散骨と墓じまいを賢く組み合わせよう|費用と手間をかけない方法は?
2024/06/09
近年、少子高齢化や価値観の変化により、従来の「お墓」にとらわれない供養方法が注目されています。
特に、散骨と墓じまいの組み合わせは、費用や手間を軽減しながら故人を偲ぶことができるものとして、人気が高まっています。しかし、なかには散骨に抵抗を感じる方もいることでしょう。
そこで本記事では、散骨と墓じまいを賢く組み合わせるメリットと、費用や手間をかけない方法をご紹介します。
これから散骨や墓じまいを検討されている方、従来のお墓に代わる供養方法を探している方はぜひ参考にしてください。
散骨だけじゃない?墓じまい後の遺骨の行き先
墓じまいをした後の遺骨をどうするか、悩む方も多いかもしれません。
従来は別の墓地へ移したり、寺院に永代供養を依頼したりすることが一般的でしたが、近年ではさまざまな選択肢が登場しています。
ここからは、墓じまい後の遺骨の行き先について、メリットやデメリット、費用相場を紹介します。
一般墓
現在のお墓から取り出したご遺骨を、新しく建てたお墓に移す方法です。
【費用相場】
・80万円~250万円(※年間管理費が別途必要)
【メリット】
・お参りができる
・先祖代々を供養できる
・親族から賛同を得やすい
【デメリット】
・費用が高額
・維持管理が必要
・後継者がいないと購入できない
永代供養墓
家族や親族に代わり、霊園や寺院などの墓地管理者がお墓の管理・供養を行う方法です。最初から合祀となる形式や、契約期間が過ぎてから別の方のご遺骨と合祀される形式があります。
【費用相場】
・5万円〜150万円
【メリット】
・費用が比較的安い
・維持管理の負担が少ない
・宗教や宗派に関係なく利用できる
【デメリット】
・お墓を継承できない
・親族の理解を得にくい
・一度合祀されるとご遺骨を取り出せない
樹木葬
墓石の代わりに樹木を用いる方法や、納骨場所の周囲に草花を植え、土の中に埋葬する方法です。お墓参りのときは、目印となるシンボルツリー(樹木)に向かって手を合わせます。
【費用相場】
・20万円〜80万円
【メリット】
・費用が比較的安い
・緑や草花に囲まれて雰囲気が明るい
・永代供養のため、後継者が不要
【デメリット】
・ご遺骨の取り出しが困難
・納骨人数が多いと費用が高くなる
・季節によって彩りや景色が変わる
納骨堂
ご遺骨や骨壷を専用スペースに納骨できる施設のことを、納骨堂と呼びます。
【費用相場】
・10万円〜150万円
【メリット】
・費用が比較的安い
・天候に左右されずお墓参りできる
・掃除や維持管理の負担が少ない
【デメリット】
・お供え物に制限がある
・お墓参りの実感がわきにくい
・預けられるご遺骨の数に限りがある
散骨
ご遺骨を細かく粉骨して、海や山などに散布する方法です。
【費用相場】
・5万円~70万円
【メリット】
・費用が比較的安い
・後継者が不要
・管理の必要がない
・故人の望みを尊重した供養が可能
【デメリット】
・親族から賛同を得られないことがある
特に近年では、「故人と縁のある海に還したい」「故人は自然を愛していた」という想いから、海にご遺骨を散布する海洋散骨を選ぶ家族が増えています。
手元供養
故人のご遺骨や遺灰の全部、または一部を自宅や身近なところに保管し、供養する方法です。
【相場費用】
・数百円〜50万円
【メリット】
・故人を身近に感じられる
・費用を抑えられる
・お墓の維持管理に困らない
・保管場所の自由度が高い
【デメリット】
・親族や遺族から反対される可能性がある
・手元供養後の供養方法を考える必要がある
散骨と墓じまいを組み合わせるメリット
散骨は、お墓を持たない供養方法です。墓じまいと組み合わせることで、お墓の維持管理や後継者不足に関する悩みが解消され、経済的および精神的な負担が軽減されます。
ここからは、墓じまいと散骨を組み合わせることの具体的なメリットを解説します。
経済的な負担を軽減できる
墓じまい後に一般墓や樹木葬へ改葬すると、墓石の購入や遺骨の移送にお金がかかります。また、お墓は定期的に手入れが必要であり、維持費も発生します。お墓が遠方にある場合は、交通費も考慮しないといけません。
一方、散骨はお墓を必要としないため、墓石やお墓の手入れにかかる費用が発生せず、従来のお墓よりも経済的な負担を軽減できます。
心の負担を軽くできる
墓じまい後に新しい一般墓や樹木葬に改葬する場合、将来的にお墓の手入れを誰かが引き継ぐ必要があります。
お墓の後継者としては、子供や孫、親戚などが考えられます。ただし、最近では一人暮らしや遠方に住む人が増え、「家族や親族に負担をかけたくない」「お墓の後継者が見つからない」という事情を抱えたケースも少なくありません。
散骨では、お墓の手入れや後継者の問題を気にする必要がないため、精神的な負担を軽減できます。
家族間のトラブルを防げる
墓じまいでは、家族内で費用や改葬先の場所について意見が分かれることがあります。また、将来的に「誰がお墓を管理するか」という問題も起こり得ます。
これらの問題の背景にあるのは、一般墓や樹木葬、納骨堂への改葬に伴う高額な費用や、生活様式の変化による後継者不足などです。
散骨では改葬に伴う費用が大幅に削減できるため、金銭的な問題によるトラブルのリスクが低くなります。また、お墓の管理や後継者の必要がないため、家族間の争いも生じません。
もちろん、家族や親族との十分な話し合いと理解が必要ですが、遺恨を残すようなトラブルを避けることが可能です。
散骨と墓じまいの具体的な手順
散骨と墓じまいを行う際は、丁寧な準備が必要です。
故人やご先祖様たちを悔いなく供養するためにも、あらかじめ流れを把握しておきましょう。
ステップ1:家族や親族との話し合い
お墓や故人の供養方法に関する考え方は人それぞれですが、「お墓は代々受け継ぐべきだ」と考える人もいます。
墓じまいや散骨は、家族や親族にとって重要な決定です。全員が納得するよう、前もって意見を共有し、じっくり話し合うことが大切です。
トラブルを避けるためにも、墓じまいや散骨を考える理由や将来の計画を詳しく説明し、家族や親族の理解と同意を得ることが重要です。
ステップ2:墓じまい業者の選定
墓じまいをするには、墓石を取り除いたり、墓地を整地したりする必要があります。そのためには、撤去工事を行う業者探しが必要です。また、遺骨の新しい安置先も決めなければなりません。
最適な業者や改葬先を見つけるのは難しいことです。自力で探すのが難しい場合は、墓じまい業者の利用がおすすめです。経験豊富な業者は、依頼人の要望に合った業者や改葬先を提案してくれます。これにより負担が減り、墓じまいがスムーズに進みます。
ただし、悪質な業者も存在するため、複数の墓じまい業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
ステップ3:お墓の管理者への通知
家族や親族の同意を得て、墓じまい業者を選んだら、お墓の管理者に墓じまいの意向を伝えます。管理者とは、菩提寺(寺院)や霊園などを指します。
墓じまいの意思を伝える際には、伝え方に気をつけましょう。
過去には、説明不足から寺院に高額な離檀料を請求されたケースもあります。まずは「相談」という姿勢で墓じまいについて話し、事情を丁寧に伝えることが大切です。
参考:実家の「墓じまい」したいのに寺が拒否、離檀料300万円請求も|朝日新聞
参考:「離檀料700万円払え」「墓じまいさせない」住職による高額要求多発…心穏やかな死を望む高齢者の終活に異変|PRESIDENT Online
ステップ4:墓じまいの実施
お墓の管理者の同意を得たら、必要な手続きを終えて墓じまいを行います。
手続きには、僧侶によるお経や遺骨の取り出し、石材店によるお墓の修復工事などが含まれます。手続きが完了したら、墓地の使用権をお墓の管理者に戻しましょう。
ステップ5:散骨業者の選定
次のステップは、散骨業者の選定です。今回は海洋散骨に焦点を当てて説明します。
海洋散骨業者を選ぶ際には、墓じまい業者と同様に、いくつかの業者を比較することが重要です。海洋散骨を希望する海域やプラン、費用などを検討し、最適な業者を選びます。広い範囲の海域をカバーし、その地域に詳しい業者が好ましいでしょう。
また、日本海洋散骨協会に加盟している業者や、「海洋散骨アドバイザー」の資格を持つ業者であれば、より良いサポートやアドバイスが期待できます。
ステップ6:粉骨の実施
散骨をするためには、遺骨を粉末状にする必要があります。
この作業では、遺骨が識別できないように細かく粉砕します。自分たちで行うことも可能ですが、故人やご先祖様の遺骨を砕くことは感情的につらいものです。
そのため、粉骨を代行してくれる散骨業者の利用も選択肢の一つです。「自分たちで行うのは抵抗がある」という場合は、散骨業者を選ぶ際の考慮事項として考えてみてください。
⇛実績豊富な海洋散骨業者「ブルーオーシャンセレモニー」なら粉骨のみのご依頼も承っています
ステップ7:散骨の実施
次に、散骨業者のプラン内容に沿って散骨を行います。
散骨の際には、周囲の人々の宗教的な感情を尊重するために、服装や時間帯などのマナーに気を配ることが大切です。
「散骨時のマナーを知らずにトラブルが発生した」といった事態を避けるためにも、専門の散骨業者の利用が推奨されます。
散骨と墓じまいにかかる費用
散骨と墓じまいの費用相場を見ていきましょう。
散骨にかかる費用相場
一般的に、散骨の費用は5万円~70万円です。
遺骨を粉末状にして海や山に散布する散骨は、費用を抑えながらの供養が可能です。さらに、供養後の維持費用もかかりません。
墓じまいの費用相場
具体的な条件によって異なりますが、一般的に墓じまいの費用は30万円~300万円の範囲です。
墓石の撤去やお墓の修復、行政手続き、改葬など複数の作業が必要なため、費用には幅があります。
⇛墓じまいにかかる費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています
散骨と墓じまいに関するQ&A
墓じまいや散骨に関する疑問や不安を解消するためのQ&Aをご紹介します。
散骨や墓じまいの専門業者のサポートを受ければ、お墓の手続きや費用の心配から解放され、心穏やかな供養を実現できます。
散骨は法的に問題ありませんか?
遺骨を散布する散骨は葬送方法の一つであり、散骨を直接禁止する法律や規定はないと解釈されています。
しかし一方で、遺骨を散布する行為が近隣住民の宗教的感情を害する可能性や、漁業・観光業に風評被害を与える可能性も否定できません。
そのため、散骨を行うときは、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」や日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」を遵守することが大切です。
散骨にはどんな種類がありますか?
散骨には主に次の3種類があります。
・海洋散骨
・山林散骨
・宇宙散骨
なかでも特に、海洋散骨が注目されています。
墓じまいの手続きは自分でできますか?
墓じまいの手続きはご自身で行うことも可能です。
ただし、行政手続きを含む各種申請が必要となります。専門知識が不足していると時間や費用がかかるため、個人で進めるのは大きな負担になります。
そのため、墓じまい代行業者や行政書士に依頼するのが望ましいでしょう。「お墓の引越し&墓じまいくん」であれば、電話一本であらゆる形の墓じまいをサポートしてくれます。
散骨と墓じまいを業者は行なってくれるのですか?
散骨と墓じまいを検討している方のなかには、「複数の業者に依頼するのは面倒」「なるべく費用を抑えたい」と考える方も多く見受けられます。
ブルーオーシャンセレモニーでは、墓じまいと海洋散骨のセットプラン「ご先祖あんしん海洋散骨パック」を提供しています。お墓の撤去や業者の手配、そして遺骨の海洋散骨まで、すべてを一括してお手伝いします。
ご興味がある方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。専門スタッフが丁寧にご案内します。
散骨と墓じまいについて、もっと詳しく知りたい場合はどうすればよいですか?
お墓の維持や手続きに悩んでいる方や、海洋散骨をご検討中の方は、信頼と実績のあるブルーオーシャンセレモニーにお問い合わせください。
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まとめ
本記事では、散骨と墓じまいを賢く組み合わせるメリットと、費用や手間をかけない方法をご紹介しました。
散骨と墓じまいは、経済的な負担や心の負担を軽減する組み合わせです。しかし、散骨と墓じまいをそれぞれ別の業者に依頼するのは非効率です。
ブルーオーシャンセレモニーは、散骨と墓じまいをワンストップで依頼できる専門業者です。散骨実績は5,000件以上で、これまでの経験と実績を活かし、お客様一人ひとりに寄り添った丁寧なサポートと豊富なプランを提供しています。
ブルーオーシャンセレモニーでは、散骨と墓じまいの無料相談を受け付けています。散骨や墓じまいについて少しでも疑問や不安がある方は、気軽にご相談ください。
【参考】