といったように、多様な供養方法が実現できます。

散骨や粉骨は、故人だけでなく、ご家族や親族にとっても大切な供養の儀式です。それぞれの想いを共有し、納得のいく方法を選択することが重要です。

ブルーオーシャンセレモニーでは、海洋散骨と粉骨の両方に対応しており、お客様一人ひとりの想いに寄り添った供養プランをご提案いたします。散骨や粉骨についてご検討中の場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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